さあ、最後の試合だ。
「さあ、最終試合!最後のトリを飾るのは……博麗霊夢VS西行寺幽々子!!」
私達は会場の真ん中へ案内される。
最終試合だ。絶対に勝つ!
「それでは皆さん、準備はできましたか?弾幕ごっこ…スタート!」
「……そちらから来ないなら、こちらから行きます!」
幽々子がセンスを持ってこちらへ攻めてきた。
幽々子がセンスをブンブンと振り回す。なんとかすれすれで避けている。
「よっと、こっちも攻めさせてもらうわよ!」
私は幽々子と距離を取り、数枚の御札を放った。
バンッ バンッ
幽々子の目の前で御札は爆発した。幽々子は、無傷だ。
「判決蝶」
私の前に無数のピンクの弾幕が通り過ぎていく。
なんとか避けたが、避けた先にもその蝶はいる。
「夢想望楼(むそうほうろう)」
たくさんの御札と妖気を放つ。
幽々子は器用にセンスを動かしながら、私の弾幕を粉砕していく。
幽々子が急に目の前に現れる。
「っわ!」
ガン!
センスをなんとかお払い棒で止められた。ここは近畿戦に持ち込んだほうがいいだろう。
「はぁっ」
ガン!
流石にお払い棒では無理か……
私は近距離で弾幕を放つ。幽々子は耐えきれず後ろに吹き飛ばされた。
「うぅ……」
幽々子はうめき声を上げた。私と当たる人はいつも怪我をしてしまう。
「ごめん幽々子。申し訳ないけど止め……」
!
私は反射的に幽々子から飛び退いた。
私がいた場所に恐ろしいほどの数の弾幕が放たれた。
「なに……この…殺気…」
幽々子からは恐ろしいほどの憎しみがにじみ出ていた。
ガン!
幽々子が急に見えない速度で近づいてきた。私はその場から飛び退いた。
バァンっ!
地面から無数の弾幕が放たれる。
文たちは、ぽかんとして動いていない。
「これは……本当に本気を出さないとね。」
私はできる限りの妖気を身にまとった。
まずは様子見として御札を数枚放つ。
「……」
幽々子がなにか言った。その声はよく聞こえなかった。
ヒュンッ!
「……嘘…」
私が投げた御札を幽々子が素手で跳ね返してきたのだ。
ありったけの妖力を貯めたはずのに…妖気もたくさんまとっていて、素手でさわれるはずがない。
(今の幽々子、明らかにおかしい。)
「反転蝶」
私の足元が急に揺れ始める。
そこからたくさんの弾幕が出てきた。避けた場所にも弾幕が……
「わぁっ!」
私は弾幕に当たってしまった。なんとか受け身は取れた。
「夢想封……」
幽々子が技を打つひまもなく近づいてきた。
ブンッ!
幽々子がセンスをいつもより器用に振り回しながら近づいてくる。
「あなた…誰?幽々子じゃないでしょう?」
こんなの幽々子なわけがない。幽々子はこんなに上手にスペルカードを使えない。幽々子の技を避けるのに精一杯だ。
「あ……。」
私は幽々子のセンスに当たってしまい、壁に叩きつけられた。
「うぅっ……」
当たったところの骨が折れてしまっていた。
片目も負傷している、前が見えない
幽々子がとどめを刺してこようとする。
(もう、ダメだ……)
私は覚悟を決めた。が、幽々子はいつまで立っても技を打ってこない。
「霊夢大丈夫か?!」
魔理沙の声が聞こえる。
「文、霊夢を安全なところに。」
妖夢が幽々子を睨みつけながら行った。
二人共は、私が危険な状態におちいっていると気づき、すぐに来てくれたらしい。
「幽々子どうして……いいや、お前幽々子じゃないだろう?」
幽々子は沈黙を守り続けている。
幽々子の表情は影に隠れて見えない。
ガキィン!
「うげ、いきなり来たな、サンキュ妖夢。」
魔理沙が空中に飛び上がり、魔法を放とうと準備をする。
「アルタースパーク!」
幽々子にスペルカードを放つ。
「……まじかよ…」
幽々子はセンス一つで魔理沙のスペルカードを防いだ。
「今!」
ガキン! ガン!
「ぐっ……雷切白楼剣!」
幽々子の周りに紫色の弾幕が放たれる。
「半転蝶」
妖夢のスペルカードは、幽々子のスペルカードで粉砕された。
ガキン!
「あっ…」
妖夢が幽々子の攻撃で剣を離してしまった。
(妖夢が危ない!)
「夢想封印桜総録(むそうふういんおうそうろう)」
私は幽々子にスペルカードを使った。
さすがの幽々子も私がスペルカードを放ってくるなんて予想していなかったんだろう。
スペルカードにあたりバランスを崩す。
「今だ!」
魔理沙と妖夢がコクンとうなずく。
妖夢は、この一瞬で剣を取り戻したらしい。
「合体剣一本桜満開!」
「ガーネットスター!」
「もうこの体はだめか…次の体に乗り換えよう。たいした情報も得られなかった。」
幽々子がボソリとつぶやく。
(え?)
バアァン!
大爆発が起きた。
幽々子は無事なようだ。
(さっきのって…もしかして月の都の?)
「うっう…みなさん…」
しばらくして幽々子が目覚めた。私も怪我を治してもらった。
私は幽々子に一連の出来事を話した。
「え、私が…そんなことを?」
幽々子は顔を曇らせていった。
「わ、私そんなことしてません!私、壁に叩きつけられたところから記憶がなくて……」
「ここからが私の考察。幽々子が弾幕に巻き込まれる前に、なんかね、大した情報を得られなかった。って、私は、その声の主を月の都の人だと思うの。」
そして私達は、しばらく話し合ったあと、月の都について調べることになった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!