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不安も恐れもなかったそれどころかこれまで、経験のない強烈な高ぶりを覚えた
私たちは熱く見つめ合っていた
「・・・どうしてこんなことに、なってしまったんだろう・・・」
柚彦君が囁いた
「よろめいて椅子から落ちかけた私を、あなたが受け止めてくれたのよ・・・ 」
心とは真逆に冷静に解説している自分が不思議だった
「どうしてそんなに緊張しているの?」
彼の柔らかい声が、心の奥の繊細で傷つきやすい部分にまでしみ込んでくる、彼の口元にかすかな笑みが浮かぶ
「・・・いつ僕が襲い掛かってくるか気が気じゃない?」
答えられなかった、カーッとみるみる頬が熱くなり、心臓は痛いくらい激しく打っている
「困った・・・」
彼がつぶやいた、何に困っているのだろう?
「君にキスしないでいるのはとても難しい・・・まったくなんて君は軽いんだろう、朝の6時までだってこのまま抱いていられるよ」
彼の黒い瞳にも興奮が感じ取られていた
「おろして・・・・」
私は不思議にそう囁きながらも、彼の口づけを求めるように顔を仰向けた
「怖がらないで・・・鈴ちゃん・・・僕は決して君を傷つけたりしないよ・・・」
「怖がってなんかいないわ・・・」
そう言いながらも私は長い習慣からか、本能的に体が緊張するのを感じていた自然と力が入る
恐ろしい口づけの記憶が―――
俊哉の唇から必死で逃れようとして、激しく殴られた記憶がよみがえってくる