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琥珀
51
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#からぴちBL
りと。@就寝中
2,226
第5話「秘密の答え」
――翌朝。
ピンポーン。
ya「……はいはい」
昨日と同じ時間。
ドアを開ける。
no「おはようございます、ゆあんくん」
ya「……おはよ」
no「今日は昨日より眠そうですね」
ya「……寝不足」
no「どうしてですか?」
ya「……誰かさんのせい」
no「僕ですか?」
ya「……そう」
no「それは申し訳ないです」
そう言いながら。
なおきりさんは楽しそうに笑っている。
ya「……絶対悪いと思ってないだろ」
no「そんなことないですよ」
ya「……ほんとかな」
二人で歩き出す。
昨日から。
ずっと気になっている。
『僕も、同じだったので』
『人を好きになれば嫉妬します』
そして。
『いつか、ちゃんと伝えますね』
ya「……」
気になって仕方がない。
no「ゆあんくん?」
ya「ん?」
no「何か考えています?」
ya「……別に」
no「昨日のことですか?」
ya「……っ」
no「図星ですね」
ya「……なおきりさん」
no「はい?」
ya「……性格悪い」
no「よく言われます」
ya「……」
――スタジオ。
撮影準備の間。
スタッフたちが忙しそうに動いている。
監督「今日は少し大事なシーンになります」
ya「大事なシーン?」
監督「二人がお互いの気持ちに気づき始めるところです」
ya「……」
no「……」
監督「演技とはいえ、少し距離が近くなります。大丈夫ですか?」
ya「大丈夫です」
no「はい」
監督「では、お願いします」
――撮影開始。
向かい合う二人。
ya「……」
no「……」
セリフを交わす。
少しずつ距離が近づく。
そして。
最後に。
なおきりさんが俺の手を取る。
ya「……っ」
no「……」
演技のはずなのに。
触れられた瞬間。
心臓が跳ねた。
監督「カット!」
ya「……」
監督「すごくいいです!」
スタッフ「二人とも自然でしたね」
no「ありがとうございます」
手が離れる。
ya「……」
さっきまで触れていた場所が。
妙に熱い。
no「ゆあんくん」
ya「……何?」
no「顔、赤いですよ」
ya「……また?」
no「はい」
ya「……もう言うな」
no「ふふ」
――休憩。
ya「……」
一人で外の階段に座っている。
冷たい風が吹く。
頭を冷やしたかった。
なのに。
隣に座る気配。
no「ここにいたんですね」
ya「……なおきりさん」
no「隣、いいですか?」
ya「……どうぞ」
no「ありがとうございます」
しばらく。
何も話さない。
ya「……ねえ」
no「はい?」
ya「昨日の話」
no「はい」
ya「……聞いていい?」
no「何をですか?」
ya「好きな人」
なおきりさんが黙る。
ya「……やっぱいい」
no「いいですよ」
ya「え?」
no「質問してください」
ya「……誰?」
no「……」
少しの沈黙。
no「ヒントをあげましょうか?」
ya「……ヒント?」
no「はい」
ya「……聞く」
なおきりさんが少し笑う。
no「その人は、僕のことをよく『ずるい』って言います」
ya「……」
no「それから」
少し間を置いて。
no「僕が他の人と話していると、少し不機嫌になります」
ya「……」
no「あと」
こちらを見る。
no「『明日も一緒に帰ろう』って言ってくれます」
ya「…………」
全部。
全部、自分に当てはまる。
ya「……それ」
no「はい?」
ya「……俺じゃん」
思わず口に出た。
なおきりさんが笑う。
no「気づきました?」
ya「……」
顔が熱くなる。
ya「……本当に?」
no「はい」
ya「……俺なの?」
no「はい」
ya「……なんで」
no「どうしてでしょうね」
ya「……ちゃんと答えてよ」
no「……」
なおきりさんが少しだけ真剣な顔になる。
no「一緒にいると落ち着くんです」
ya「……」
no「ゆあんくんといると、自然でいられる」
ya「……」
no「だから、もっと一緒にいたいと思いました」
胸が。
ぎゅっとなる。
no「最初は共演者として」
no「次は秘密を共有する相手として」
no「そして今は――」
一瞬。
言葉が止まる。
no「……大切な人として」
ya「……」
何も言えない。
嬉しい。
でも。
それ以上に。
どうしていいか分からない。
no「困らせましたか?」
ya「……違う」
no「では?」
ya「……嬉しい」
小さな声。
no「…!…よかったです!」
なおきりさんが笑う。
ya「俺も」
no「……」
ya「なおきりさんといると……楽しい」
no「はい」
ya「朝、迎えに来てくれるのも」
no「はい」
ya「一緒に帰るのも」
no「はい」
ya「……全部、嬉しい」
なおきりさんが。
少しだけ目を伏せる。
no「……それだけで十分です」
ya「……」
no「今は」
ya「……今は?」
no「はい」
no「いつか、もっと欲しくなるかもしれませんけど」
ya「……っ」
また。
この人は。
そういうことを平然と言う。
ya「……ほんと、ずるい」
no「すみません」
ya「……でも」
ya「嫌じゃない」
なおきりさんが笑う。
no「知っています」
ya「……なんで分かるんだよ」
no「顔に書いてあります」
ya「……最悪」
no「ふふ」
――撮影終了。
帰り道。
昨日までと同じ道。
でも。
今日は。
少しだけ違って見える。
ya「……なおきりさん」
no「はい?」
ya「手」
no「……?」
ya「……さっき」
no「はい」
ya「撮影で触ったじゃん」
no「触りましたね」
ya「……もう一回、いい?」
なおきりさんが驚いたようにこちらを見る。
no「……もちろんです」
ゆっくり。
手が重なる。
今度は。
演技じゃない。
ya「……」
no「……」
指先が触れる。
ya「……なんか」
no「はい?」
ya「……こっちのほうが緊張する」
no「僕もです」
ya「……嘘」
no「本当ですよ」
少しだけ。
指が絡む。
ya「……」
no「嫌だったら、離します」
ya「……離さなくていい」
no「……はい」
そのまま。
二人で歩く。
マンションに着いても。
すぐには手を離さなかった。
エレベーターを降りる。
部屋の前。
no「……今日は、ありがとうございました」
ya「……こっちこそ」
no「明日も迎えに行きますね」
ya「……うん」
no「おやすみなさい」
ya「……おやすみ」
ドアを閉める。
部屋に入る。
ya「……」
手を見る。
まだ。
なおきりさんの温度が残っている気がする。
ya「……俺」
小さく呟く。
ya「……好きなのかも」
今まで認められなかった気持ち。
でも。
もう。
誤魔化せなかった。
――その頃。
なおきりの部屋。
no「……」
スマホを見る。
今日の帰り道。
繋いだ手を思い出す。
no「……やっとですね」
小さく笑う。
そして。
スマホを操作する。
『明日も、楽しみにしています』
送信。
数秒後。
既読。
『俺も』
短い返信。
それだけで。
胸が温かくなる。
no「……僕もですよ、ゆあんくん」
――二人の秘密は。
もう。
ただの秘密ではなくなっていた。
――第5話 END
えっ!!??
みなさん投稿してちょっとしたら♡45
いってたんですけど!?
ほんまありがとうございます!😭😭
いつもモチベーションになってます!
これからも応援よろしくお願いします🥺
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コメント
1件
第5話、めちゃくちゃ良かったです…!ヒントが全部自分に当てはまって「俺じゃん」って口に出ちゃうゆあんくん可愛いし、「知っています」って微笑むなおきりさん、ほんとずるい(笑)。撮影じゃなくて繋いだ手に「こっちのほうが緊張する」って言い合うの、心臓がきゅっとなりました。二人の距離がちゃんと変わっていくのが伝わってきて、あったかい気持ちになりました🤍