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♡ありがとうございます!
及川徹の少し怖めのヤンデレを意識して書いてみました!
⚠︎︎ヤンデレ
⚠︎︎夢
⚠︎︎ちょい怖
それでも大丈夫な方は本編どうぞ!
「ねえ、今日さ。一緒に帰ろ?」
部活終わり。
体育館の外で待っていた及川くんは、いつものように笑っていた。
汗で少し乱れた髪。
肩にかけたスポーツバッグ。
疲れているはずなのに、私を見つけた瞬間だけぱっと明るくなる顔。
「……いいよ」
そう答えると、
「やった」
子どもみたいに笑った。
その笑顔が好きだった。
だからこそ。
最初は、それが怖いなんて思わなかった。
「今日、誰と話してたの?」
帰り道。
何気ない声だった。
「え?」
「ほら、体育館の前で」
「ああ、クラスの男子だよ。ちょっとプリント渡されただけ」
「ふーん」
及川くんは前を向いたまま歩いている。
「仲いいの?」
「別に普通だよ」
「そっか」
それだけ。
それ以上、何も言わなかった。
だから私も気にしなかった。
……その日の夜までは。
スマホを見る。
及川くんからメッセージが来ていた。
『今日は楽しかったね』
『明日も一緒に帰ろうね』
その下に、もう一件。
『あの子、名前なんていうの?』
「……」
少し迷ってから答える。
『同じクラスの○○くん』
既読はすぐについた。
『そっか!ありがと〜』
それだけだった。
私はスマホを伏せた。
――なのに。
次の日。
「おはよう」
教室に入ると、及川くんがいた。
「……え?」
「おはよ」
「なんでここにいるの?」
「待ってた」
「誰を?」
「君」
当たり前みたいに言って、笑う。
「一緒に行こうと思って」
「でも及川くん、クラス違うじゃん」
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桜空

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すず
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「うん。だから来た」
「……わざわざ?」
「うん」
笑顔。
いつも通り。
なのに。
「ねえ」
及川くんが少しだけ顔を近づける。
「今日、○○くんと話す予定ある?」
「ないけど……」
「そっか」
ほっとしたように笑う。
「よかった」
その日の昼休み。
○○くんから話しかけられた。
「昨日のプリントなんだけど――」
「あ、ごめん。ちょっと待って」
なぜか、背後から視線を感じる。
振り返る。
廊下の向こう。
及川くんがこっちを見ていた。
目が合った。
にこっと笑う。
そして。
口元だけ動かした。
『あとでね』
ぞく。
なぜか、背筋が冷えた。
⸻
「ねえ」
放課後。
誰もいない教室。
窓際に立った及川くんが、笑っていた。
「今日、○○くんと話してたね」
「……見てたの?」
「うん」
「なんで?」
「なんでって?」
及川くんは首を傾げる。
「好きな子が誰と話してるかなんて、気になるでしょ?」
「……好きな子って」
「君だけど?」
さらっと言われて、言葉に詰まる。
「……それは嬉しいけど」
「けど?」
「ちょっと、見られすぎてる気がする」
及川くんの笑顔が止まった。
数秒。
静かな教室。
やがて。
「……そっか」
小さく呟く。
「ごめんね」
「え?」
「嫌だった?」
「いや、そういうわけじゃ――」
「じゃあ、いいじゃん」
笑った。
「俺、君のことなら何でも知りたいんだ」
「……何でも?」
「うん」
及川くんが一歩近づく。
「好きな食べ物も」
もう一歩。
「好きな音楽も」
また一歩。
「誰と仲がいいのかも」
気づけば、机と及川くんの間に挟まれていた。
「どんな顔で笑うのかも」
「……及川くん」
「君が誰に笑いかけたのかも」
声が、少し低い。
「全部知りたい」
「……怖いよ」
そう言うと。
及川くんは少しだけ目を伏せた。
「……そっか」
そして、困ったように笑う。
「ごめん」
一瞬。
本当に申し訳なさそうに見えた。
だから。
少し安心した。
「でもね」
及川くんが顔を上げる。
「俺、君が嫌がることはしないよ」
「……うん」
「だから安心して?」
優しい声。
いつもの及川くん。
そのまま私の横を通り過ぎて、教室を出ていく。
――その翌日。
○○くんから、急に連絡が来なくなった。
⸻
「及川くん」
「なに?」
「○○くん、最近なんか変なんだけど」
「ああ」
及川くんはスマホを見ながら答えた。
「そうなんだ」
「……知ってるの?」
「何を?」
「○○くんのこと」
「知らないよ」
顔を上げる。
笑っている。
「俺、何もしてないもん」
「……」
「本当だよ?」
その笑顔を見ていると、何も言えなくなった。
「それよりさ」
及川くんがスマホをしまう。
「今日、うち来ない?」
「え?」
「勉強教えてあげる」
「でも――」
「ね?」
断りづらい笑顔。
結局、私は頷いた。
⸻
及川くんの部屋。
綺麗に片付いている。
机の上には教科書とノート。
そして。
「……これ」
棚の隅に、見覚えのあるものがあった。
「私の……」
以前、及川くんに貸したシャーペン。
なくしたと思っていた。
「なんで持ってるの?」
「ん?」
「これ、私のだよね?」
「ああ」
及川くんは何でもないように答える。
「もらった」
「……あげてないよ?」
「そうだっけ?」
笑う。
「でも、いいじゃん」
「よくないよ」
手を伸ばす。
すると。
及川くんが、その手首を掴んだ。
「……及川くん?」
強くはない。
でも、離してくれない。
「ねえ」
笑顔。
「これ、持って帰るの?」
「え?」
「俺、君のものを持ってるの、好きなんだけどな」
「……どういう意味?」
「そのままの意味」
指先が少しだけ強くなる。
「君が俺のところに置いていったものを見るとさ」
及川くんは嬉しそうに笑った。
「君がここにいるみたいで、安心するんだよね」
「……」
「だから、もっと置いていってよ」
「何を?」
「なんでもいいよ」
笑顔。
「髪ゴムでも、ハンカチでも、写真でも」
少し間を置いて。
「君自身でもいいけど」
「……冗談?」
「もちろん」
即答。
「冗談だよ」
そう言って手を離す。
「ほら、勉強しよ?」
私は何も言えなかった。
⸻
帰り道。
「送るよ」
「大丈夫」
「ダメ」
即答だった。
「今日は送る」
「でも近いし――」
「ダメだって」
笑っている。
「夜道危ないから」
「……」
「それに」
及川くんが私の隣に並ぶ。
「俺が送りたいから」
その言葉だけなら、優しい。
いつもの及川くんだった。
駅に着く。
「じゃあ、また明日」
そう言って離れようとした瞬間。
「待って」
腕を掴まれた。
「……なに?」
及川くんは笑っていた。
だけど。
目だけが笑っていなかった。
「明日、誰かと帰る予定ある?」
「ないよ」
「本当に?」
「うん」
「……よかった」
ほっとしたように息を吐く。
そして、私の髪に触れる。
「ねえ」
「なに?」
「俺さ」
優しく髪を撫でながら。
「君が俺以外の誰かと楽しそうにしてるの、嫌なんだ」
「……」
「すっごく嫌」
声は穏やかだった。
「でも、君に嫌われたくないから我慢してる」
「及川くん……」
「だからお願い」
笑顔。
「俺のこと、もっと好きになってよ」
「……」
「そしたらさ」
その笑顔が、ほんの少しだけ歪む。
「俺も、もっと安心できるから」
「……もし、好きにならなかったら?」
聞いてしまった。
及川くんは黙った。
しばらくして。
「……そっか」
笑った。
「じゃあ、好きになるまで待つよ」
「え?」
「ずっと」
その言葉に、冗談めいた響きはなかった。
「君が俺を好きになるまで、何年でも待つ」
「……」
「だって」
及川くんは私の手を握った。
逃げないように。
でも、優しく。
「俺はもう、君以外なんて考えられないから」
にこ。
「だから君も、俺以外を考えなくていいよ」
――その日から。
及川くんは、毎日笑っていた。
私が誰と話しているか知っていた。
私が何時に帰るか知っていた。
誰から連絡が来たのかも。
私が好きなものも。
嫌いなものも。
全部。
全部、知っていた。
そして私がそれに気づくたび。
及川くんは決まって笑う。
「大丈夫だよ」
「俺が君のこと、一番分かってるから」
その笑顔を見るたびに。
私は少しずつ思うようになった。
――もしかして。
この人から逃げる方法なんて。
最初から、なかったんじゃないかって。
Next➞♡50以上
コメント
1件
読ませていただきました……これ、本当に「好き」の質がじわじわ体温を下げてくる話ですね。日常の何気ない仕草(スマホを見る角度、髪に触れる指先)のひとつひとつが、及川くんの狂気を無理なく滲ませているのが素晴らしかったです。特に「知らないよ」「本当だよ?」と笑いながら言うところで、背筋がゾッとしました。結月さんの「距離感の描き方」が本当に巧みで、読者にじわじわと安心を剥がしていく感覚がありました。続きが気になります……いや、怖いけど気になります。