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六柱
彼らはこの列島において重要な県としての役目がある。
そんな彼らをのぞいてみよう
「やべぇまじ腹減った」
ぐるぐると鳴る腹を撫でては、ペンを手放す。
彼は大阪。この中で唯一廃藩置県後に生まれた存在であり、列島の中では下から2番目に幼い。
「まぁまぁ、すぐ終わらせたらご飯が食べられますよ」
そして私は東京。皆さんご存知の首都です。
「…」
この無口な人は愛知。黙々と電卓を叩いていますね。
「終わったらうちのもつ鍋食べしゃしぇちゃあよ」
陽気に笑うこの人は福岡、最年長さん。もうすでにノルマ達成しているようです。
「俺も連れてってよ!!いいだろ!」
食い気味に話に乗っかるのは宮城さん。何気にこの中で1番子供っぽいのは彼です。
「俺も行こうかな〜」
ペン回しをしながらウインクするのは広島さん。宮城さんとは仲良いようです。
こんな感じで私たちは集まる機会が多い。
理由は神に選ばれたから。
…と言っても分かりにくいでしょう。
もっと正確に言えば、この柱…現土地神という制度を天照大御神が決め、それに選ばれたのが私たち6人、というわけです。
過去には4柱が2回ほど制定されたそうですよ。私は2回目です。
まぁ、そんなこっちゃで今は仕事中というわけです。
「終わらんって〜〜
愛知ぃ、お前どこまで行ったんだよ」
「あと2枚」
「あはは、大阪さんも愛知さんを見習って早く終わらせましょうよ」
いやだぁと駄々をこねながら腕を振り回す。
「やけん言ってんばい、あとで奢ってやるって」
「ほんまかよぉ…」
奢りだったら行く、と愛知さんが立ち上がる。
「仕方ねえなァ……今日は6人で晩酌や」
福岡さんはスッと胸元から財布を取り出す
「よっ!太っ腹!!!」
宮城さんが嬉しそうに飛び跳ねると広島さんがニヤニヤして福岡さんを見る。私もすかさずお礼を言う。
「最近みんなでご飯食べませんでしたもんね。良い機会ですし、行きましょう」
「おし!じゃあはよ行こか〜」
ガタン!と勢いよく席を立つ大阪さん。
「ちょいちょい、終わらせんかい」
大阪さんの腕を引っ張り、広島さんが先に戻す。
「めんどくせぇ………」
「ふふ、手伝いますよ」
「出雲や、あいつらはよくやってるかい?」
ここはどこでもない亜空間。2人の影が月明かりに照らされている。
「ああ、今のところ、目立った変化もない」
「そうか…いやぁ今回はうまくいってよかったよ」
自分の膝を叩きながら、豪快に笑う。
「…相変わらず、下品な笑い方をするな
大国主命」
「お前だって、いつまで経っても生意気だな
出雲…いや、島根」
雲が月を隠し、宵闇に包まれる。
ここからシリアスにするかコメディで進むかで一生悩みますね
最後は自宅の世界観を知ってもらいたいがために挟みました。