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改めてレイブの口から直接問い質された事で、語気を弱めて考え出した稚竜と幼猪に間を置く事無く少年レイブが言葉を発するのである。
「ははは、やっぱり何にも考えていなかったんだね♪ もーうしょうがないんだからぁ~、んで僕なりに考えた結果の避難先なんだけどさぁ、秋まで居た岩山の岩窟で良いんじゃ無いかなぁ~、そう思うんだけどぉ、どう?」
『岩山の? うーん? どうなのソレェ……』
『イ、イワヤマ、ッテ、ミンナ、ガ、シッテイルケド…… イイノ? レイブゥ……』
「ああ、良いだろうさ、ペトラもギレスラも思い出してご覧よ、昨日の夕方以降、バストロのお師匠が次々と僕に言った言葉をさっ!」
ふむ、昨夜何か有ったらしいな、んじゃちっと巻き戻して見てみるとしましょうかね。
ふうん、昨夜はフランチェスカとザンザス、ガイランゲルが鍾乳窟に泊まる事にしたらしい。
バストロお手製の瘤(こぶ)芋のシチューが煮込まれるのを仲良く待っている時らしいな。
鍋の前に陣取ってシチュー奉行宜しく場を仕切っていたバストロがレイブに言ったのだ。
「おお、少しだけ薪が足りないかもしれないなぁ、おい、レイブ! 薪を選んで来ようと思うんだが、良かったら手伝ってくれないか? ほら、お前ってば薪選び上手かったじゃないか? 頼むよ、付いて来てくれよぉ!」
レイブは心のままに答える。
「あ? ああ、だったら僕が良い感じのヤツを選んで持ってくるからさっ、おじさ、ぐふんぐふん、お師匠は奥さんやお客様たちと一緒に居てよぉ! スグ持って返ってくるからさぁ!」
バストロは普段見せた事が無いほどに顔面を歪ませながら答える。
「い、良いからっ! 黙って俺の手伝いをするんだっ! レイブっ! 黙って着いて来いよっ! 全くぅっ!」
「あ、ああっ、はい……」
これ以上の抗弁を諦めたレイブを物影に連れて行ったバストロはそこらに転がっていた薪をテキトウな感じでレイブに投げ渡しながら、やけにひっそりとした声音で告げたのである。
「レイブ…… 森の中、木の室(むろ)の隠れ家は誰も知らない筈だからな…… 明日の朝、俺たちが旅立ったら必要な物資、最低限の物資だけを持って木の室の隠れ家に移るんだ…… 良いか? あそこで俺が帰ってくるまでジッと身を潜ませているんだぞ? 判ったなっ! そうしろよ!」
「き、木の室? う、うん、判った、よ…… じっとしてるよ……」
「そうだ、それで良い」
なるほどね、自分が留守の間、お留守番の弟子が万が一にも危険に曝されない為に、秘密の隠れ家で隠れている様にってか、優しいじゃないの、バストロの癖にぃ~。