玄関先で脱ぎ捨てたパンプスが踵を打って転がった。
感情がそのまま歩く足音に直結して、下手すると階下から窘められるかもしれないと、頭の片隅で思いながら、けれど、止まずに寝室へと向かった。
怒りに任せてバッグを放り、続いて、ノーガードで身体を仰向けにベッドへと放った。
ドサッと、布団が空気を吐き出すように潰れ、スプリングが微かに軋む。
見慣れた天井を見上げて、電気の光を遮るように手の甲を額につけた。
「…………、」
翳していた手を滑らせ、既に尖る唇に指先で触れた。
「――こういうことされないように、ちゃんと自覚して接しろ」
彼に、あんなキスをされたのは初めてだった。
感情をぶつけるようなものは幾度か、けれど今回はそれらとは違う。
逸らすことを許されない、けれど瞳が合わない、どこか怒りに似た感情を含む、そんなものは初めてだった。
「何******************
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