「もっとワガママ言ってくれていいのに」
何度そう伝えても、岩本くんは「いや、いいよ」って軽く笑うだけ。
俺は岩本くんに頼られるの、嫌じゃないのに。
むしろ、もっと求めてほしいのに。
でも、岩本くんは自分の欲を飲み込んで、当たり前のように俺を優先する。
「ほんとは何か欲しいんでしょ?」
「別に……目黒がそばにいてくれれば、それでいいから」
そんなこと言われたら、もう何も言えなくなるじゃん。
じれったいなぁ、と思いながらも、そういう不器用な優しさが好きだった。
でも――
「あ……目黒、、もっと、もっと、して…」
こういう時だけは素直だから、まぁ、良しとしようか。
俺の肩に爪を立てながら、熱を帯びた吐息を零す岩本くん。
普段の冷静さなんてどこにもなくて、ただ俺にすがるように、必死に名前を呼ぶ。
「…ちゃんと言えたじゃん」
「な、んで……そんな余裕そうなんだよ……」
息も絶え絶えに睨まれるけど、それすら愛おしくて、余計に意地悪したくなる。
だって、もっと素直な顔を見たいから。
「だって、岩本くんがもっとワガママ言ってくれたら、俺だってもっと気持ちよくしてあげられるのに」
耳元で囁くと、僅かに身体を震わせた。
「……じゃあ、もっと……キスして……」
掠れる声でそう言う姿に、胸がぎゅっと締めつけられる。
ほんとに可愛い。
結局、こういう時だけ素直なんだから。
「うん、いっぱいする」
そう言って、岩本くんの唇を塞ぐ。
最初は優しく触れるだけの口づけ。
でも、すぐに岩本くんの方から甘く唇を開いてくれるから、遠慮なく深く舌を絡めた。
何度も角度を変えて、息が苦しくなるくらいキスを続ける。
そのたびに、岩本くんの喉から甘い声が零れて、俺をさらに煽る。
「ん……目黒、……んっ……」
腕を絡められて、さらに引き寄せられる。
俺のキスを欲しがる岩本くんが、たまらなく愛おしい。
「ねぇ、岩本くん」
名残惜しく唇を離して、至近距離で見つめると、涙ぐんだような瞳が俺を見つめ返した。
すぐにまたキスをせがまれそうな、そんな予感がして、俺はもう一度、岩本くんの唇を食むように吸った。
「これからは、もっと俺にワガママ言ってね」
耳元で囁いたら、岩本くんが耳まで赤くして目をそらした。
そんなところも、やっぱり可愛いなって思うんだ。
コメント
2件
やっぱりみんなめめの前だと彼女になっちゃうんだよね🖤💛
めめいわ最高です🖤💛 控えめなところがいいんですよね🥰 素直に求めちゃうところもいいっ💖