第4話です︎^_^♡
_送ってしまった
『+1』さんからはまだ返事が来ていない。
「好みじゃなかったのかなぁ…」
2日間連絡をとっているだけとはいえ、唯一の話し相手だったので、結構メンタルにくるものがある。
あぁ、こんなことになるなら自分の流されやすい性格、依存しやすい性格などをどうにかしとけば、と思っても今更遅い。
\ぴろん♩/
いつもは嫌になる通知も、いまはまるで子供が好きなテレビ番組に飛びつくように画面に食い入る
(『返信遅れてすまん!画角、とっっても良かったぞ!!!!れ!!』)
れ…誤字だろう、そんな所もかわいい。
……ん?かわいい?
(『ありがとうな!明日も一緒に頑張ろうな!!!』)
自分の気持ちについて考える暇もなく、新しい文字がまた現れる。
(「はい、頑張りましょうね!」)
流石に出会って2日で際どめな写真を送るのは尻軽だと思われるだろうか…もしかしたらあれは浮気性かどうかのテストだったんじゃ…
ベットの上で枕に口を当て、声を殺しながら叫ぶ。
「っンあああ…ッ……!!!!!」
分からない。まだ自分の恋愛感情に気づいたことが無いのでわからない。これが好きというとこなのか、また違う思いなのか。
もし恋愛感情だったとしたら…自分がちょろすぎて嫌になる。 2日間で好きになるとは…
朝の支度はほぼ手を抜いた。あまり眠れなく、やる時間がなかった。
友人と投稿してるであろう児童たちが、いつもより輝いて見える。
〈お前__のこと好きなのか!?〉
〈え?好きだよー?〉
〈おー!お前なら行けるって!!頑張れよ!! 〉 _
いつもは雑音。信号の音にかき消されている声も、今日に限っては耳に響く。
自分の気持ちに素直になれば、応援してくれる人もいるのかもしれない
応援してくれる人… 応援してくれる人?
現実に話し相手もいない僕にいるものなのか。
『おはよ!!!!!にほん!!!』
そう無邪気に話しかけてくるアメリカさんは、いつもより輝いて見えた。
「おはようございます。」
『あぁ!!おはよ!…どうした?なんか隈、ひどくないか? もしかして夜更かしでもしたか?』
そう言って顔を ぐい と近づけてくるアメリカさん。サングラスでも分かる、綺麗に澄んだ藍の瞳。
「っおッ…!? なんですかいきなりっ……!?」
人とここまで顔の距離が近づいたのは初めてだ。思わず顔が自分でも分かるほどに熱が出る。
『あ、ごめんな!驚かせるつもりはなかったんだ!!』
ぱっ、と顔の距離を離すアメリカさん。いつも身長差とサングラスでよく見えない瞳をここまで間近で見たのは初めてで、思わず顔が離れるのが惜しくなるほど、ほんとうに綺麗な藍色と顔面だった。
「いやっ全然!私は大丈夫です!」
そうやって笑い、自分の中の気持ちを紛らわし、落ち着かせる。
言動、ワードセンス、雰囲気…どうしても、『+1』さんに似ている。
今まで必死に自分を誤魔化して来ていたが、どうやら『+1』さんのアイコン、あの藍色とアメリカさんの瞳の色がどうも似ている。
『じゃ、また休憩時間な!』
微笑みながら、いつもと変わらないハンドウォーマーを付けた手でこちらにひらひらと手を振っている。
_どうしよう
もしアメリカさんと『+1』さんが、もし仮に、仮定として同一人物なら、僕は同僚に恋をしていたということになる。
いや違う。
僕の中では違かった。
『+1』さんにすぐ恋愛感情を抱いてしまう、ということは…考えたくもないが、心のどこかではアメリカさんのことが好きだったのだろう。
だがあの人とは圧倒的にレベルが違う。友人関係も、任される業務も、人付き合いも、なにもかも。
人付き合いが苦手な僕を哀れんで、休み時間など相手にしてくれているだけだろう。
だけど、もし…『+1』さんとアメリカさんが同一人物なら。
その事で頭がいっぱいで、あまり仕事に手がつかなかった。
家で残りの作業を終わらせる。
カチャカチャ
無機物としか言えないものの音が、部屋に響く。
\ぴろん♩/
別の音が部屋に響いた。_『+1』さんからだ。
(『明日、会ってみないか。』)
コメント
9件
まっっっじで好きです✨️ 連載頑張ってください!!
誤字ありました‼️‼️ 我慢❌ 画面⭕️ です!!ごめんなさい🙏🏻