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その間にも話をしだした。
「まだ借金も返済してないし……去年だって増やした仕事でストレス溜めて夫は倒れて入院もしてる。私の実家が立て替えたけど……まだ返してもらってない……」
そうね、そういえば……そんなこともあったわね。
あ、いいカードが出てきた。家族のカード。老人の男を囲む家族たち。
「今はご夫婦とお子さんだけで生活されています?」
「……はい」
私はカードを差し出した。
「いっそのことご主人のご実家でお暮らしになった方がよろしいかと?」
それをいうと奈々美さんの顔は見たことのない引き攣りをした。目を見開き首を高速で振り続ける。
あなたにそんな選択肢はない。
私は選択もできぬまま義父母たちの近くに住まわされ夏彦がいない日中はもちろん土日祝日365日監視過干渉されてきたのよ……あんたたちは逃げ回って都合の良いときにやってきて!!!!!
あなたたちが逃げ回ってる時に私はどれだけ辛い思いをしたのか。好きなように育児なんてできなかったし一緒に住んでもないのに家事もあーだこーだ口挟まれて。
占いの仕事もこうして外で仕事をするにあたっても詐欺をするような奴はうちの血筋にはいらない! と大暴れ。夏彦さんは流石に間に入ってくれたけど(私が働いて収入が増えれば自分の手持ちから私にお小遣いを増やさなくていいから。自分に利益がないと助けてもくれない)
「いや、もうそろそろ今まで借りてきたものを返さないと……つけが回ってきますよ」
「……いやです、いやです!」
そうよね、あなたは秋利さんが奈々美さんにはメールや電話をするな! って間に入ってくれましたもんね。
私はそんなこと夏彦さんしてくれなくて酷い時は毎日のように義母からメールがじゃんじゃん。文句長文メール。
義母の愚痴や説教を受け続けたのに……。
私は次々とカードを出していく。
「一緒に住むと経済的でなくて娘さんの面倒も見てもらえるから学童とか余計なお金かかりませんよ」
「嫌です……近くでさえも嫌です……お金を返すことは……当たり前ですけど、職場も遠くなりますし」
まだ言うのか、この女は。
震えた手で奈々美のカードを引く。
ああ、占いと出会った時はこんな恨みつらみが溜まった状態でするものではない、と思ったのに……。