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ある晴れた土曜日の朝。
白谷朱美玲(すみれ)は、少し緊張しながらも楽しみな気持ちで目を覚ました。
今日は、広崎美玖(みく)と一緒に動物園と水族館に行く約束の日。
朝ごはんを食べながら、お母さんに「楽しんでおいでね」と笑顔で送り出された。
学校の帰り道ではなく、特別な遠出だから、ふたりは電車に乗って動物園へ向かった。
駅のホームで美玖と待ち合わせ。
すみれ: 「おはよう、みく!今日は絶対楽しい一日にしようね!」
美玖: 「おはよう、すみれ!うん、いっぱい写真も撮ろう!」
動物園に着くと、入口の大きなキリンの像にふたりは目を輝かせた。
園内には、色とりどりの動物たちがいて、ふたりはひとつひとつ興味津々で見て回った。
サルのコーナーでは、サルたちが元気に木の枝を渡っているのを見て、思わず笑い声がこぼれた。
美玖: 「あのサル、まるでわたしたちみたいに遊んでるね!」
すみれ: 「ほんとだね。わたしたちもあんなふうに自由に遊べたらいいのに。」
お昼になって、ふたりは木陰のベンチに腰をおろした。
お弁当はそれぞれの家から持ってきたもの。
すみれ: 「お母さんが作ってくれた卵焼き、おいしいよ。」
美玖: 「わあ、いいなあ。わたしもお弁当作れるようになりたいな。」
話はお弁当から将来のことへと広がった。
すみれ: 「わたしね、大人になったら動物のお医者さんになりたいんだ。」
美玖: 「すごい!わたしはね、旅行にたくさん行きたい。世界中を見て回りたいな。」
ふたりは夢を語り合いながら、時間を忘れて笑い合った。
午後は水族館へ移動。
水族館の青く透き通った空間に入ると、ふたりの目はキラキラと輝いた。
カラフルな魚たちが泳ぐ大きな水槽の前で、すみれが声をひそめて言った。
すみれ: 「あの魚、光ってるみたい。まるで宝石みたいだね。」
美玖: 「ほんとだ!写真に撮りたい!」
イルカのショーも見て、大きくジャンプする姿にふたりは拍手を送った。
夕方、帰りの電車の中。
疲れたけど満足そうな顔で、すみれがぽつりと言った。
すみれ: 「みくと一緒にいると、どんなことでも楽しくなるね。」
美玖: 「わたしも!これからもずっと一緒だよ。」
家に帰ると、すみれはベッドに座り、今日の楽しい思い出をノートに書き留めた。
「みくといる時間は、わたしの宝物」――そう心に決めて。
つづく