「なぁ毅、そろそろかな…」
「そうだな…そろそろ始めるか」
「準備は大丈夫?」
「大丈夫。じゃあ、_____,,」
始めようか
ピッ___
「え、俺が送んの?普通お前じゃね?」
「いや毅の方が歴長いんだから。
よろしくね!先輩♡」
「こういう時に限って良いように使うなよ…ハートが見え見えなんだよ」
「俺じゃなんか気まずいしさ」
「でもあいつら、俺のメッセ見ないよ?多分。仁人の方が注目浴びてんだから、仁人がやった方が確実。」
「それは…確かに,,」
「みんなに届けるために…よろしく」
「わかったよ…」
午後5時00分
EBiDAN全員が参加するグループメッセージに一つのURLにメッセージを添えて送信した。
吉田仁人
【拝啓、EBiDANの皆様へ】
突然のご連絡で申し訳ございません。
今夜18時に下のURLをクリックし、あるサイトにアクセスしていただきたいと存じます。
その際、48人が一斉に行うとなると、大変インターネットが混雑するかと思われます。
そのため、各グループ、または複数のグループでご覧いただくことをオススメいたします。
どうしても皆様にご参加いただきたいです。
お忙しい中、皆様の貴重なお時間をいただいてしまうこと大変心苦しく思いますが、よろしくお願い致します。
吉田仁人。
超特急side
11「ねぇみんな待って!!」
14「うわぁ!びっくりした!」
12「なに笑」
11「EBiDANのグループメッセ見た?」
2「あ〜なんか送られてきてたね仁人から」
3「え、がち?…わお、ほんとだ」
5「俺は大丈夫だけど、みんなは?」
7「俺も別に全然時間あるからかまわへんよ」
4「てか、みんなこのあと何もないだろ笑」
2「それぞれでいく?」
11「え〜俺はみんなで見たい〜!!」
13「俺も俺も〜!なんか怖くない?」
14「アロハくんビビってんすか?笑」
13「ビビってねーし,,!?」
7「じゃあ、でっかいタブレット持ってくるな!」
4「タカシありがとー」
7「(幸…)」
結局、各グループで集まり見ることになった。
何一つ内容が記されていない
突然送られた仁人からのメッセージ
「うわ、もうみんな見た」
「ほらな?絶対俺より仁人の方が良かったろ?」
「お前…嫌われてる,,?話なら聞くよ…?」
「嫌われてねーよ笑てか、みんな見たことだし、俺らも準備しに行くか〜」
「そうだね」
俺たちは事務所内にある小さなホールへと向かった
そして黙々と準備をし始めた
三脚にスマホを立て
当時の画角になるようにピアノの位置を調整する
最後に、顔が映らない程度に場の明かりを落とした
「ねぇ」
「ん?」
「久しぶりだから、練習がてらに弾いていい?」
「いいよ笑」
俺が準備している間に毅がピアノを弾く
あぁ…この感じも久しぶりだ,,笑
毅が弾く曲に合わせて勝手に俺が歌い出す
それが楽しくて準備が進まず2人して笑い合う
当時の記憶が少しずつ蘇って心をくすぐった。
「もう10分前だわ」
「まじか〜なんか緊張笑」
「俺も笑」
「充電は?ちゃんとあんの?」
「大丈夫、フルである」
時計を確認する
あと5分で18時を指す
「なぁ毅、そろそろかな…」
「そうだな…そろそろ始めるか」
「準備は大丈夫?」
「大丈夫…じゃあ、Ito,,始めるか」
「そうだね、始めよう…Ruka」
ピッ____
絃「皆さん、お久しぶりです!」
琉「いや、ほんと久しぶりよ笑」
絃「お、よかった…みんな観てくれてる」
琉「いつもの場所じゃないけどね、頑張って似せたけど」
"え、なにこれ"
琉「何これだってよ笑コメントきた笑」
絃「そりゃ、驚くよね、急に笑ごめんみんな。ってことで、早速だけど、時間無いし始めますかぁ」
琉「そうだな、俺はいつでもOKよ」
絃「ん。じゃあ俺たちの最後の配信…聞いてください、______.」
俺たちに区切りをつける最後の配信
EBiDANの人達にしか届かないけど
それで十分。
薄暗い中、語りかけるように始まるこの曲
サビに向かうにつれ段々と音が落ち着いていき
一度音が止まる
そして爆発的な音とともに、投げかけるようにサビを歌う
ふと譜面から視線を外し仁人を見ると
仁人も俺を見つめて歌っていた
ほら…泣いてんじゃん,,笑
俺らが顔を見合わせていること
仁人が涙を流して歌っていること
それを見て気持ち悪い程ににやけている俺
画面からは見えない
俺たちしか知らない
この空間
絃「はい、ということで最後までご視聴いただき、ありがとうございました。いや〜結構歌ったね」
琉「ちょっと詰め込みすぎたな笑まぁでもいいんじゃね?笑」
絃「確かに、なんか俺たちっぽいね笑ってことでRukaさん、最後…一言お願いします。」
琉「はい、これでもって俺たちのこの活動は終わりになります。それぞれの道でそれぞれの力を発揮して頑張っていこうと思ってます。」
絃「はい。少しでも観てくれている皆さんの心にこの歌が届いたのなら嬉しいです。じゃあそれでは、さようなら。」
プツ____
仁「終わったな」
毅「な。これからそれぞれのグループで活動してくのか〜」
仁「なんか寂しいね笑同じ事務所内なのに笑」
余韻に浸りながら、片付けていく
毅「たしかにな笑…なぁ仁人〜?」
仁「ん?」
毅「一緒に暮らす?」
仁「…それは告白ですか?」
毅「それ以外の何物でもないけど?」
仁「左様でございますか笑」
毅「で、どっち」
仁「引っ越す準備手伝ってくれたらいいよ」
毅「笑そんなの…よろこんで」
end.