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別の日。私は学園の裏庭を、専属カメラマンのゼノ君と歩いていました。今日は「学園の隠れスポット紹介配信」です。
「リリアーナ様、あちらの木陰に、とっても珍しいお花が咲いていましたわよ」
シャーリーさんが、どこか期待に満ちた顔で私に声をかけてきました。彼女が指さす先には、不自然に落ち葉が敷き詰められた地面があります。
「まあ、本当? 教えてくださってありがとうございます、シャーリーさん。行ってみましょう」
私がお花を目指してその場所へ足を踏み入れようとした、その時です。
ゼノ君が「おっと」と言ってわざとらしく転び、大事な鏡(カメラ)を放り投げました。
「ああっ、鏡さんが! 大変だわ!」
私は慌てて、空を舞う鏡をキャッチしようと横に飛びのきました。その瞬間です。
――ドゴォォォン!!
私がさっきまで歩こうとしていた場所が、派手に崩れ落ちました。そこには、底にトゲがびっしりと植えられた、深い『落とし穴』が口を開けていたのです。
「……あ、あら? 地面さんが、いなくなってしまいましたわ」
「……リリアーナ様。これは『落とし穴』という、非常に古典的な罠です。……おい、中を見ろ」
ゼノ君が鏡を拾い上げ、穴の底をアップで映しました。するとそこには、トゲに引っかかって動けなくなっている……シャーリーさんの取り巻きの令嬢たちの姿がありました。
「な、なんであんたたちが落ちてるのよ! リリアーナが落ちるはずだったのに!」
穴の上からシャーリーさんの叫び声が聞こえてきます。どうやら、取り巻きの人たちが罠の設置ミスで、先に自分たちで落ちてしまっていたようです。
「まあ、シャーリーさん。お友達が穴の中でピクニックをしていますわ。とっても楽しそうですけれど、少し窮屈そうですわね。新しいお部屋かしら?」
「ピクニックなわけないでしょお!!」
顔を真っ赤にして地団駄を踏むシャーリーさん。私は「助けを呼んできますわね」と、ゼノ君と一緒にその場を離れました。
鏡の中では『自爆のスペシャリストw』というタグが爆誕していましたが、私はそれに気づくこともなく、次の映えスポットを探しに行くのでした。