※過去捏造、虐待、暴力表現等があります。苦手な方はご注意下さい。
相良「お、おかえり…お母さん」
母「…」
相良「ど、どうしたの…?」
母「あぁっもう!!!何なのよ!!!今日はただでさえ気分悪いのに、帰ってきたらガキの声!!」
相良「お母さん!!痛いよ!!やめて!!」
母「うるさい!!!あんたの声聞くと虫酸が走るのよ!!!」
相良「ごめんなさい!!もうしません、ごめんなさい…」
相良「っ…!はぁっ…!はぁっ…!」(…夢か)
酷い悪夢だった。目を覚ますと、久我が心配そうに俺を見ている。
久我「相良さん…?!大丈夫ですか?随分うなされてたみたいですけど…」
相良「!?」
一瞬、久我が「あいつ」に見えた。
―あんたの声聞くと虫酸が走るのよ―!!!
そうだ、俺は今でも「あいつ」が大嫌いで…怖くて仕方がないんだ。俺の目から何かがボロボロと零れていく。
相良「…なさい」
久我「?」
相良「ごめんなさい!もうしないからっ…!もう、叩かないでっ…!!!」
久我「相良…さん…?」
相良「ごめんなさい!!!ごめんなさいっ…!!」
久我「相良さん!!!」
久我に肩を掴まれ、ようやく俺は気が付いた。
相良「久我…?俺…俺は」
久我「相良さん」
久我は俺を抱きしめた。信じられないほど、優しい力で。いつもはあれだけ嫌ってたはずなのに、俺は何故かこいつの腕を振りほどく気にならなかった。
久我虎徹には、親がいない。
そんな話を聞いたことがあったっけ。
…どうしてだ?こんなに優しいのに…
相良「…」
久我「あなたも、辛かったんですよね。俺なんかよりもずっと…」
泣きたくなるほど温かい声が俺を包む。
相良「ふ…うぅっ…」(もう、駄目だ…)
久我「あなたは強い人だから、何かあっても大抵は自分でなんとかできるんだと思う。…でも」
付け加える様に言った。
久我「あなたがどうしても怖くて仕方がないなんてものがあれば、俺が全て壊します。あなたを、あなただけを、守るために…」
久我が俺の頬に触れる。その手には何からも守ってくれそうな、奇妙な頼もしさがあった。
コメント
8件
いい話っす‼️涙目になった(゚´ω`゚)
いい話やぁ''ぁ''ぁ''!!
毎回見てくれてありがとうございます😭めっちゃうれしいです🙏😊