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「いいの?!本当に死んじゃうの?!死んじゃったらめんどくさい事ばっかだよ?!」
それを死神が言うのか、とツッコミを入れる
「君は知らないかもだけど、死んだらすごくめんどくさい事が何個も待ち構えてるんだよ?」
「めんどくさい事?」
「そう!例えば…」
そういうと死神は、どこからか六法全書2冊分程の紙を生み出した
「なんですか、この紙は」
「ぜーんぶ!死んだ後に書く誓約書だよ?」
信じられない、こんなに誓う事があるのだろうか
「凄いでしょ!私ペンの持ち方悪いから中指ぷっくりになっちゃったよ!」
「こんなに書くことあるんですか?」
「ほんとそれ!例えば…」
慣れた手つきで紙をめくる
「あった!この『ペットボトル本体とキャップは分別して処理すること』このレベルの誓約書がほぼ毎ページ書いてあるんだよ?!」
私は絶句した
「あとこれも!『財布から小銭を落としてしまった際、拾ってくださった方に感謝をする』分かってるっつーの!!」
「大変なんですね…」
「そうだよ!いいの?!こんな事に毎回サインしなきゃならないんだよ?!印鑑レスには賛成だけどこういう時は印鑑使わせて欲しい〜」
「…もう少し、生きてみようと思います。死んだ方が辛そうだし…」
と微笑を浮かべる
「それは良かった!」
私の決意も固まったことで、ひとつの質問を投げかけてみる
「ところで、死神って人を殺す?のを生業としてる訳ですよね?それなのに私を生かすような発言しちゃってもいいんですか?」
「皆、なりたくて死神になった訳じゃないんだよ」
死後業界の闇を感じた
「もしあれなら、時々来てまた誓約書見せてあげようか?あなたの笑顔、もう一度見たいんだ!」
予想外の事を言われ、少し驚いてしまう
「では、また今度見せてください!」
友達、と呼べるかは謎だったが、これが私に出来た初めての友達だった。