テラーノベル
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朝。
カーテンの隙間から差し込む光で、らぴすはゆっくりと目を覚ました。
らぴす「んぅ……。」
隣を見る。
莉犬はまだ眠っている。
少し離れたところでは、てるとも丸まって眠っていた。
やなととはりまも静かに寝息を立てている。
まぜ太だけは、もう起きていた。
まぜ太「……起きたか。」
らぴす「まぜたくん、おはよぉ……。」
まぜ太「おはよ。」
らぴす「みんなまだ寝てる?」
昨日は自分の体調が悪くなった時、みんながすぐに助けてくれた。
お水を持ってきてくれて。
休ませてくれて。
ずっとそばにいてくれた。
らぴす「……。」
まぜ太「どうした。」
らぴす「僕も……みんなのために何かしたい。」
まぜ太「ん?」
らぴす「いつも助けてもらってばっかりだから……。」
まぜ太は少し黙った。
そして、らぴすの頭を軽く撫でる。
まぜ太「助けてもらってばっかりでいいだろ。」
らぴす「え?」
まぜ太「俺らは友達だから。」
らぴす「でも……。」
まぜ太「らぴすが笑ってるだけで、十分。」
らぴす「……っ。」
胸がじんわり温かくなる。
らぴす「……それでも、何かしたい。」
まぜ太「じゃあ。」
らぴす「?」
まぜ太「朝飯作るか。」
らぴす「作る!」
まぜ太「ただし。」
らぴす「うん?」
まぜ太「無理はなし。」
らぴす「分かってるよぉ!」
まぜ太「本当か?」
らぴす「ほんと!」
二人はそっと部屋を出た。
キッチン。
らぴす「何作る?」
まぜ太「簡単なもの。」
らぴす「パンケーキ!」
まぜ太「それならいい。」
らぴす「やったぁ!」
らぴすは嬉しそうに材料を並べていく。
まぜ太「そこ持つ。」
らぴす「持てるよ?」
まぜ太「落としたら危ない。」
らぴす「むぅ……。」
まぜ太「……。」
らぴす「……。」
まぜ太「分かった。見てるだけにする。」
らぴす「ほんと!?」
まぜ太「ただし、無理そうなら言え。」
らぴす「うん!」
らぴすは楽しそうに作り始めた。
粉を混ぜて。
卵を割って。
生地を混ぜて。
らぴす「できた!」
まぜ太「焼くぞ。」
らぴす「うん!」
フライパンから甘い香りが広がっていく。
すると――
莉犬「ん……?」
莉犬が目を覚ました。
莉犬「……いい匂い。」
てると「……朝ごはん?」
やなと「なんか作ってる!?」
はりま「起きよう!」
四人が一斉にキッチンへやってくる。
莉犬「らぴぴ!?」
らぴす「莉犬くん、おはよ!」
莉犬「何してるの!?」
らぴす「パンケーキ作ってる!」
てると「らぴらぴが!?」
やなと「朝から!?」
はりま「すごい!」
らぴす「みんなのために作りたくて……。」
らぴすは少し照れながら言った。
らぴす「いつも助けてもらってるから。」
莉犬「らぴぴ……。」
てると「可愛すぎる……。」
やなと「優しすぎる……。」
はりま「嬉しい……。」
らぴす「えっ、な、なに!?」
莉犬「ぎゅー!」
らぴす「わぁ、」
莉犬がらぴすに抱きつく。
てると「僕も!」
やなと「俺も!」
はりま「俺も!」
らぴす「ちょ、ちょっとぉ、」
まぜ太「お前ら、パンケーキ焦げるぞ。」
全員「え!?」
まぜ太「……。」
らぴす「あぁ、やべ」
フライパンを見る。
パンケーキは――
少しだけ焦げていた。
らぴす「ご、ごめん……。」
まぜ太「別に。」
莉犬「食べられるよ!」
てると「ちょっと焦げてるくらい平気!」
やなと「むしろ思い出!」
はりま「みんなで食べよう!」
らぴす「……!」
みんなでテーブルを囲む。
焦げたパンケーキを一口。
莉犬「おいしい!」
てると「おいしい!」
やなと「うん!」
はりま「美味しいよ!」
まぜ太「……まぁ、食える。」
らぴす「ほんと!?」
まぜ太「ほんと。」
らぴすは嬉しそうに笑った。
らぴす「よかったぁ……!」
その笑顔を見て。
まぜ太は小さく笑う。
まぜ太「これで十分だろ。」
らぴす「え?」
まぜ太「俺らのために何かしたいって気持ち。」
らぴす「……。」
まぜ太「ちゃんと伝わった。」
らぴすの目が少し潤む。
らぴす「……うん。」
莉犬「らぴぴ?」
らぴす「ありがとう。」
てると「なんで泣きそうなの!?」
やなと「泣いていいよ!?」
はりま「でも無理に泣かなくていいよ!?」
らぴす「泣いてないもん……ウル」
莉犬「泣いてるー!」
らぴす「泣いてない!」
みんなで笑う。
その頃。
らぴすの家では――
心音「……。」
ロゼ「どうした?」
心音「らぴす、今頃何してるかな。」
らいと「お泊まり会楽しんでるんじゃない?」
メルト「昨日はちゃんと眠れたかな。」
みかさ「連絡してみる?」
心音「……。」
ロゼ「しおにぃ?」
心音「いや。」
心音はスマホを握りしめる。
心音「らぴすから連絡が来るまで待つ。」
らいと「心配なんだね。」
心音「……当たり前だろ。」
メルト「溺愛だねぇ。」
みかさ「いつものこと!」
心音「うるさい。」
そう言いながらも。
心音はずっとスマホを見ていた。
すると。
ピコン♪
心音「!」
ロゼ「早っ。」
らいと「反応早すぎ。」
メルト「さすが。」
みかさ「らぴす?」
心音がメッセージを見る。
らぴす 『しおにぃ!みんなにパンケーキ作ったよ!』
写真が一枚送られてきた。
少し焦げたパンケーキ。
でも。
その隣には、満面の笑みを浮かべたらぴすが写っていた。
心音「……。」
ロゼ「どう?」
心音「可愛い。」
らいと「また始まった。」
メルト「いつもの。」
みかさ「らぴす可愛いもんね!」
心音はすぐに返信を打つ。
心音 『すごいな。帰ってきたら俺たちにも作ってくれるか?』
らぴす 『もちろん!』
心音「……。」
ロゼ「どうした?」
心音「帰ってきたら抱きしめる。」
らいと「予想通り。」
メルト「絶対そうだと思った。」
みかさ「らぴす逃げてー!」
心音「逃がさない。」
その頃。
らぴすは何も知らずに、いつメンと笑っていた。
自分が誰かのためにできること。
それは、とても小さなことかもしれない。
でも。
その小さな優しさは、ちゃんと誰かの心に届いていた。
そしてらぴすはまだ知らない。
このあと。
その優しさが原因で――
兄たちからさらに溺愛されることになるなんて。
――続く。
第10話予告
「帰宅したら、兄たちが……!?」
お泊まり会を終えて帰ってきたらぴす。
しかし玄関を開けた瞬間――
心音「おかえり、らぴす。」
らぴす「……え?」
兄たちの様子が、いつもよりおかしい……!?
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コメント
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続ききになっっる楽しみにしてま~す!
やばい続きが気になる