死んだ友達の晴-ハル-ちゃんは、別に高校で対して目立っていた訳でもなかったけれど、いつも笑顔だった印象があった
とても明るい子だった
真面目だったけど、ふざける時は誰よりもふざける子で、影では意外と彼女の話題を耳にすることも多かった
その話題は決して、良いものばかりじゃなかったけれど___
晴ちゃんはこれまで恋愛の話題を一度も口に出したことがなかった
美意識が無かったわけじゃないけれど、あまり色恋に頓着している様子でもなかったし、何より晴ちゃんと私含めたイツメンも、恋バナを積極的にするような柄じゃなかった
晴ちゃんが段々と変わり始めたのは、高校2年生の春頃だったと思う
無作法に伸びたロング丈の髪の毛が、綺麗に整えられたショートに変わった時は、普段感情を大きく出さないイツメンのひとりも、声を上げて驚いていたくらいだ
いつもの寒い一発ギャグ、豪快で大胆な笑い声、男が見たらドン引きするであろうえげつない下ネタも、その日を境に一切口にしなくなった
何より1番ビックリだったのは、晴の友達に対しての興味が失われてるのに気づいた時だ
彼女はいつも友達と一緒に居て、少しでも友達に嫌われてると感じたら結構沈むくらいには、友達が大好きだったと思う
女子が前髪を異常に気にするのと同じだ
いつものようにイジられた晴が、いつものギャグっぽいキャラにそぐわない可愛らしい声で「やめてよ〜っ」って言い出した時は、僅かな寂しさを覚えたのを覚えてる
みんな気づいていた、晴に好きな人ができたことくらいは
でも_その恋愛は決して、甘くて苦い”高校生らしい恋愛”とは程遠かったと思う
彼女の首に、絆創膏では隠しきれない赤い斑点模様が付いてるのは日常茶飯事で
目を腫らして登校してくることなんて、そう珍しいことでもなかった気がする
高校2年生の夏、前々から気になっていたことを彼女に聞くことにした
彼女の腕に巻かれている小さな包帯を見て、聞くことを決心した
「ねえ、晴」
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