前話までの反応、本当にありがとうございます。
本作は、身体的暴力・精神的支配・歪んだ性愛・ホラー的描写などを強く含みます。
苦手な方は、どうか無理をせずページを閉じてください。
今回は、
「痛みと狂気が、所有と愛の境界を焼き尽くしていく朝」
を描いています。
血の温度も、涙の意味も、
すべては支配欲の中で、静かに崩れていきます。
無断転載・通報はご遠慮ください。
また、参考・インスパイア等の際には、ひとこと添えていただけると幸いです。
どうかこの叫びが誰かに届きますように
「…や、ッッ…はなせ、っ」
喉の奥から搾り出すような声。
空気がひび割れるように、鼓膜の内側がミシミシと軋む。
視界が歪む。
ぼやけた輪郭の中で、にじむように浮かび上がる顔
――士道。
無表情。
…いや、「顔のかたち」だけを貼りつけてるような、空っぽの表皮だった
目の奥が笑ってる
音も匂いもないのに、皮膚の内側で何かが笑っていた。
背骨の奥を、冷たい骨指が一本ずつなぞっていく。
そのたびに、心臓が内側からガリッと噛み砕かれそうになる。
「……っざけんな、きめぇんだよ……っ」
蹴り上げようとする。
けど、足は重い泥の中に沈んだまま。
まるで死後硬直のように、筋肉がピクリとも動かない。
士道の指が這う。
服の隙間をまさぐるその手は、人間の温度じゃなかった。
冷たさでも熱でもなく――感触そのものが、どこかズレてる。
皮膚の上を通った指跡が、数秒後にヒリヒリと火傷のように疼く。
「大丈夫だよ、よいちチャン。
俺がぜーんぶ吸ってあげる。
息も、熱も、心も。喉の奥まで、ぜーんぶ♡」
耳元。
吐息と一緒に、ぬめった金属の臭いが鼻腔を突く。
鉄じゃない。
もっと古くて、もっと腐ってて、誰かの最期の息みたいな匂い。
「は、ッッ…?やめろ、きめぇんだよ」
言葉の端から泡がこぼれる。
喉の奥で、溺れるような泡がブクブク逆流する。
「……じゃそろそろヤろっか」
士道の声は、壊れかけたテープの再生音のように歪んでいた。
指が喉をなぞる。
その圧はないはずなのに、肺が勝手に止まる。
「や、やめッッ…どいて、むり、、やだ、」
言葉が上手く出ない。
その代わり、瞳の裏側から黒い液体がにじんできた気がした。
意識の欠片が、ポタポタと床に落ちていく。
「あ〜……なるほど。そういうことかぁ」
「よいちチャンって、
ヤる前に番になりたかったんだね?」
「……ふふっ、えらいね♡」
「じゃあさいま、番になろっか!」
何を言ってるんだろう此奴は
理解ができない…
いや、理解したくないのかもしれない
「……ぃだ、」
「ん?なあに?」
「……だいきらい」
沈黙。
士道の顔が「ピキ」と音を立てて、紙人形みたいに歪んだ。
「……早くしねよ、士道」
その言葉を口にした瞬間、
空気が弾けた。
「よいちチャン酷いな〜…」
ドンッ!
足を掴まれ、視界が天地ごと反転する。
バキィッッッッ!!!
骨が――砕けた。
明確に肉の奥で響く、その音。
数秒間、時間の進み方が壊れた。
理解が追いつく前に、痛みだけが焼け火箸みたいに突き刺さってくる。
「あぁあぁぁあぁぁあッッッッ”…!?!!」
喉の奥から、血と一緒に悲鳴が噴き出す。
自分の足が背中側に曲がっていた。
「これで逃げられなくなったね♡」
笑う士道の口角が、耳まで裂ける。
瞳孔が左右で別の方向を向いていた。
「ぁ”…ぐっ、ッッ…ぁが…ッッ”」
言葉にならない。
口腔が泡で埋まり、唾液と血でずるずるに濁る。
「苦しんでるところもかわいいよ♡」
士道の両手がブルブルと震えている。
その震えは嬉しさじゃない。
脳が火を吹いて、限界を超えて壊れている生理的な震えだった。
「っや、ごめッッ”…なさ、ぃだいッ…やだ、いたい」
「大丈夫だよ」
「次はね、よいちチャンのお腹の中に、俺の脈を、流し込むから♡
すっごく温かいよ?なかで”トクトク”って…ね?」
その一言が終わる頃。
心臓の奥で、「ブチン」と何かが切れる音がした。
血じゃない。
存在そのものが漏れた。
最後に見えたのは、
脈打つ心音のように震えていた
士道の、瞳だった。
⚠️ご注意とご案内⚠️※必ずお読みください
次章では、より明確な越境が描かれます。
性的支配、身体的暴力、そして人格そのものを揺るがす描写を含みます。
この物語は、読者を選びます。
もし読後に深く傷つく可能性があると感じた方は、 この章で一度、物語を閉じていただいて構いません。
どうか、ご自身の心を何よりも大切にしていただけたら嬉しいです
⸻
ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。
この物語が、ほんの一瞬でもあなたの内側に何かを残せていたなら幸いです。
次回は、二人の心の声や感情の揺らぎを中心に描きます。
物語はより濃密な狂気とエロスに染まっていきます
触れていただく際は、どうかご自身の感覚を大切に。
無理のない距離で、この世界を見つめていただけたら嬉しいです。
――また、あなたの静かな訪れを、お待ちしております。
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コメント
18件
歪んだ愛とかめちゃ好き!!!
1000にしときましたよ〜(*^^*)
めっちゃええやん♥️ガチでニヤニヤが止まらんわ〜(笑)最高な小説やった👍続きがあるのなら絶対見たいです!