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小さなスタジオ。
白い背景。
黒いジャケットの🖤が一人で座っている。
以前より少し痩せた。
でも姿勢は真っ直ぐ。
カメラが回る。
インタビュアー
「脱退から3ヶ月が経ちました。今の気持ちは?」
🖤は少し考えてから答える。
🖤「静かですね。」
小さく笑う。
🖤「あいつら、うるさかったんで。」
少しだけ空気が和らぐ。
「後悔はありますか?」
一瞬、沈黙。
🖤「ないです。」
即答。
でも目は少し遠い。
🖤「あの選択は、自分で決めました。」
「本当の理由を聞いても?」
🖤は目線をカメラから外す。
数秒。
🖤「……片思いです。」
スタジオが静まる。
🖤「誰も悪くない。」
🖤「俺が勝手に好きになって、勝手に応援して、勝手に苦しくなっただけ。」
声は穏やか。
「今も好きですか?」
空気が張り詰める。
🖤は少しだけ笑う。
🖤「それは、言わない約束なんで。」
柔らかいけど、強い線引き。
「グループに戻りたいと思うことは?」
🖤は天井を少し見上げる。
🖤「ステージの音は、たまに夢に出ます。」
小さく息を吐く。
🖤「でも、あいつらが笑ってるなら、それでいい。」
「最後にメンバーへ」
🖤はまっすぐカメラを見る。
🖤「ドーム立てよ。」
🖤「約束だからな。」
一瞬だけ、声が掠れる。
🖤「俺いなくても、最強だろ。」
カメラが止まる。
「カットです。」
照明が少し落ちる。
🖤はマイクを外す。
一人になった瞬間。
深く息を吐く。
ポケットの中のスマホ。
待ち受けは9人のまま。
🖤は画面を一瞬見て、伏せる。
涙は出ない。
でも静かに呟く。
🖤「幸せでいろよ。」
その夜。
放送を見た8人は、
誰も連絡できなかった。