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42 ◇盛夏そして、夏の終わり
その後、表向き? 蒼馬家の暮らしは平穏に過ぎていった。
由香が仕事で疲れている時などは、長男の悟に美代志への夕飯を
頼むこともあった。
そういうとき、気がむくと次男の圭も悟と一緒に美代志の家へと
向かったりした。
そして、小一時間ほど3人で親睦をはかり、帰宅することが
多々あった。
由香が正義に女のことで、詰め寄ったりしなければ……
なかったこととして振舞っていれば……
表向き、平穏な家庭が保たれていたのである。
そんな風にして、穏やかな春休みが過ぎ、やがて夏休みがやってきた。
美代志の休み時、例えば土曜日、日曜日に――――お盆休みの日など、
息子たちは彼の家に入り浸り、積極的に彼と触れ合いたがった。
息子たちがそんな風だったので、由香も美代志の家へ行くのに、弁当の配達の名目が
なくても、いちいち行く理由を探す必要もなく、足を向けやすかった。
◇お盆休みに(祖父/美代志の家で)
由香は庭に咲いている草花の様子を見ながら、雑草などを抜いたりして
庭で作業していた。
一緒に連れもって来ている息子たちは、もう夏休みも後半に入り、ボチボチ残っている
課題に手をつけなければならなくて、広縁に続く和室で取り組んでいる。
草花が若干暑さを凌いでくれる助けにはなっているが、外は夏の強い光に照らされていて、
強烈な暑さだ。だが、風はぬるいが一陣の風が心地よく感じられた。
◇小さな悪戯
由香は、草花の世話に夢中で気が付いていなかったのだが――――。
いつの間にか、側に来ていた美代志に声を掛けられ、驚いて彼のほうに
振り向いた時……のこと。
「ちょっと涼しくなりません?」
最初どういう意味なのか? 由香にはさっぱり分からなかった。
でも美代志の動作ですぐにピンときた……が、時すでに遅し。
「えっ、やめて! 本当に——」
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