テラーノベル
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ー注意事項ー
・wrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・検索避けに協力してください。
・腐要素はありません。
・キャラ崩壊注意、ウサギ化等を含みます。
◇◇◇
とある基地での朝。
食堂に入ると、幹部が妙に騒がしかった。
俺は、トレーを手に取り、空いてる席を探す。
すると、中央に人集りができていることに気がついた。
「見ろよこれ!rpの耳!!めっちゃ動いとる!!」
「しっぽかわええやんけ!!」
どうやらその人集りの中心にいるのは新人幹部のrpさんであった。
だが、どこか様子が違う。
rpさんは、元気いっぱいのふわふわ耳と、ぴょこぴょこ動く小さなしっぽを揺らしていた。
可愛らしい。
そう俺の口から漏れてしまうほどであった。
聞かれたらしく、部隊の先輩が肩を叩く。
「わかるぜ。rpさんってヒョウ好きなのにな。ウサギって真逆じゃん」
「どうしてああなってるんです?」
「さあな。まあ、さっきsnさん怒られてたし、あの方がやらかしたんだろう」
rpさんはshoさんとrbさんの周りを走り回っていた。
嬉しそうに柔らかな表情を溢れ出していた。
机の上に飛び乗っては降り、また飛び乗っては降り。
それをrbさんが止めようとして、rbさんに抱き着いて。
「うわああッ!!いってェ!!お前自分の背丈考えろや!」
「かわええやんけ!甘えとんのやろコイツ!!」
そう言うtnさんは写真を撮りまくっていた。
「rpくんジャンプ力すごいなあ」
とemさんは笑っている。
完全にお祭り状態だった。
そんな中、席を探すことを再開した俺は気がつく。
食堂の隅に、フードを深く被ったciさんがいた。
ふわふわしていて、俺の大好きなあの髪の毛を全て隠している。
そして、孤立しているようなその様子に見てもいられなくなり、俺はトレーを持ち直して、駆け寄った。
「ciさん!!隣いいですか!」
「…ッ!?」
ciさんは俺に驚くと、ビクッと身体を震わした。
その拍子にフードが落ちる。
「ci…さ、」
そこには同じく耳としっぽが生えたciさんが座っていた。
髪の毛と同じ、淡い水色の少し垂れた耳。
小さく縮こまったしっぽ。
ゆっくり揺れているけど、声をかける人は誰もいなかった。
皆はrpさんに夢中なのである。
ciさんは慌ててフードを被り、視線を落として水をちびちび飲んだ。
「ciさん…あの、それって」
「…rpはかわええな」
「えっ?」
「ウサギ好きなら、rpの方行きや」
俺はちょっと、そういうのさせられへん。
ciさんはそう言った。
俺はチラリとrpさんを見る。
綺麗なシルバーブレンドが照明に照らされ、キラキラと輝いている。
元からサラサラとしたストレートの髪質で、見るからに触り心地は最高である。
耳も、しっぽも同様にキラキラのサラサラ。
けれど、ciさんだって。
俺は、視線をciさんのズボンからはみ出た丸いしっぽに移す。
くるくるのパーマで、淡い水色が反映されているのか、しっぽはくるくるの毛で覆われていた。
可愛いと思うけれど。
その視線に気がついたのか、ciさんはすぐさまパーカーをグイッと引っ張ってしっぽに被せた。
「ウサギは、寂しいと死ぬって言うじゃないですか。」
「んなの科学的根拠もない話やろ」
フードの中で耳が下がっているのは、本人も気が付かないのだろうか。
◇◇◇
訓練がようやくひと段落ついて、休憩時間になる。
俺は飲み物を補充するために、食堂に行っていた。
重くなった水筒を片手に、訓練場に戻る。
その途中、縮こまるciさんがいた。
そしてciさんの視線の先にはshpさんがいた。
ciさんはまだフードを深く被っている。
けれど、どうやら勇気の1歩を踏み出そうとしているらしい。
ぎゅうと強く握り締められた手と、真っ赤な頬を見れば分かった。
甘えようとしている。
頑張れ頑張れと心の中で応援しつつ、見守っていると、震えた足が1歩前に進んだ。
「sh 「shpさん!!見てくださいよこれ!!」
「お前まだやってんの笑 飽きへんなそれ」
ぴょんぴょん飛びながら、rpさんが駆け寄ってきた。
rbさんが息を切らしながら追いかけている。
「こいッつぁ!!!shpィそいつ抑えろ!!」
「なんでっすか」
「なんでもやァ!!!!!!」
バタバタと突然騒がしくなる廊下に、ciさんも戸惑っている様子であった。
それから、rpさんと共に走り出したshpさんの肩に強くぶつかる。
shpさんはそれも気に止めず楽しそうに笑いながら走っていた。
ciさんはフードが落ちないように、きゅうと指先で掴んで俯いている。
「おいciォ!お前もボーッとしてんと手伝え!」
rbさんがそう言い捨てて、走り去っていく。
ぽつん、とひとりぼっちになってしまった。
ciさんはしばらく離れていく皆を見ていたが、何も言わずにその場を離れた。
垂れた耳が、ゆっくり沈んでいくのを、見ることしかできなかった。
◇◇◇
夕方になって、俺はクタクタの身体を引きずっていた。
とりあえず早く自室に帰りたい。
その最中、rpさんの大きな声が響き渡った。
俺はなんとなくciさんが気になって、寄ることにした。
rpさんの大きな声は、ciさんを呼んでいたからである。
「ciさん!!ciさんのも触らせてくださいよ!」
「うぇッ!?な、なに!なんで」
「俺ばっかり皆に触らせてたらボサボサになるんですもん!!」
「ぇッ、rp…ちょっ」
rpさんは嬉しそうにぴょんぴょんしていて、そのままフードを掴んで下ろした。
もっふもふの耳が露になる。
皆が目をまん丸にしてそれを見ていた。
ciさんの顔がみるまる真っ赤に染まる。
「ち、ちがッ見んといて!」
「な、なんやci。お前もウサギなってたんか」
knさんが呆れた顔で頷いた。
それに続いて皆も頷く。
だからフード被ってたんだなと、笑い声も聞こえた。
「甘えたがり屋じゃないウサギもいるんだな」
「ciさんとか、1番甘えそうなのに」
なんて言う声も、俺の後ろから飛ぶ。
ciさんは顔を真っ赤にしてフードを被り直した。
「お前なんでrpがこうなった時来んかってん」
shoさんの手は、ずっとrpさんの頭の上を動いている。
「rpとはタイプがちゃうんやろ。コイツ飛んでこーへんもん」
knさんがrpさんを見ながら言う。
誰もが、ciさんのことなんて見ていなかった。
ciさんは笑っている。
けれどその笑顔は本当に嬉しいものかどうか、誰も気づかない。
気づけるはずがなかった。
ふと、耳が震えた。
ぴっと動いて、助けを求めようとしていた。
フードで深く抑え込み、それを隠した。
しっぽも、しゅんと萎む。
撫でられ続けるrpさんが、嬉しくて夢中で騒ぎ、皆に愛嬌を振りまく。
皆はrpさんの愛おしさに夢中で、ciさんがしょんぼり耳を落としていることに、誰一人として気づいていなかった。
◇◇◇
全員が食堂に移動した頃、ciはこっそり抜け出した。
誰も呼ばない。
誰も自分を探していない。
rpの笑い声が遠く聞こえる。
羨ましいなと思うこの気持ちは、ウサギになったせいだろうか。
つらい。苦しい。さみしい。
そんな感情を全て押さえ込みながら、歩みを進める。
水色の耳を垂らしたまま、ciは外へ向かった。
向かった先は裏庭のウサギ小屋である。
htが静かに飼っている、小さなウサギたちがいる。
ciは数回お世話を手伝わせてもらったので、そこを知っていた。
shpや、sho、knなどは知らない。
秘密な場所である。
今はhtが任務で遠出している。
世話をしにきたなど言えば、勝手に入ったことも許して貰えるだろう。
ciはそっと扉を開け、中に入り込んだ。
「…こんばんは、」
うさぎ達がぱたぱた駆け寄ってくる。
ciはその真ん中に座り込んだ。
フードを下ろし、窮屈だった耳をだらんとさせる。
「みんなはええなぁ。htさんに大切にされて」
自分でも驚くほど小さな声だった。
耳が震えるのが分かるのが嫌だ。
丸いうさぎが、ciの膝に乗る。
もう一匹が背中にくっつく。
暖かかった。
心の中の塊が解れるような気がした。
ciは、ぽつりと呟いた。
「…うまく甘えるには、どうしたらええんや」
分からなかったのだ。
だって、今まで甘えたことがなかったから。
甘やかされて生きてきた。
自分なんていなくなっても平気だと言うことを分からされた。
甘やかすと愛すことが違うことも知った。
ciは甘やかされてきて、rpは愛されてきた。
きっと、根本的にそこから彼とは違う。
だから仕方ないのだ。
そもそも、見た目が少し気持ち悪いと思う。
rpは綺麗なシルバーブレンドで、ツヤのある綺麗な毛並みであった。
ライトに照らされたそれは、眩しくて美しい。
恐らく、触ればきっとサラサラで、シルクのようなのであろう。
それに比べて。
ciは自身のくるんっと跳ねた毛を眺める。
くせ毛で、異様な水色をする自分なんて、触りたいとも思えない。
触ったら絡まるし、パサパサしているようにも見えた。
清潔感がないのかと言われたらそうではないけれど、rpに比べると流石に見劣りする。
あれだけ、rpのことを撫でていたんだ。
きっと、無意識にでも比べるに決まってる。
ciはそれが嫌であった。
「…ウサギは、寂しいと死ぬん」
声が震えて、耳も揺れる。
「…ぼくは、必要とされてないの」
指先をぎゅうと握った。
寒くて悴んだ手は赤く染まる。
時間がどれくらい経ったのか、わからない。
笑い声も、足音も聞こえない。
ciは、何度も耳を動かしてみる。
誰か来た気配がないか、無意識に探してしまう。
けれど、やっぱり何もない。
「…みんな」
ぽつり、と落ちた声は震えていた。
「来るはずないよなぁ。だっ、て…ぼく、勝手にいなくなった、だけやし…」
目が、じんわり熱くなる。
うさぎ達が、丸い目で見上げた。
ciは慌てて目をこすり、深呼吸をした。
「…ッ、泣くのは、だめ。めいわく、めいわく…」
そう言い聞かせているのに、涙は勝手ににじんでくる。
一匹のうさぎが、ciの膝に前足をかけた。
もう一匹が、背中に寄り添う。
ciはそのまま、動けなくなった。
もし今、誰かが名前を呼んでくれたら。
ciはどこ行った?って探してくれたら。
◇◇◇
食堂は、いつものように騒がしかった。
「rpくん!もう一回跳んでみてぇや」
「余裕ですよ!!見てて!!」
rpが椅子の上からぴょん、と跳ねる。
耳としっぽが大きく揺れて、周りから笑い声が上がった。
emが嬉しそうに眺めている。
「すげぇなあ、ほんまにウサギなんや」
「写真撮っていい?」
「え〜、カッコよく撮ってくださいよー?」
その輪で違和感を覚えたのは、tnだった。
tnは少し外れたところで、皿を並べていた。
「……あれ?」
手を止めて、輪の中を眺める。
そんなtnに気がついたのは料理をしていたutである。
「tn、どーしたん」
「いや…ciが。おらんくない?」
その一言で、空気が一瞬だけ止まった。
「あれ?さっきまでおったやん」
zmが見渡す。
「トイレちゃうかー!?」
「なんも言わずに?」
「「うーん」」
knとshoが顔を見合わす。
「…そういや、見てねぇな」
「さっきまでおったんやろ?」
「いや、俺はrp見とったから、途中から知らんで」
zmはぶんぶんと手を振った。
rpが、ぴたっと動きを止める。
「…ciさん?」
耳が、ゆっくり伏せられた。
「ciさん、さっきまでいたじゃないですか」
「rp見てた?あいつどこ行ったか」
「…最後見たのは、食堂来る前です」
誰かが立ち上がり、誰かが名前を呼ぶ。
当然、食堂内から返事はない。
「…おかしいな」
tnの声が低くなる。
「ciは、勝手にどこか行く奴ちゃう」
tnがknを睨みつけた。
ぎくりと汗を垂らしながら、knはそっぽを向く。
「べ、別に俺最近黙って抜け出してないねんけど…」
「ドンマイ」
rpが、ぎゅっと服の裾を掴んだ。
「…俺が…今日、俺ばっかり、騒いで…」
「rp」
rbはすぐにそれを否定した。
それからインカムをつけて駆け出した。
「カメラと鍵見てくる。お前らも手当り次第探せ!」
それを合図に、基地中が一気に慌ただしくなった。
一般兵が、困惑してバタバタする。
廊下、訓練場、医務室、倉庫、色んなところに行って回った。
「ciー!!」
shpは、走りながら周囲を見渡していた。
胸の奥に、嫌な感覚が広がる。
今日、ciはずっと静かだった。
思い返せば、あまり喋っていない。
rpであの様子だとしたら、ciは相当甘えん坊になっているのではないか。
思うのは、性格の倍増である。
rpの人懐っこくて活発な性格が倍増したのであり、ただただ甘えん坊になったのではない。
だとすると、ciは。
人懐っこくて俺たちのことが大好きなアイツが、素っ気なくなるなんてそんなはずがないと思った。
shpは歯を食いしばり、2階の方へと足を向けた。
その頃、rpは半泣きでtnの後を追っていた。
「…ciさんッ、っおれ、…ちゃんと……」
「後でいくらでも話せる。今は探すことに専念するんや」
tnの声は落ち着いていたが、表情は明らかに焦っていた。
「裏庭はまだか」
その言葉に、数人が一斉にそちらを見る。
「…まさか」
夜の裏庭は暗い。
風に草が揺れる音だけが聞こえる。
その時だった。
「ちょっと待って。何してるの」
「…ht?」
任務からたった今帰ってきたらしいhtが、人参やらなんやらを担いで歩いてきた。
どこから歩いてきたのやら、泥まみれである。
「ただいま。今ちょうど帰ってきてさ。嗚呼そうそう、そっち近道なんだけど、そしたら泥まみれなっちゃった」
カラカラ笑いながら、水道で手を洗う。
皆がポカンとその様子を眺めていた。
「で、どうしたの。裏庭に来るなんて珍しい」
「話すと長くなるciを探せ」
「…なに。急じゃん」
「とにかく、急いでくれhtに裏庭は任せる。rp、行くぞ!」
「は、はい!」
バタバタと慌ただしく去っていった彼らを眺めながら、htは息をつく。
なんでrpはあんな可愛らしい姿になってるんだか。
泥を落とし、牧草と人参を手に取る。
間に合ってよかった。
とりあえず、ウサギに餌を与えてから探そう。
ciをほったらかすとかそういう意味ではなくって。
「みんなただい」
声が詰まった。
中には、膝を抱えて座るciの姿があったのだ。
その周りには、ウサギが集まって慰めているように見えた。
耳は力なく垂れ、しっぽも丸まったままである。
「…ciくん?」
優しく、肩を撫でながら名前を呼ぶ。
ciは、びくっと肩を震わせた。
「…こんなところでどうしたの」
htは、ゆっくり膝をついた。
零れる牧草に見向きもせず、ジッとciを守るように傍にいるウサギ達も撫でてやる。
優しい子たちだ。
そんなこと知っている。
「…ciくん、こんな寒いとこいていいの?」
ciは顔を上げない。
耳だけが、かすかに揺れる。
「…皆から逃げてきたの?それで、ここに来たの」
しばらく沈黙が流れてそれから、かすれた声が返ってきた。
「…ごめん、なさい」
htはその場に座り込んだ。
優しく俯いたその頭を撫でる。
「…わからなく、なって…それで、」
「うん。ウサギ達のとこに、来たくなっちゃったの?」
「う、ん…」
「…よしッ!ciくんには人参あげるの手伝ってもらおうかな!!」
htはパンッ!と膝を叩いて立ち上がった。
ciも釣られて顔をあげる。
htは牧草の入った袋を持ち、人参の入った袋をciに渡した。
「ciくんが食べたくなったら食べてもいいよ」
「えッ、ぁ…え?」
「人参はおやつだからね。」
htは牧草をあげながら微笑んだ。
ciも震えた手で、人参をあげてみる。
ウサギたちが嬉しそうに駆け寄ってくるのに、心がぽかっとした。
「ciくん。なにがあったの?その…ウサギになっちゃってるのもさ」
「…ウサギは多分、snさんの仕業です。ぼくと、rpがウサギになってて…」
「なってたね。ciくん後でちゃんと撫でさせてね」
「えッ、ぁ…え?!」
「それで?どうしてここにいたの?」
「ぁ…えっと、ぼくが、ちょっと。さ、さみしく…なっ、ちゃ…て」
htは牧草をあげる手を止めて、ciを見た。
よいしょ、と声を漏らしながら立ち上がりジッとその姿を見る。
それからわしゃわしゃッと頭を撫で回した。
「えッ、わ!!えっ!?」
「よしよしよおしッ!!!!じゃあ俺はciくんを独り占めしてもいいってことだよな!」
「えッいやッあの!!rpのほうがッ」
「ciくん!!」
力尽きました
リクエストありがとう😭😭😭
あとは皆さんに任せます
コメント
17件
ウサギになった二人が存在するとか癒しの空間すぎますね!! 小説のクリスマスプレゼントありがとうございます!
うさぎになったciくんとrpくん想像するだけで癒しです...htいい人すぎる😭😭
んきゃんきゃきゃきゃきゃ 最高すぎます😘😘 htってそんなお話のなかでも活躍するのがすくねぇ過ぎたので嬉しいです^_^ rpサンとciサンのうさみみ絶対可愛いですよね!!!!!! 舐め回すようにみたい 最高のクリスマスプレゼントですです