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二日目ですね!
タイトルから分かる通り
混合です、一部人名呼びです。
ある日、
会議が終わった後に日本はアメリカに声をかけられる。
「日本!ちょっといいかい?」
「はい。アメリカさん、何でしょうか?」
「実は、つい最近、君の家の有名なたぬき型ロボットのアニメみたいに俺!時代を遡ったんだぞ!」
アメリカはさらっとエグい事を言う。
「えっ!?」
日本は驚きを隠せない。
「それで、この体験を他のみんなにも体験してもらうべく、君を呼んだってわけさ!絶対安全ってわけでもないんだよ…俺に耐性があるものはみんなにはないかもしれないからな!」
「つまり、アメリカさん?私に実験体になれと?」
アメリカは親指を立てて
「そうゆうことだ!」
といった。
「明日の午後二時に俺んちに来てくれ!頼んだぞ!HAHAHAHA☆」
「ちょ、アメリカさん!」
アメリカはさっそうと、どこかに去ってしまった。
「はぁ、なんで私ってこう面倒事に巻き込まれやすいのでしょう…」
そして、時は流れ…
午後二時なう
「(えぇっとインターホン押せばいいんでしょうか?)」
日本がインターホンを押す。
バンッ!
勢いよく扉が開く。
「Hello!日本!時間通りだね!さぁ!入って入って!」
日本はアメリカの家に入る
「(アメリカさんの家は土足でした…いつ来ても不思議な感覚です。)」
「日本?コーヒー飲むかい?」
「はい。いただきます」
アメリカはキッチンに向かい、コーヒーを入れてくる。
日本は椅子に座る。
「(アメリカさんの家は相変わらずゴチャゴチャしてますね。)」
アメリカは手に2つのコーヒー入りのマグカップをもってキッチンから出てきた。
「はい!コーヒーだぞ!」
「ありがとうございます。」
日本はアメリカからコーヒーを受け取る。
日本を一口飲んでから言った。
「あの、今思ったのですがどうやって時間を遡ったのですか?アメリカさんは?」
「そんなの簡単だよ!機械に入ってポチッてやって、ビューーン!ってするだけだぞ☆」
「は、はぁ…」
日本には伝わらなかった!!
「ま!ものは試しって言うし、やってみよう!」
「え!?ちょ、私まだ心の準備が!!コーヒーも飲み終わってませんし…」
アメリカはため息を付いて言った。
「はぁ〜、そんなの飲み干せばいいじゃないか!」
そう言ってアメリカはもう一つの口のつけていないマグカップを手に持ち思いっきり口の中に流し込んだ。
ゴクッゴクッゴクッ
「ぷはっ!日本もこんなかんじで…」
「ぜ、善処します…」
「ま!とにかく行こう!」
アメリカは日本の腕を掴み、引っ張る。
「ちょ!アメリカさん!引っ張らないでください!結構痛いです!!」
「早く行くんだぞ!」
日本は仕方なく椅子から立ち、アメリカについていくことに
「アメリカさん?腕、掴むのやめてくれませんか?」
「君が逃げないなら」
「逃げませんよ(というか、逃げれるわけない…こんな爺が…若い人に)」
アメリカは日本の腕を掴むのをやめる。
アメリカは廊下を進み続ける。日本はアメリカの背中を追って歩く。
「(あれ?廊下ってこんなに長かったでしょうか?)」
とても長い廊下の突きあたりにドアがあった。
「あそこだ」
アメリカはドアノブに手をかけ、ドアを開ける。
部屋の中には、いろんな色のコードに繋げられているロケットのようなものが真ん中にあった。
「これが…」
「そう!俺はこれで時代を遡ったんだぞ☆」
日本は自慢げな顔をしてこちらを見ている。
「すごい…」
日本は口を開けて驚いている。
「アメリカさんはどのような時代に戻ったのですか?」
日本は目を輝かせてアメリカに聞いた。
「そりゃー、恐竜のいる時代や人間の先祖がいた時代とかに戻ったよ。恐竜が襲いかかって来たこともあったけど、ヒーローの前じゃ雑魚同然だったね☆」
「そんなことが…見てみたいです!人間の先祖!会って握手がしたいです!」
「恐竜のほうが楽しいと思うんだぞ!」
アメリカはほっぺを膨らませてそういった。
「面白そうですね!これを世界的に出したら、すごいことになりますよ!」
「そうだろう!じゃ、日本この機械の中に入ってくれ!!」
アメリカは機械についているガラスの扉を開き、日本の背中を押す。
「あ、アメリカさん?ちょ、押さないでください!」
日本は機械の中に押し込まれる。
「日本ちょっと待ってくれよ」
そう言って、アメリカは機械の扉を閉める。
「ちょ!まだ、心の準備がぁ!!あぁ、もっとポチに餌をやっておけばよかったです…」
日本が足元の方を見ると煙が出ていることに気づく。
「煙?もしかして、壊れているのですか!?アメリカさんに言わなくては!」
日本は扉を叩く。
バンバン
「ん?日本どうしたんだい?」
「ーーーーーーーーー!」
「何か言ってるのかい?なにも聞こえないぞ?」
アメリカは不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「もしかして!?このガラス、防音ですか!?アメリカさんがなにかをおっしゃっているのは分かりますが、内容がわかりません!喋っていることしかわかりません!!」
日本はさっきよりももっと強い力で扉を叩く。
「(なんか日本の顔がヤバそうだけどまぁいいか!よしあとはこのボタンを押せば…!)」
「アメリカさん!!気づいてください!!アメリカさん!!」
「あ」
日本は不思議な空間に放り出される。
空間にはグニャグニャに曲がった時計がそこら中にあった。
「なんですか?」
日本が歩いていると、急に重力がおかしくなる。
「な、さっきまで床だったものが壁に!!」
日本は空に落ちていく感覚に合う。
「なんですかぁぁぁぁ!?これぇぇぇぇぇ!?どうなってるんですか!?」
どんどん落ちていく。
「あぁ…ポチくん…たま…さようなら…また会う日まで…」
日本が諦めかけていたその時、白い光が地面の方から飛び出してきている。
「まぶs…」
日本はその光りに包まれる。
そして、
「うわぁ…」
日本は地面に着地する。
周りを見渡すとそこには…
女の子がいっぱい居た!!
「え、だれこの子?」
「僕に聞かれてもわかるわけ無いだろ!」
「大丈夫?」
「男!?なんでここに!?」
「ふふふ…大丈夫?」
「この子だれアルヨ!?」
「あ、あの?お怪我はありませんか?」
「みんな!静かに!!」
人気は目立つその露出度の多い服に金髪で短い髪。髪には星の飾りがついている。
机に足を置き、体を前に出す。
「君は誰だい?どこから来たんだ?」
そう言って、日本に手を差し伸べた。
女の子の手を取らず、自分で立ち上がりこういった。
「日本!?何言ってんの!?あんた、日本はここに!」
髪の毛を一つの団子にまとめている美しい女性が髪の短い黒髪の女の子を指さして、そういった
「え」
日本は思わず声が出る。
「あ、あの私も日本です…えっと?」
女の子の方も混乱しているようだ。
突然、金髪のツインテールでメガネをかけた女の子が言った。
「一旦、椅子に縛ったほうが良くないか?」
「え?(なんでこんな事になってるんですか?)」
日本はあっという間に椅子に縛られた。きれいな長髪の背の高い女性によって、一瞬にして縛られた。
「この子すごい混乱してるよ?大丈夫かなぁ?」
きれいな髪をなびかせて、そういった。
「大丈夫…ではなさそうだな…」
この中で、一番髪の短い女性がそういった。日本のことを心配そうな目で見ている。
「ねぇ?君本当に日本なのぉ?」
とても可愛いらしいポニーテールの女の子が日本の顔を覗き込む。
日本はその顔が眩しすぎて直視できない。
「(うっ!眩しい…)」
「で?君は本当に誰なんだい?」
星の髪飾りをした女の子が言った。
「ですから、私は日本です。」
「でも、日本はもういるヨ、ほらそこアル」
そう言って、黒い帽子を被っている女の子が黒髪の女の子を指さす。
「あの、本当のことをおっしゃってください…最悪の場合、ロシアさんによる拷問が始まるかもしれないので…」
「なにいってるの?日本ちゃん?僕はそんな事しないよ?ただ、ちょっとほんとのこといってもらうだけだよ…ふふふ…」
「(あのきれいな髪の方がロシアさん!?どういうことですか!?)」
「物騒なこと言わないでよぉ…」
ポニーテールの女の子が今にも泣き出しそうである。
「泣くんじゃない!イタリア、最悪の場合なんだから!」
「(あの眩しい女の子がイタリア君!?それでは、イタリア君を慰めている女性は…)」
「ドイツさん?」
日本は思わず口に出してしまう。
「え」
女性も驚いているようだ。
「私のことを知っているのか?」
「何いってんの?この子がドイツのこと知ってるわけないでしょ(笑)」
美しい女性は口元を手で抑え、笑いをこらえながら言う。
「私は日本です!信じてください!」
日本は必死に言う。
「信じろと言われてもねぇ…」
「わ…私は、私は信じます!!」
黒髪の女の子が言った。大きな声で、
「どうしたの日本!?なにを理由にそんな…」
美しい女性は、とても驚いたような顔をしている。
「理由ですか…彼が嘘を言っているように見えないからです…」
「僕だって嘘をついているように見えない、というか妖精さんが言ってるんだよ」
ツインテールの女の子もそういった。
「あんたの妖精さんもどこまで信用できるかわかったもんじゃないわ…」
美しい女性は、馬鹿にするように言った。
ツインテールの女の子とバチバチし始める。
「日本ちゃんが言うなら僕はひくね」
ロシアがそういう。
「まぁ、我(わたし)もロシアに賛成アルヨ!」
「日本になにか会っては大変だが、男の子が嘘を言っているように私も聞こえないからな、拘束を外すか…」
「(男の子!?今男の子って言いましたか!?)」
日本は嬉しい気持ちとなんとも言えない悲しさが同時に襲ってきて、複雑な気持ちになっている。
「私も、嘘を言っているように聞こえないし、何よりドイツがそう言ってるんだし!」
「お姉さんはどうしよう?ま、いいかな、でも日本に手を出したら許さないからね♡」
「フランス、君にしては意外に諦めがはやいね、私も日本の言うとおりだと思う!そして、ドイツの言う通り拘束を外そう!!」
「面倒なことはお姉さん嫌いなの…」
「ふぅん」
ロシアとドイツが日本(男)の拘束を外す。
「今、思ったんだが君はどうやってここに来たんだ?」
ドイツが聞く。
「私はその…私の世界の『アメリカさんが時代を遡った』と言われまして。で、その体験を他の皆さんにも体験してもらいたいのですが、なんか耐性がどうのこうのと言われまして、それで、実験台にされました。そしたらこんなことに…」
「じゃあ!じゃあ!君は未来から来たの!?すごいなぁ〜」
イタリアは目を輝かせていった。
「本当に時間を遡っているの?そうなると、日本が将来、男になるってこと!?」
イギリスが驚いて日本の方を向く。
「私にもわかりません。なんというか、時代を遡ったと言うより違う世界に来た感じです…」
「うん〜…魔法を使えば、帰れるかもしれんが流石に僕の魔力だけじゃ無理だな…なにか他に必要だな…」
イギリスは考え込んでいる。
「そうですか…」
「今日はうちに泊まってください。」
日本(女)は日本(男)に言う。
「ねぇ〜、男の子の方の日本はなんて呼べばいいの?」
とイタリアが日本(男)に聞く。
「えぇ…と…」
日本が戸惑う。
「私達国が人間として生活するために使っている名前を使えばいいんじゃないか?」
ドイツは名案を出す。
「あ!それはいいですね…私は改めて『本田菊』と名乗らせていただきましょう。」
日本は改めて名乗り直す。
「『ホンダ』!?日本も『ホンダサクラ』だから、苗字も一緒!」
ドイツは驚く。
「菊かぁ〜、可愛い名前だね!」
イタリアが菊に向かって、言う。菊はそれを聞いた途端、顔が赤くなる。
「ふふふ…菊君照れてるね…」
ロシアが少し笑いをこぼす。
「今日の会議はこれで終わりにしよう!!」
アメリカは大きな声で言う。
「そうだね…多分、聞けることは聞けたはずだし…」
イギリスは頷き、紅茶を飲む。
「そうね〜、日本もし菊ちゃんになにかされたらすぐ言うのよ」
フランスは菊の方を睨みながら言った。
「なにか、あったらすぐ我(わたし)に言うヨロシ!!」
中国は目をキラキラさせながら言った。
「中国ちゃん、日本ちゃんのお手伝いができるからって張り切ったら、腰やっちゃうんじゃない?」
「な!お年寄り扱いすんじゃないヨ!我(わたし)はまだ、ピッチピッチの4000歳アル!」
中国はロシアに言う。
「困った事があれば、なんでも言うんだぞ日本」
「そうだよ〜、食に関してなら任せてね〜!」
ドイツとイタリアは頼もしい口調で言う。
「はい!」
二人の日本の返事はきれいに揃うのであった。
時は流れ〜
日本(桜)宅…
「すいません、私の家には男の人の着物が少なくてですね…サイズが合うか…」
桜は困ったような顔をしながら言う。
「いえいえ、構いませんよ。大体、女の人の家に男の人の着物なんてないものですから…」
菊は桜の気持ちを軽くするために言う。
「確か、ここに…」
桜は棚の襖を開けて、丁寧にたたまれている男の人の着物を取り出してくる。
「ありました…」
その着物は、ちょうど日本とサイズが合うものだった。
「着てみてください。」
「え!?」
菊は驚く。
「あ!私はお茶を入れますので、その間に!!」
桜は顔を真っ赤にして部屋を出ていく。
「(あっ…やってしまいました…)」
日本は着ていた服を脱ぎ、着物を着始める。
「(本当にサイズがぴったりです…)」
「あの…入ってもよろしいでしょうか?」
桜は菊に丁寧な口調で聞く。
「ええ、構いませんよ」
菊は優しくそう答える。
「すいません…さっきは…」
「いや…全然…」
沈黙が続く…
五分ぐらい…
最初に話を切り出したのは桜だった。
「えぇっと…その、着物サイズ大丈夫ですか?」
桜は菊に尋ねる。
「はい、この通りぴったりでした。」
菊はニッコリして言う。
また沈黙が続く…
そしてまた話を振ったのは桜である。
「囲碁でもしますか?」
「囲碁ですか!?ぜひ、やらせてください!」
菊は目を輝かせて言った。
「では、ちょっと待っていてください、取ってきます。」
桜は笑ってそう言うと、また部屋を出ていく。
「持ってきました!」
桜は額の汗の腕で拭う。
「あ、手伝います。」
菊は碁盤(囲碁の台)を部屋の真ん中に置く。
「あと、碁石ですね」
桜が碁石の入っている容器を持ってくる。
「これでできますね、囲碁なんていつぶりでしょう…」
菊はどこか懐かしさを感じている。
「私も最後にやったのがわかりません…」
菊と桜は座布団の上に座る。
「では、やりましょうか…」
「はい!負けませんよ!」
桜は元気よく答えた。
基盤の上が白と黒の石で埋められていく。
「あ、あの会議って何だったんですか?あの人たちで会議って…」
パチッ
菊は碁石を打ちながら言う。
「あ、あれは女子会議というものでして..誰が来てもいいと言っても、女子に限ります…今日はたまたま集まった人達がアメリカさん、イギリスさん、フランスさん、イタリアさん、ドイツさん、ロシアさん、中国さん、私だったんです。」
パチッ
桜は碁石を打ちながら答える。
「女子会議に男である私が入ってしまったということですか…すいませんでした。」
菊は立ち上がり、土下座をした。
「あ、え!そ、そんな!顔を上げてください!!」
桜は急に菊が土下座するものだからびっくりする。
「男の人が入ってくる前例はありますしたし、大丈夫ですよ」
菊は顔を上げ、座布団に座り直す。
「前例って誰ですか?」
パチッ
菊は碁石を打ったと同時に桜に聞く。
「前例というのは、ベラルーシさんです…ロシアさんが出席していたときに、アメリカさんが座っていた席の真後ろのガラスを割って入ってきました…なんとか、その時出席していたスウェーデンさん、フィンランドさん、中国さん、リトアニアさんによって止められました…私もその会議に参加していたのですが…本当にびっくりしました。」
桜は必死に次の一手を考えながら言った。
「(ベラルーシさんはこの世界では男性になっている…性別が入れ替わった世界?)」
パチッ
菊の考え事は桜の打った碁石の音で消えてしまう。
「う〜んここですかね」
パチッ!
桜は難しそうな顔をして、碁盤とにらめっこをしている。
「(菊さんお強いです!!私の腕もなかなかなものだと思っていましたが、これほど強いとは…こんなに強い人は久しぶりです!えぇっと誰でしたっけ…)」
「祖国もなかなかいい一手を打ってくるな!」
桜の記憶の中に蘇る美しく透き通った声
「(私の上司でしたっけ…他の上司の皆様は私のことを『祖国様』と呼ぶのに、あの方だけは、『祖国』でした…)」
「えっと、桜さん?でしたっけ、大丈夫ですか?」
菊が心配そうに聞く。
「あ、あぁ!はい、桜です!すいません、年を取るごとになんというか思い出に浸ってしまう時間が長くなってしまってる気がします…」
「私もです…昔のことを思い出すとつい、長く浸ってしまう…私は桜さんを見ていると昔の自分を思い出します…」
菊は桜の目を見ていった。
「なぜ?」
パチッ
桜は菊に問いかける。
「昔、上司と囲碁をしたのですよ…あの時は、私も一手一手考える時間がとても長かったです…上司は私の一手にいつも言うんです。『祖国もなかなかいい一手を打ってくるな!』って、」
桜はそれを聞いた途端、桜の頭の中に桜吹雪が降る。その奥には菊と同じ背丈の少年が正面を向き、見覚えのある着物を着て立っている。少年は桜に手を差し伸べる。
「祖国、こっちだ!」
顔は逆光で見えない、でも声でわかる。
「(あぁ、彼はいつも…)」
パチッ!
菊が打った碁石の音が部屋に響く。
その音で桜は現実に引き戻される。
「は!」
桜は思わず声が出る。
「えぇっと…本当に大丈夫ですか?」
菊は心配そうに桜の顔を覗き込む。
「大丈夫です!本当に!」
桜は心配をかけまいと、元気な声で言った。
「そうですか…次打つのは桜さんですね」
「はい」
「(彼から見た私はいつもこんな風に考え込んで、次の一手を考える…彼も楽しかったでしょう…)」
菊はそんなことを思いながら、桜の顔を見る。じーっと
「あ、あの私の顔になにかついていますか?」
桜は恥ずかしそうにしながら菊に聞く。
「いえ、何もついていないきれいな顔ですよ」
菊は笑って答えた。ちなみにこのせいで、桜の心拍数が上がる。
パチッ…
碁石の打つ音がいつもより、弱い。
「では、」
碁石を打つ音が部屋の中に響く。
「負けました…」
桜は碁盤を見ながら言った。
「面白かったです。久しぶりだったからでしょうか…」
菊は笑いながら言った。
「私も楽しかったです。」
ワン!
廊下から鳴き声が聞こえる。
その鳴き声に菊は驚く。
「ポチ!」
桜が廊下につながっている襖を開けると、そこにはポチが居た。紛れもない、ポチだった!
「(ポチ…また…会えるなんて…)」
菊の目から一筋の涙がこぼれ落ちる。
「え!どうしたんですか!?なぜ、泣いて…!」
桜はポチを抱きかかえて菊に近づく。
「すいません…私もあなたが抱きかかえている犬を飼っているのです。ポチくん…今頃お腹をすかせていないでしょうか…いや、ありえませんでした。さっきと言っても約3時間前にやりましたから…お昼ご飯を…」
「ちなみにこの子はメスです」
桜は犬を指さしていった。
「そうですか…」
菊は桜から犬を渡してもらい、膝の上に置き、頭を撫でる。
「ふふ…愛らしいですね…」
にゃぉーん
「あら、たまも来たの…」
たまは部屋に入ってくると、桜の膝の上に飛び込む。
「たまたっら、本当に私の膝の上が好きですね…」
桜はたまの頭を撫でる。
のほほんとしている
この部屋にふさわしい、擬態語である。
楽園やんなぁ〜
あ、失礼
こちらまで気が緩むぐらい楽園です!!
二人がポチとたまを可愛がっている間に1時間経ってしまう。
可愛いものを見ていたら、あっという間に時間が過ぎていた…そんな感じです。
「な!もう5時半!早く晩御飯の準備をしなければ!」
最初に気付いたのは桜だった。桜は立ち上がる
「私も手伝います!」
菊は立ち上がり言った
「本当ですか!では、お手伝いしていただきますね!」
二人の日本は台所に向かう。
トントントン、シャリシャリ、ジュー、
台所はいい匂いが立ち込めている。
「今日の晩御飯は、ご飯と塩鮭、お味噌汁、小松菜のおひたし、お漬物です!」
桜はちゃぶ台の上に料理を運んでくる。今日はいつもより一人前多い。
「では、」
二人は手を合わせ言った。
「いただきます!」
「そういえば。久しぶりに食べます。小松菜のおひたし…美味しい…」
菊はゆっくり一口ずつ味を噛みしめる。
「最近、塩鮭食べていなかったから嬉しいです」
桜はそう言って、塩鮭にかぶりつく。
「おいひぃ〜…」訳:おいしい〜
桜は夜にも関わらず、太陽のような眩しい笑顔を放った。
菊も桜の後を追うように、塩鮭にかぶりついた。
「おいしいです…」
菊も満面の笑みに!
ここから後はご想像におまかせします。
「ご自走様でした!」
菊と桜は立ち上がり、食器を台所に持っていく。
台所につき、二人で一緒に食器を洗う。
「私は最初、菊さんに会った時、『不審者!危ない人!』って思ってしまった事が今でははずかしいです…本当にすいません。」
桜は食器を洗いながら菊に謝罪する。
「いえいえ、全然!仕方ないですよ、急に男の人が現れたんですから…」
菊はその手を止めることなく言う。
二人は食器を洗い終える。
「布団どうしましょう…完全に忘れてました…」
桜は菊の方を見て言った。
「別になんでもいいですけど…」
桜は言いにくそうに言った
「いや、ホコリっぽいかもしれないです…」
「別に構いませんよ!急でしたし!」
菊はそう言っているが、桜は申し訳なさそうな顔をしていた。
桜と菊は寝室に移動する。寝室と言っても桜の部屋である。
「(女の子の部屋なんて…久しぶりです…)」
菊は恐る恐る桜の部屋に入る。10畳ほどの大きい部屋であった。
「ここの棚に確か…」
そう言って桜は棚の襖を開ける。そして、布団を引きずり出してくる。
ズル…ズル…ズル…ズル…
「私も手伝います!」
菊は布団の両端を持ち上げる。桜も同じように菊が持っている両端の反対を持つ。
「ここでいいでしょうか」
桜はそう言って布団を桜の布団の隣に置く。
「え、はい(女の子の部屋で寝ることになるとは…いえ欲張ってはいけません!日本男児たるものこんなもので音を上げていては!)」
菊は自分の両手を握りしめる。
「どうかしましたか?」
桜が不思議そうな顔をしてこちらを見ている。
「いえ何もございませんよ」
菊はにっこり笑ってそういった。
「あとは枕ですね、これをお使いください」
「あ、はい」
菊は桜から枕をもらい自分の布団の上に置く。
「今日は楽しかったですね、お風呂に入りましょうか。それ意外の男の人の着物があったはずなので、探しておきますので、先にお風呂に入ってもらって構いませんよ」
桜は菊をお風呂に案内し、着物を探しに行った。
「(いつの間にお風呂を入れたんでしょう?)」
祖国様そこ突っ込んじゃいけません。
菊は不思議に思いながら脱衣所で服を脱ぎ、浴室に入る。
「(やっぱり私の家と同じ構造…やはりここはパラレルワールドというやつかもしれません…)」
菊はそんなことを思いながら、髪の毛と体を洗いお風呂の中に入る。
「いい湯です…ふぅ…あの窓も一度アメリカさんに壊されましたっけ…あれは衝撃的でした…ポチくんもさぞ驚いたでしょう…本当にアメリカさんに振り回されてばかりですね…私が振り回していた時期もありましたが…」
「あ、あの」
脱衣所から桜の声が聞こえる。
「着物を洗面所の近くにおいておきました。すぐ目に付く場所です。それでは」
桜は走って出ていく。
「聞かれていたのでしょうか?別に構いませんけど…はぁ…こんなことになるなら、大阪さんにポチくんとたまのご飯のことを頼めばよかったです…ポチ…たま…」
その頃、二匹の動物はカナダが可愛がっていた!
なぜそうなっているかというと…
ピンポーン
イギリスが日本の家を訪ねてもいなかった。⇒そういえば、前の会議でアメリカと一緒に話してた。⇒アメリカが何かを知っているかも!⇒イギリスがアメリカ宅に凸⇒アメリカからすべて聞く。
「日本がいない間なんで俺が世話しなきゃいけないんだい!?」
「そりゃあ、お前が面倒事に日本を巻きこみやがったからだろうが!明後日の会議の日までには連れ戻さなきゃいけ、お前が悪いって言われるぞ!そうならないように俺も手伝う!だから文句言うな!」
イギリスがアメリカに言う。
「えぇ〜」
イギリスはアメリカの態度にキレる
「大体、俺が今日日本の家を訪ねてなかったら、お前やばかったんだからな…大体、時間を遡ったって…!なんだよ、その夢みたいな話!俺を呼べよ!」
「イギリス…なんか話がそれてる気がするんだぞ…」
珍しくアメリカがイギリスに突っ込む。
「というか、あの機械はトニーから誕生日プレゼントとしてもらったものなんだぞ!」
「あの宇宙人からか…」
イギリスは静かに呟く。
「なに言ってるんだい!?トニーは正真正銘のアメリカ人なんだぞ!」
アメリカはイギリスの言葉を見逃さなかった。
「どう見ても、宇宙人だろ!見た目が!」
イギリスが反論する。
「なに言ってるんだい!?見て目で判断しちゃいけないよ!イギリス!」
アメリカはそれに反論する。
イギリスとアメリカの睨み合いが始まる。
睨み合いを遮るようにアメリカの家のインターホンが押される。
「もう、誰だい?」
アメリカが玄関の扉を開けて出るとそこにいたのは…
え〜と…
「カナダだよ!」
「なんでカナダがここに!?」
アメリカは驚く。
「いや、クッキーを作ったから食べてほしくて…」
「ん?カナダじゃねぇか!?」
イギリスも驚く。
「あ!イギリスさんいいところで僕の作ったクッキー食べます?」
「アメリカ、この家に紅茶あるか?」
「一応ね、君が来た時用に」
アメリカはめんどくさそうに言った。
「よし、紅茶は俺が入れる。アメリカが入れたら大変なことになるから」
イギリスは自慢気に言った。
カナダはアメリカの家に入り、机の真ん中にクッキーを置く。
全員の目の前に紅茶が配られていく。
「で、なんでアメリカの家にイギリスさんがいるの?」
カナダがアメリカに聞く。
「それは…」
アメリカとイギリスは途中で喧嘩をしながらも事情を話す。
「その機械って今もこの家の中にあるの?」
カナダがまたアメリカに聞く。
「そりゃあもちろん!それがどうしたんだい?」
アメリカはクッキーをほうばりながら言う
「いや、見てみたいなと…」
「というか、最初の話からめっちゃズレてるじゃねぇか!」
イギリスが突っ込んだ!よくそこに気づいた!イギリス!さすが!すごい!
「最初の話とは?」
カナダの頭の上に?が浮かぶ。
「いや、日本のペットの世話をアメリカがやらなきゃいけないって話だ」
「いや、そっちも重要かもしれませんけど!先に日本さんでしょ!」
カナダツッコミナイス!なんか全部カタカナになってしまった…
「ペットは僕がお世話しますから、二人は日本さんを助けてあげて!」
さすカナ…訳:さすがカナダ
「ちょ、カナダ!日本の家の鍵だ!」
アメリカは日本が持ってきていたカバンから日本の家の鍵を取り出し、カナダに投げる。カナダはそれをキャッチしてアメリカ宅を飛び出し、日本の家を目指す。
3時半の出来事である
そして、今に至る。「ていうか、普通に犯罪だよね」と思うカナダであった。
長くなってしまいましたが、菊の視点に戻ります。
菊はお風呂から上がり、脱衣所に行く。
体の水滴を全て拭き取り、桜が用意してくれた着物を着る。
「桜さん、上がりましたよ」
菊は桜を見つけそう言う。
「はい、どうでしたか?お風呂?」
「ちょうどよい温度でしたよ」
「そうですかそれは良かったです」
桜は嬉しそうな顔をして脱衣所に入っていく。
「(今日は色々ありすぎて疲れました…)」
菊が縁側を歩いていると、空から光が出ている。
「(何でしょうか)」
菊が空を見ると、宇宙船がこちらにすごいスピードで近づいてくることがわかった。
「え?え?えええええええ!?」
菊は驚くことしかできない、動こうとも思えない。ただ立っていることしかできない…
宇宙船が庭に着陸する。そのせいで庭はぐちゃぐちゃである。
宇宙船から誰かが出てる。
「やぁ!日本!助けに来たんだぞ!」
口調と声でわかる。アメリカだ…アメリカだった!
「なんでアメリカさんがここに!?」
菊はもう一段階驚く。
にょきっ
「俺もいる」
イギリスも宇宙船から出てくる。
ドタドタドタドタ、
廊下から誰かが走る音が聞こえてくる。
「何事ですか!?」
桜が片手に日本刀を持ってこちらに駆け寄ってきた。
「今度こそ不審者ですね」
桜はさやから日本刀を抜き、アメリカとイギリスに構える。
「落ち着いてくれお嬢さん!そんな物騒なもの、君には似合わない」
イギリスが桜を止めようとするが無駄だろう。
「桜さん!この人たちは私の知人です!」
菊がそう言うと、桜は構えるのをやめて鞘に刀を収める。
「そうでしたか、すいません」
桜は90度ちゃんとお辞儀をした。
「理解してくれて何よりだ…」
イギリスは胸を撫で下ろす。
「で、なんでアメリカさんとイギリスさんがここに?」
菊がそう言うと
「アメリカさん!?イギリスさん!?」
桜が口を開いて驚いている。
「なんでってそりゃあ、君を助けるために決まってるだろう!だって俺はヒーローだからね☆」
アメリカはお決まりのセリフを言う。
「時間を遡ったとかほざいていたけど、本当は世界を移動しただけ…時間なんて遡ってないんだよ…トニーの話くらい聞いとけ馬鹿!お前あいつの友達なんだろ!友達の話くらいちゃんと聞け!」
イギリスがアメリカの耳を引っ張りながら言う。
「それに関しては本当にその通りだと思う…反省してるよ…」
イギリスは驚く。だった普段反省する気配のないアメリカが反省しているからだ。
「お前がそんな感じだと、こっちまで調子狂うじゃねぇか!」
「なんだい君!俺に黙れと言ったり、騒げと言ったり!」
アメリカがイギリスに文句を垂れる。
「ちょ、お二人とも落ち着いて」
菊が二人をなだめる。
「えぇっと」
桜が何かを言いかける。
その時アメリカとイギリスが睨み合っていた視線は桜の方に向く。
「あのお二人はその菊さんのお知り合いと聞きましたが…えっと…」
桜は相当混乱しているようだった。目の中がぐるぐるしている。
「そういう君は誰だい?girl?」
アメリカは桜に質問する。
「私は日出づる処(ところ)国、日本でございます。」
「日本!?もうそこにいるじゃないか!?君は何を言っているんだい!?」
アメリカは菊の方を指差す。
「世界が違うからこの世界に日本ぐらいいるだろ…この世界だと日本は女なのか…」
イギリスはアメリカとは違い冷静だ。
「(騒がしい人たちだなぁ)」
桜は密かにそう思った。
「あの、質問したいことがたくさんあるのですが…」
菊の言葉を遮りアメリカが言う。
「そんなことより、早く帰るんだぞ!」
「もうお帰りになるのですか。短い間でしたが楽しかったです!」
「いえ、私こそ短い間ですがお世話になりました。服どうしましょう?」
菊は桜の方を向く。
桜はにっこり笑ってこういった。
「持ち帰ってもらって構いませんよ」
「でも…」
「いえ、持ち帰ってください」
桜が言い直す。
菊は笑って言った。
「はい」
「日本」
イギリスは日本の名を呼び手を差し出す。
「イギリスさんありがとうございます」
日本はその手を取る。
「それではお気をつけて…」
桜は笑顔で三人を送り出した。
後日談
日本は本来の世界のアメリカの家に戻ってきて、胸を撫で下ろすが
帰ってきたら急にイギリスの説教が始まったり、
アメリカの家においていた鞄の中に家の鍵がなかったり、
色々ありすぎて日本がフラフラになったりと大変だった。
その日はアメリカの家で一日を過ごすことにした。
そして、家に帰ったら居間でポチとたまとカナダが川の字になって寝ているときた。
日本はアメリカとイギリスから事情を聞いてるとはいえ、すごい驚いたそうだ。
「(とても不思議な体験ができました…また、会えるといいですね…)」
日本は密かにそう思うのであった。
そして、あちらの世界では…
急に菊が帰ったことに
イタリア、アメリカ、イギリスはびっくりしていた。
他の4人ドイツ、フランス、中国、ロシアは安堵した様子だったらしい(桜曰く)
「また、どこかで会えるでしょうか…会いたいです…」
桜はそう独り言をこぼすのであった。
おわり
原稿用紙
約50枚分ありました…
よく書いたな自分…
コメント
2件
神や…栄養を摂取できます…!にょたりあガチですこ…今回も神をありがとうございます!!原稿用紙50枚…!?すごすぎる…