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サイド レン
オレは、人を傷つけた。
それは、事実でどう足掻いても消えることじゃない。元に戻ることもない。
だったら、そのことをしっかりと真正面から認めて、どこまでも“自分”を貫いてやるって、決めたんだ。
認めてもらう、じゃなくて、認める。
「それがオレの生き方で、ユメとの違いなんだ」
「それが大きな違いですのよ!」
ユメは叫ぶ。
もうこれ以上苦しみたくないという気持ちがこもった、悲痛な叫びだった。
「だったら、オレがユメを認める!何度だってユメのことを見て、間違いそうになったら何度でも止めてやる!!」
オレはユメの目を真っ直ぐに見てそう宣誓した。……ユメならこの言葉が嘘じゃないって、分かるだろ?
「だから、こいよ!一緒に生きよう!この人たちもみんなこの世界から嫌われたモンダイジなんだから!!」
ユメは今にも泣き出しそうだ。
「っ……あたくしは、あたくしにも、居場所があって、よろしいのですの……?」
しっかりとオレは頷いた。そして、ユメにむかって手を伸ばす。
「……これからよろしくお願いしますわ!」
ユメはオレの手を取った。しっかりと手を握ってユメの体を引き上げる。
ぐっ、……けっこー重いな!
「レディに対して失礼ですわよ!」
あ、やっぱり心ん中読まれたかぁ。ま、いいや。
そう思ってオレは笑う。今は、団長さんたちと一言だけ言ってやればいい。
『ようこそ、モンダイジ団へ!!!』
サイド ユメ
「どう?ユメの帽子」
「まあまあ、ですわ!」
キリにそう問われ、あたくしはそう返しました。
8人目のモンダイジ団団員としてあたくしに渡された帽子はルネというあの屋上にいた人が作ったものらしく、あたくしの“観察する力”を少しだけ抑えるようになっているらしいですわ。
なので無意識のうちに心を読むことはできなくなりました。
あたくしにとって、それはとても喜ばしことですの。ですが、素直に喜べませんわ。
なぜなら、ルネという人によってあたくしたちの行動がコントロールされている気がしてならないのですの。