「どうした? 2つの魔法を同時に使うのがそんなに珍しいか?」
先月のジョセフさんやアリスと同じ反応をしているウィナーに、俺は両手の魔法陣を見せつけて挑発してやる。
「はっ。ふ、ふん! だったらどうだって言うんだい? からめ手が効かないなら、正攻法で行くまでさ。一つの系統を極めることの有用性は、何も巧みな魔法テクばかりじゃない」
気を取り直したウィナーは、再び魔法陣に巨大な火球を生み出した。
だが、そのサイズはさっきよりも大きく、そして、炎の勢いも強い。
額に青筋を浮かべ、険しい目つきで成長させていく紅蓮の火球は時折強く発光しながら、表面に炎のリングがうねっている。
その熱気は数メートルの距離をも無視して俺の肌を焼き、額に汗がにじんだ。
「……マジかよ」
「ふふん。魔法の威力は魔力強度に比例するけれど、当然、熟練度にも****************************
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