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月夜の冷えるときのこと少年はケツイしていた


「もう終わらそう」


ため息と共に胸に手を置きぼやいた

ここは西洋、森に囲まれた木造の豪邸

少年はそこで変えようとしていた

そして変わろうともしていた

ケツイを胸に少年は彼の部屋を出た

母の部屋に着く、ふと窓辺に目をやった

窓辺から見れる景色に少年は息を呑んだ

そこには美しい夜空に浮かぶ少女がいた

幻想的で体全体でいっぱい自由に

まるで数億年閉じ込められてたものから解放されるかのように

少年は恋をした いや、恋ではない

心を奪われた 美しく舞、魅せ、愛する

まさに自由の体現

見惚れた さっきまでの「意思」なんて消え失せた

心臓の鼓動が高まる…

そして瞬きをした瞬間


全て消えていた


さっきまでいた少年の家は焼け野原

あたり一面更地となっていた

がれきの山、立ち込める炎

そんな中、少年は立ち尽くし涙した

家族、家を失った悲しみではなく

目の前から少女が月夜の美しい空へと消えていったことを知って

全てを失ってもなお、少年は「少女」に心奪われたままだった



-少年は少女に救われた-


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