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思えば最初から貴方の笑顔にその惹かれていて、
温かいその目にいつも救われていた。
「ん?元貴寒いの〜? 」
「…うん。」
「あら。じゃあ、暖かくしないと!風邪引いちゃう!…って、体調崩してた僕が言うなって話だよね。」
ピトッと頬を付けていた背中が小さく揺れて、貴方があのいつもの柔らかい顔で笑っているのが、閉じていた目の奥にふわっと浮かんだ。
「涼ちゃんー、帰ろ。」
「うん!ねぇ、若井〜、今日の夜はお鍋にしない?」
「いいね!」
今日みたいな凍えるように寒い日には、あの頃の届かなかった想いがふっと思い出されるから嫌いだ。
ぼくが独り占めしたかった温かさは手に入らなくて…
「元貴、お疲れー!」
「元貴、お疲れ様〜。ちゃんと暖かくしてね?」
「うん!ありがとう、涼ちゃん。二人ともお疲れー。」
ぼくは貴方に温めて欲しいのに。
そんな言葉が浮かんだけど、ぼくは笑顔を貼り付けて幸せそうな二人に手を振った。
貴方へは届かずとも、
ぼくはまた恋をする。
あの時、私は貴方の事が好きでした。
凍える冬には暖かいその目が救いでした。
それは、今も…
これからも…
-fin-