「んぅぅ…….おかあさん。もうたべられないよぉ。」
おそろし山に朝がやってきました。
ミモリンは魔王バルザルドが用意した寝室のフカフカのベットで気持ちよく眠っていました。
突然、枕とベットが爆発しました。
「えっ…..!!?えぇ!!?ぎゃいん!!!!!」
ミモリンは寝室の壁に思いっきり顔を
ぶつけました。
「おはようミモリン。」
ミモリンの首輪についてる鈴から青年のような声がしました。
おそろし山の魔王にしてミモリンのベットを
爆破した張本人、バルザルドです。
「バルザルドしゃま…..ベットが爆発しました……。」
鼻血をぬぐいながら涙目でミモリンはいいました。
「いいだろ?朝確実に起きれる魔法のベットさ。」
バルザルドはなぜか誇らしげに言いました。
「さて、ミモリン。朝食を食べたらお掃除
の時間だよ。」
そういってバルザルドは何やら呪文を唱えました。
「わ、わわわわッ、わああああ!!!!!!?」
するとミモリンの着ていたパジャマが
弾けとび謎の光とファンシーな音楽とともに
ミモリンはメイド服のような姿に変身しました。
今回はウォータースライムくんと
屈強な羊達はおやすみです。
少し残念ですね。
そしてバルザルドはさらに呪文を唱えました。
すると謎の力に引っ張られました。
「ひいいいいいいいいい!!!!!??????」
ミモリンは謎の力に引っ張られながら
口にサンドイッチをぶちこまれました。
「ガボッ!!!??」
更にミモリンは謎の力に引っ張られながら
アイスコーヒーを顔にぶちまけられました。
「つめたっ!!!???」
更に更にミモリンは謎の力に引っ張られながら顔を水で洗われふかふかのタオルで拭かれ
歯ブラシで歯を磨かれ髪を櫛とあたたかい
風魔法でセットされました。
「自分でやりますからあああああああ!!!!!!」
そんなミモリンの叫び声も虚しく、異国で
いうところのジェットコースターのような
朝の支度を終え、おそうじミモリンは
最初の掃除場所へと向かいました。
そこは洞窟の中で、その場所には大きな
扉がありました。
「着いたようだねミモリン。…..ミモリン?
君は本当にその格好で寝そべるのが好きだね。」
「好きで倒れてるんじゃありません…..。」
バルザルドがミモリンの元へ魔法で瞬間移動しやってくるとミモリンはバルザルドに
お尻を向け情けない格好で倒れこんでいました。
「さてミモリン。今日ミモリンに掃除してもらうのは、この羊の魔物達の厠だ。」
バルザルドは大きな扉を開きました。
するとものっすごい異臭が、ムワァァっと
広がりました。
「うわくさっ。」
ミモリンは思わずふさふさの毛が生え、鋭い爪の生えた両手で鼻を塞ぎました。
「……あいかわらずひどい匂いだねー。
ちょっと興奮してきたよ。」
バルザルドはそういって笑いました。
この男はバカなのでしょうか?
「ここ、いつから掃除してないんですかぁ?」
あまりの激臭にミモリンが聞きました。
「 ……..さぁ?誰も掃除をやりたがらなかったからなぁ…….。」
バルザルドはうーんと悩みました。
そう、誰も。誰一人としてこの厠の惨状を
どうにかしようと思わなかったのです。
カチッとミモリンの頭の中でスイッチが
入りました。
ミモリンは大のキレイ好きでした。
汚い部屋を見ると掃除せずにはいられない
性質でした。
更にミモリンは魔王バルザルドの心臓を
移植され人間の女の子から魔物になっていました。
ミモリンのキレイ好きの本能と魔物としての
本能が融合しました。
「ふしゃーーーーーー!!!!!!!!!!!」
おそうじミモリン•大掃除モード、スタンバイ完了です。
「魔王サマッ、掃除用の魔道具ッ!!!!!
今すぐッッ!!!!!!!!」
ミモリンは目をギラギラ光らせながら
魔王バルザルドに言いました。
「え、あっハイ。」
その迫力に思わずバルザルドもタジタジです。バルザルドは魔法で厠用のブラシと
おそろし山の薬草で作った厠用の洗剤を
ポンッと出しました。
それをガシッと手にしたミモリンは
獣のような勢いで掃除に取りかかりました。
「そうじそうじそうじそうじそうじそうじ
そうじそうじぃぃぃぃぃぃぁ!!!!!!!!
ガルルルルルゥゥゥグアアアアアアアアア!!!!!!
フシャーーーー!!!!!フシャーーーー!!!!!」
ミモリンは魔物化したことで腕の力が格段に
上がっておりました。ミモリンの腕力と
魔法で出来たものすごく丈夫で隅々まで洗える厠用ブラシ、そして頑固な汚れも落とせちゃうおそろし山の薬草で出来た洗剤。
それらが合わさることでミモリンは縦横無尽に素早く動き回り、みるみる内に厠をピカピカにしていきました。
なんということでしょう。あの絶望的に
臭くて汚かった羊たちの厠がミモリンの
手によって隅から隅までピカピカのピッカピカに磨かれているではありませんか。
あれほど汚くて小便やら大便やらがついていた地獄みたいな床のタイルが、今では
鏡のようにツルツルのピカピカになってしまいました。
「おそるべし……おそうじミモリン大掃除モード。」
魔王バルザルドはあまりのミモリンの迫力に
呆気に取られていました。
ミモリンは追い詰められれば追い詰められるほど力を発揮する子なのです。
しばらく休憩して、ミモリンは落ち着きました。
「そしたらバルザルド様、次はどこを掃除しますか?」
ミモリンは早く掃除がしたくてウズウズしている様子でした。おそろしい掃除欲ですね。
「次は僕ら幹部が使ってる大浴場だ。」
「…….ハイッ!!!おそうじおそうじるんるるーん♪」
ミモリンは鼻歌を歌いながら次の掃除場所へ
向かおうとしました。
「まつんだミモリンステイ。」
「ホワイ?」
バルザルドとミモリンはなぜか異国の言葉で
やり取りをしました。
「ミモリン、今の君は厠の匂いが染み付いてる。一度着替えた方がいい。」
「……ってことはまさか…..?」
「そのまさかだ。ミュージィック…..!!!!
カモォォォォァンッッッヌッ。」
そういってバルザルドは姿を消し
ミモリン服は勢いよく弾け飛びました。
「ひゃあ!!?」
そしてウォータスライム君があらわれて
ミモリンの身体を隅から隅まで洗いだしました。ウォータースライム君も出番をお預け
されてはりきっているようです。
「ひぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
ミモリンが叫んでいると
ドドドドドドド
とものすごい地響きと共に屈強な羊達99人が素っ裸のミモリンめがけておしくらまんじゅうしにきました。
「進め進めェェェェ!!!!!!!!!俺たちで
ミモリン様の身体をお拭きしろぉぉぉぉぉお
!!!!!!!!!!!!」
「うおおおおおおミモリンさまぁぁぁぁ!!!!!
俺達の厠をピカピカにしてくださりぃぃぃぃ
!!!!!!ありがとうございまぁぁあぁぁぁす!!!!!!!!!」
「どういたしましてぇぇぇぇぇ!!!!??????」
ミモリンはムキムキの羊達におしくらまんじゅうされ身体を拭かれた後、 謎の光とファンシーな 音楽によりふたたび おそうじミモリンへと 変身しました。
「さぁ、次の現場に向かおう。」
もはや慣れた様子のバルザルドはスッと
ミモリンのもとに現れて言いました。
「ちょっと…….ちょっとだけ休ませて
ください……..。」
がんばれミモリン、まけるなミモリン!!
(次回 女の戦い!!!ミモリンvsヤッホーちゃん!!! 次回もまた見てくださいね☆)
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