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#ミステリー
#溺愛
#ケンカップル
#腹黒
「琴宮、浴衣が少し着崩れてるぞ?」
天羽オーナーから指摘され、私は浴衣を見下ろした。
「本当だわ!
えーと、着付け室に…!」
そう言った時、私は天羽オーナーに後ろから手を回されていた。
「な、な、何をしてっ!?」
「まぁまぁ、俺に任せろよ。
直してやるからさ。」
天羽オーナーが浴衣の襟をなぞりながら、言う。
「はぁ!?
着付けの心得あるんですか…!?」
そう言った時、天羽オーナーの手はすでに襟の中に差し込まれていた。
「キャァァァ!
やめてくださいっ!」
「黙ってろって!
この襟を直せばいいんだろ?
お前…結構胸あるよな…」
「嫌ぁぁぁぁ!
この、変態っっっ!」
私は天羽オーナーの腕の中から逃れようとするが、ガッチリとホールドされていて不可能だ。
完天羽オーナーは浴衣を直すことより、完全に胸を揉んでいる。
その時…!
「失礼致します。
女将の|美子《よしこ》でございます。」
そう、襖の向こうから声がして、「チッ」と舌打ちして天羽オーナーは私から離れた。
「ど、ど、どうぞ。」
私は襟元を直して言う。
「失礼致します。
この度は天羽財閥の天羽萬里様がお見えとかで、ご挨拶に伺いました。
この愛月温泉は100年の歴史ある温泉街でございます。
どうぞ、楽しまれていかれてくださいませ。
お食事のご用意をいたしますので、先に温泉に入られてくださいね。」
女将はそう言って部屋を出て行った。
「琴宮、足元も着崩れて…」
「も、もう、結構です!」
私は半泣きで言う。
そうして、セクハラもそこそこに、私たちは露天風呂へ向かった。
私は露天風呂に入り、手足を伸ばす。
はぁ…
極楽だわ…
温泉は無色透明で、匂いもしない。
しかし、疲労回復の効果は確かだそうだ。
5月の青空を見上げて、爽快な気分に浸った。
多少入り過ぎたか?
私は顔を赤くして部屋に戻った。
「琴宮、お前のぼせてないか…?」
呆れ気味に言う天羽オーナー。
「また、変な事するんじゃ無いでしょうね…」
「ご要望があれば…」
天羽オーナーは言う。
「ありませんっ!
そんな要望は!」
その時、めまいがして天羽オーナーに倒れかかってしまった。
天羽オーナーは瞬時に私を抱きとめる。
と、思うとギュッと抱きしめた。
「あ、天羽オーナー…!」
「しばらくこのままで…
琴宮…
俺は…
お前が…」
何…?
これってまさか告白…!?
「欲しい。」
当然のように私の平手打ちが天羽オーナーに飛んで行った。
「な、な、何でぶつんだよ!?」
「この下半身男っ!
変態っ!
すけべ!」
私はポカポカと天羽オーナーを叩き続けた。
「わ、わ、分かった!
悪かったよ!」
そんなこんなで、私は不機嫌のまま、最悪の雰囲気の夕食を食べたのだった。
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