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「う、嘘だろ…!!?」
実は倒れた時から俺は起きていた。
ただ、レイに抱えられて運ばれている、という事実に少し恥ずかしく思い、寝たふりをしていたのだ。
「レ、レイが俺の事を好き…!?」
そう、去り際に言ったあの言葉と行動。
『楽、おやすみ。ずっと楽だけを愛してるから。いつかは俺に振り向いてね』
この言葉だけでなく、去る時におでこに柔らかい感触があった。
多分あれは、キスされたのだろう。
頭を悩ましていると、保健室の先生が帰ってきた。
「あ、先生!!」
「桜木谷くんじゃない。どうしたの?何かあった?」
「いや、熱があったんですけど。てゆうか、先生って相談とかも乗ってくれますよね!!?」
俺は先生に、さっきあったことを全て話した。ちなみに、俺がされた、と言ってしまうとなにか恥ずかしかったので友達の話ということにした。
「ふふっ、桜木谷くん、それ自分の話でしょ。桜木谷くん、隠し事下手だなぁ。バレバレだよ。 」
俺の作戦は直ぐに見破られた。
「うーん。最近の高校生は盛んだねー。先生が学生の頃はそんなこと無かったよ。」
「レ、相手がなんでそんなことをしたのか、なんで俺なのか。教えてほしいんですけど」
「そんなの、理由は一つしかないでしょ。その相手の子は桜木谷くんのことが好きなんだよ。桜木谷くんはされてみて、どうだった?嫌だった?」
「い、嫌なんて、そんなことは無いですけど…」
「ならそれが答えだよ。」
先生はそう言うと、俺の頭をくしゃりと撫でた。
「…先生、ありがとうございました。俺行ってきます!」