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観測者l!!@暑すぎて溶けた☆
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菜津/natsu
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沈黙が、流れた。
「…ひどいですよ」
御茶屋の目から光が消える。
「…ガンマスさんが居なくなったら、私どうすればいいんです?」
どこか縋るような声だ、表情だ。
今にも涙を流してしまいそうな、そんな__
それにガンマスは狼狽え、御茶屋を静止する。
「ちょ、ちょっと待って!」
「違う違う!ちょっと落ち着いて?ね?」
「な、何が違うんです?」
「私は今すぐ御茶屋に出て行って欲しいとか、全く思ってないからね?」
「御茶屋が成長して、1人でも問題なく生きていけるようになればそれでいいの!」
「だから!!探検家のところ行きなさい!」
「え?”だから”って、どういう…?」
ガンマスの言葉に、御茶屋は困惑する。
「外の世界に触れること!それなりの危機に遭遇して、経験を積んでもらうこと!そのために色々なところに行かせてるの!」
まるで、何もしていないのに警察に脅され、両手を上げているようなテンションのガンマスが、まくし立てるように説明する。
そこに嘘なぞはないことは御茶屋にもわかった。
長年一緒にいたのだ、彼の傾向なぞ_自然にわかってしまう。
「…………」
少しの沈黙が流れた。
御茶屋はどこか拗ねたような顔をする。
とんがらせた口をガンマスに向け、そのままガンマスを見つめた。
まるで親子喧嘩のようだ、双方に血は繋がっていないし、家族単位での関わりも一切ない。
__だが、2人を繋ぐ年月というものは、それ以上の愛を生み出すものなのかもしれない。
ガンマスの雰囲気は、御茶屋の雰囲気をきっかけにいつものものに戻っていた。
ガンマスはリィン・システムを渡していた、だが御茶屋は持つのみで、身体に埋め込もうとはしない。
身体に埋め込まずとも、リィン・システム自体効果は発動するらしいのだ。
_彼女は、ガンマスの思想に共感したからこそ、リィン・システムを身体に埋め込もうとはしなかった。
「もう…そうならそうって前置きしてくださいよ。」
「びっくりしましたよ!」
相も変わらず拗ねている様子の御茶屋は、ガンマスの両肩を掴み、強く揺らした
「うわぁあぁあ、ごめん、ごめんってぇ」
情けない声でガンマスはそう言う。
「お菓子買ってあげるからぁ、許してぇ」
それに御茶屋は拗ねながら答えた。
「私のことー!なんだと思ってるんですかー!!スーパーで泣きわめく子供じゃないんですよー!!」
空気は完全に、いつものものに戻っていた。
___
御茶屋は落ち着き、ため息をつく。
「…はぁ、もういいです。」
教会の鐘の音が、午後の12時を知らせる。
「…まぁ、宣教師さんに頼まれたことですから、行ってきます。」
「なんで宣教師って呼ぶかなぁ!?ガンマスでいいんだよ!?」
「面倒な…ガンマスさん。」
「あーうんうん、それでいいよ。」
「行ってらっしゃい。」
___
「来ました〜」
昨日よりか軽いノリで、御茶屋はメテヲの病院に来ていた。
昨日こそダメそうという空気だったが、いくらかはマシだ。
「来ましたってなに…」
メテヲは若干呆れた様子で、だが拒もうともしない様子であった。
御茶屋は用意された丸椅子に腰掛け、病室から見える景色を眺めた。
「ここからの景色、結構良くないですか?」
相も変わらず、陽はビルの隙間からこぼれ出すように差し込む。
街を彩る、唯一の彩だ。
この辺りは本当に色も、誰かの笑い声もない。
無彩色で、静かすぎる。
「…入院って、退屈なものなんです?」
御茶屋はふと、そう聞いてみる。
_メテヲは、しばらく考えた後うぅんと唸りながら答える
「…考えたこと無かった。」
「でも…ずっと洞窟にいたから、変な感覚かも」
メテヲも御茶屋と同じように、差し込む陽を見やった。
「…御茶屋さんにとっては、静かすぎるのかもしれないけど…。」
「メテヲには、この空間も、街も、あまりにも眩しすぎるんだよね。」
「…暗い場所で動いて、生涯もそこで終わるもんだと思ってたからかな_」
メテヲはため息をつく。
御茶屋の困ったような、少し言いづらそうな表情が、窓ガラスに反射して見える。
「…私、仲間と一緒だった時のメテヲさんが、凄く羨ましいです。」
「だからこそ、崩落で全部ぜんぶ失った_っていう事実が、あまりに悲しくて仕方がないんです。」
「…そう思ってくれる人がいるだけ、マシかもね。」
仲間のことを考えるメテヲは、御茶屋にはどうも違和感があるように思えた。
極度に悲しむわけでもない、だが彼は悪夢を見て、思いっきり謝ろうとしていた。
それは事実だろう_
だが、今仲間のことを考えているメテヲは、どこか清々しいほどに遠くだけを見ているのだ。
地平線でも見ているのか?_そう錯覚してしまうほど、ぼうっとしているというか、どこか自分ではないような_
「…メテヲに違和感持ったでしょ、御茶屋さん。」
それを見透かされたかのように、メテヲは御茶屋に視線を合わせた。
2人は窓ガラス越しだが、静かに話していた。
御茶屋は、バレちゃった、なんて思いながら静かに微笑んだ。
「…あの日、何があったんですか?」
御茶屋は、思い切って切り出した。
「…メテヲさん、きっと何か…事故以上の何かがあったんですよね?」
メテヲは、心底困ったように、だが受け入れるかのように、笑った。
「…そうだね。」
数秒の沈黙、だが重い空気でも、耐えられるほどであった。
メテヲは、決意したかのように話した。
「…………全部、メテヲが原因なんだから。」