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コメント
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うわあ、このエピソードめっちゃ良かった…!ずぶ濡れの成明が「歌じゃ埒が明かん!」って正面突破かますの、直球すぎて胸熱🔥 白梅が梅の枝握りしめてへたり込むとことか、業平がニヤニヤしながら合いの手入れるとことか、全員のキャラが立ってて最高だった。雨の演出も「二人の絆を繋ごうとばかりに」って一文でグッと来たわ。平安ラブコメ、もっと読みたい…!
歌をしたためた文を業平は、成明に届けさせた。
「この雨が効いてくれればよいのだがねぇ」
「そうですわね……」
業平と桂はどこか楽しそうに語っている。
わからないのは白梅で、ただ、おろおろするばかりだった。
雨音は鳴り止まず、激しくなるばかり。しかし、業平と桂は、安堵しているように見えた。
暫く後──。表が騒がしくなる。門を叩く音かうっすら響いて来た。
「よしよし」
「心配いらなかったようですわね」
どたどたと廊下を歩む音がして、取次の者が現れた。
白梅に会いたいと男が来ているとか……。
「まあ、本当に実直なお方」
桂が笑う。
「……いや、普通、とりあえず私を訪ねてくるものだが?」
業平も笑いを堪えている。
と、白梅の名が呼ばれた──。
「縁側の方からよ?白梅、行っておあげなさい」
「あ、あの?これは?」
行けばわかると、業平が言い、白梅は仕方なく腰を上げた。
「白梅!白梅殿!」
あまりの大声に白梅は躊躇する。しかも、他の女房たちも何事かと部屋から顔を覗かせていた。
皆の視線を気にしながら白梅は、声を荒げる男のもとへ縁側を進んだ。
「白梅殿!」
男は、傘をかぶっただけの軽装で、雨の中を立ちすくんでいた。衣はぐっしょり濡れている。
「文を預かった!私は本気だ。妻になって欲しい!ただそれを伝えたくて!」
男──、成明は、ずぶ濡れになりながらも、歌では埒が明かんと叫ぶ。
「私は在五殿のような歌は詠めん!だから、告げることにした!」
返事をくれぬかと成明は縁側に佇む白梅へ迫った。
「あ、あの……」
言ったきり、白梅はそのままへたり込んでしまう。
だが手には、成明から贈られた梅の枝をしっかり握りしめていた。
「もうその辺でよいだろう?」
見かねたと言いたげに業平が現れるがどこかご機嫌だった。
「白梅や、返事は焦ることはないが……まあ、せっかくだ今告げておきなさい」
白梅は突然のことに言葉が出ない。ただ贈られた梅の枝を握りしめるだけだった。
「渡されたのがうれしかったか。そうかそうか。成明、そういうことらしいぞ?」
覗き見していた女房たちも、含み笑う。
白梅は、はっとした。
「あ、あの、私その……」
「おお、嫌ではないと」
業平が合いの手を入れる。
「まあ、成明殿。とりあえずこちらへ上がりなされ」
「いや、すまぬ。つい、頭に血がのぼり……」
今日のところはと、成明は踵を返した。
「よいのか?白梅?」
#完全一次創作
たかはし もけ
717
はるか
5
生方詩
25,680
「……い、いえ、あ、あの。こ、衣を!乾かして!そんなに濡れては!」
業平の呟きに白梅は答えていた。しっかりと成明を見つめて。
女房たちの黄色い声が挙がる。
業平も、ニンマリしている。
ただ、成明と白梅だけが、頬を染めて俯いていた。
雨はやまない。二人の絆を繋ごうとばかりに。
そして──。
成明は縁側に上がり、白梅の手をとっている。
その言葉ない二人を見ながら、業平は満面の笑みを浮かべたのだった。
(了)