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iemmさん視点〜
〈iemm〉
「分、断、…。」
〈mmntmr〉
「ぶっ壊しますか。」
〈mmntmr〉
「現出して_」
そういい、mmさんが”おともだち”の口から鎌を取り出す。
〈mmntmr〉
「おらッッ!!」
そういい振るった鎌は確かに壁をとらえ、刃が通ったはずなのに
切ることは認められなかった。
壁は何事もなかったかのように居座っている。
〈mmntmr〉
「…ふぅーん……。」
〈iemm〉
「…?」
〈mmntmr〉
「…なるほど……」
そういい、腕を組むmmさん。
え、
〈iemm〉
「分かったんですか!?」
〈mmntmr〉
「まぁ、なんとなく…。」
すごい…あの一瞬でわかるなんて…
〈mmntmr〉
「まだ確信がないんです。」
そうだとしても、予想ができるだけで話が変わってくる。
予想できるのなら相手の能力の手がかりをつかめるかもしれない。
…壁が生きているみたいに動くなんて、どんな能力だろうか。
そんな会話をしていると、
〈???〉
「だれ…?」
突如後ろからそんな声が聞こえた。
〈iemm〉
「!?」
俺は急いでそっちを向く。
〈???〉
「…客……?」
少女…なのか……???
〈mmntmr〉
「貴方は誰ですか?」
丁寧に問うmmさん。
〈???〉
「私…」
〈イリス〉
「イリス……」
…。
〈iemm〉
「…イリスさんは、この洞窟の先にいる人とは知り合いですか?」
俺は震える手を握りしめ、イリスに問う。
もし知り合いなら案内してくれるかもしれない。
そんな期待と共に俺を震え上がらせるもの。
底しれない恐怖が俺を蝕んでいた。
この恐怖は、
一体どこから、誰から、来るのか
_この少女、イリスからなのか。
〈イリス〉
「主…様……?」
〈mmntmr〉
「主様…ですか……。」
〈mmntmr〉
「…。」
〈mmntmr〉
「そうですね、その主様の場所へ連れて行ってくれませんか?」
〈イリス〉
「…」
〈イリス〉
「ヤダ。」
え?
〈イリス〉
「泡沫…自覚。」
イリスがそういうと俺は暗闇の中へ閉じ込められた。
〈iemm〉
「!?」
〈mmntmr〉
「あちゃぁ…」
まさか先手を打たれるなんて…
mmさんはきっと大丈夫、 あちゃぁって言うぐらいなんだから余裕だろ。
俺は身を守ることだけ考えろ。
〈イリス〉
「…謝る……だが…仕方、ない……」
〈イリス〉
「…すぐ……おわら…!?」
〈イリス〉
「解除ッッ!!!」
そう叫ぶようにイリスが放った言葉は焦りが見られる。
〈iemm〉
「解くんですね…?」
こっちが攻撃を受けたはずなのに…
〈イリス〉
「…そこ…黒髪……」
〈mmntmr〉
「…はい? 」
〈イリス〉
「お前…何者ッ……?」
ん?
質問の意味がわからない。
mmさんが何者か?って言われてもな…
何者も何もないんだけどなぁ、…
〈イリス〉
「お前…今……壊そう……した。」
〈mmntmr〉
「………」
壊そう…した???
…
俺だけおいてかれてる…
〈mmntmr〉
「…すみませんね、見られたくなかったのもで。」
???
〈mmntmr〉
「私も、お返しして差し上げますよッ!」
そういい、mmさんはイリスに一気に距離を詰める。
〈イリス〉
「!?」
イリスめがけ、鎌を振り下ろそうとした時。
〈mmntmr〉
「…」
mmさんがピタリと止まった。
〈mmntmr〉
「あー…なるほど……。」
???
〈イリス〉
「ッッ」
イリスは勢いよくmmさんから距離を取る。
〈イリス〉
「主様…会ったら……どうするつもり?」
イリスはmmさんに問いかける。
イリスの額には汗が流れており、mmさんに大きな恐怖を感じているように見える。
〈mmntmr〉
「?ただ、仲間に引き入れるだけですよ。」
〈イリス〉
「……」
〈イリス〉
「私…判断間違える、馬鹿じゃない。」
〈イリス〉
「…もう、わかってる?」
〈mmntmr〉
「…えぇ、まぁ、わかりましたね。」
〈mmntmr〉
「点と点がつながりました。」
〈iemm〉
「…やっぱり俺…おいてけぼり……。」
〈mmntmr〉
「あ、」
そんな呆れてしまうような声が俺の耳に届き、mmさんがこっちを見る。
〈mmntmr〉
「すみませんね…実はなんとなく相手の能力がわかんったんですよ。」
〈iemm〉
「ほ、本当ですか!?」
俺は目を見開き、mmさんに問う。
〈mmntmr〉
「…じゃあ説明しますか、iemmさんのためにも、」
〈mmntmr〉
「私の推理が合っているのかどうかも。」
〈イリス〉
「…。」
〈mmntmr〉
「さっきから何が何だかって感じですよね?」
〈iemm〉
「…まぁ……」
ここに来たらいきなり分断されてって感じだもんな…。
〈mmntmr〉
「説明しますね。まず、1つ目。 なぜ魂がきれいな人の居場所が曖昧だったか。」
〈イリス〉
「主様…」
確かに最初、ここらへんとしか言ってなかった。
〈mmntmr〉
「幻、ですか?」
幻…?
〈イリス〉
「…続けて。」
〈mmntmr〉
「どうやら正解みたいですね笑。」
〈mmntmr〉
「iemmさんも、まだ理解できてなくて大丈夫ですよ。」
〈iemm〉
「あ、ありがとうゴザイマス…」
〈mmntmr〉
「2つ目。
なぜ本人が目の前にいるわけじゃないのに、声が聞こえてきたのか。」
…俺たちが、分断される前のとき…か……。
〈mmntmr〉
「幻聴ですよね。」
〈mmntmr〉
「どうせ正解なので、3つ目に入りますね。」
正解を確信している……。
〈mmntmr〉
「3つ目。
なぜ壁が意思を持ったかのように動き、私たちを分断させたのか。」
〈mmntmr〉
「貴方でしょう?」
〈イリス〉
「……やっぱり…お前怖い。」
〈mmntmr〉
「ありがとうございます。」
mmさんは隙をまるで与えない。
幻?幻聴?イリスが壁を作った?
もう何がなんだか…
〈イリス〉
「…だが……少し…不正解。」
〈mmntmr〉
「ウェ?」
〈iemm〉
「どんまい……。」
〈イリス〉
「私じゃない。」
〈mmntmr〉
「じゃあ、誰だって言うんですか。」
〈イリス〉
「私”たち”。 」
…あーね。
〈mmntmr〉
「……まさか_」
〈iemm〉
「別れたみんなの所にも貴方みたいな人がいるってことですよね。」
〈mmntmr〉
「iemmさん…!」
〈iemm〉
「…俺も、なんとなくわかってきたんでね。」
〈イリス〉
「頭…切れる…すごい……。」
〈mmntmr〉〈iemm〉
「そりゃね。」
ついでにmmさんがイリスに向かって刃を向けた時何があったのか分かった気がする。
〈mmntmr〉
「じゃあ、4つ目。
なぜ鎌を壁に振ったときに切れなかったか。」
〈iemm〉
「…壁が幻覚だから。」
つまり、結局は…
〈iemm〉
「今までの出来事はすべて幻。そして…」
イリスには宝石がなかった、つまり…
〈iemm〉
「君も、幻なんだろ?」
〈iemm〉
「イリス」
〈イリス〉
「やるじゃん。」
〈イリス〉
「でも残念。少し不正解だ。」
…喋り方が変わった。
〈イリス〉
「褒美として、本当の正解というものを教えて上げるさ。」
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そこからイリスの説明が始まった。
まとめると
ここの場所が曖昧だったこと、
声が聞こえたことは、
“主様”の能力、『幻』を応用したらしい。
そしてイリスたちは”主様”が作った幻であり、 存在しない。
だが、見た目は人間そっくりで、唯一の違いは宝石があるか、ないかだそう。
“主様”が作ったイリスのような人は7人いるらしく、
イリス達は
“主様”の能力が少し使えるため、
俺達を分断させるために能力を使ったんだとか…。
〈イリス〉
「…たまに主様の能力を狙ってくる奴がいるんだ。すまんな。」
…主様のことが好きで、大切なんだな。
〈イリス〉
「…なぁ黒髪。」
〈mmntmr〉
「呼び方ムカつきますね、なんですか?」
〈イリス〉
「…いつか話してやれよ。」
〈mmntmr〉
「見たんですか?」
〈イリス〉
「いや見てない。どうせ仲間にも話してないんだろと思ってな。」
〈mmntmr〉
「…検討します。」
〈イリス〉
「じゃあな。ジョウズに主様を仲間にするんだぞ。」
イリスがそういうと分断してきた壁は煙になり、消えた。
〈mmntmr〉
「では、主様をボコしてきますね。」
そういい、足を進めるmmさん。
俺も足を進める。
少し進んで、ふと気になったことがある。
〈iemm〉
「…また、会えるか?」
俺は振り返り、イリスに問う。
〈イリス〉
「…私は幻だ。”みんな”が望めば、姿を現すかもな。」
そういうイリス。
その言葉が寂しく聞こえたのは、俺の気のせいだろうか。
〈iemm〉
「…またな。」
〈イリス〉
「!」
〈イリス〉
「…またな、」
俺はくるりと向き直し、前へ進み始める。
すると、
〈mmntmr〉
「全く…遅いですよ…。」
〈iemm〉
「笑ごめんなさい。」
文句を言いながら、俺の前を歩くmmさん。
…イリスは言っていた。『仲間にも話していないんだろう』と、
…その秘密を、いつか言ってくれるだろうと願うばかりだ。
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戦闘シーン入れたいところでしたが、この謎を解いて欲しかったんですよね〜
次回はついに主様、登場です!!
気長に待ってくれると嬉しいな笑
コメント
2件
首を300kmぐらいにして待ってるわ〜...幻か〜そうだったのか...(全くわかってなかった人)続き!ほしい!(語彙力さよなら)