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「……ッペン!グルッペン!」
「う……」
パチッ……
「オスマンか……」
「トントンは⁉︎」
「トン氏ならずっと向こうで……ハッ!そうだ!トン氏の目の封印を解かなければ!」
そう言って駆け出そうとするグルッペンをオスマンは、止めた。
「な、何をする⁉︎離せ!オスマン!」
「だめだよ!今酷い怪我なんだから!行ったら又衝撃波喰らって本当に死んじゃうよ!」
そう言って何とか止めると、オスマンは焦りを隠せない声で
「トントンに、何があったの?グルッペンがここまで焦るって事は余程の事があったんでしょう?」
「ああ、トン氏は左眼の色が変わっていてな、戻ろうとしている途中、急に痛いって訴えて動けなくなってしまったんだ。動けないとどうしようも無いから、其処でトン氏の左眼の封印を解こうとしたんだが……急に衝撃波で吹き飛ばされて、もう一度行ってみたら更に強い衝撃波で吹き飛ばされて、木か何かにぶつかったんだろうが、それ以降の記憶が無くてな……」
「成程ね……」
二人は沈黙したが、グルッペンは手負を全く感じさせない姿で立ち上がると、歩き出した。
「グルッペン!」
「オスマン、総統命令だ。私から合図したら各部隊へ作戦の最終作戦を行う様指揮しろ」
「……総統命令使われたら逆らえないよ(苦笑)……ハイル・グルッペン」
そう言うとオスマンは大人しく引き下がった。
「ゔ、ゔぅ……は、ぁッ……誰か……助け……て……も、誰でも……いいからッ……」
その時トントンはもっとも助けて欲しかったあの人の声を聞いた。あの美しいバリトンボイスを。
「トン氏ーーー!」
「はっ……グル……さん……?助けに……?」
「トン氏、助けにきたゾ。ここでは出来そうに無い。担ぐゾ。少し我慢してくれ」
そう言うとグルッペンはトントンを担ぎ、走り出した。と、その時。
「ゔ、あっ!」
トントンの額に何かが当たり、弾かれたかの様にトントンが仰反る。それに耐えきれず、グルッペンも前のめりに倒れる。
「酷い総統様ですね。私のお気に入りのJohnを連れて行くなんて」
「元々私の右腕のトントンを攫ったのは貴様らだろう?取り返させてもらっただけだ。例え今のトントンはJohnだとしても、我々と共に過ごした日々は本物で、トントンとしての人間が変わったわけでは無い!」
「よく言いますね。魔王と呼ばれている様な貴方が。彼は今も私の命令に従うんですよ。我々が彼に施したのが、記憶の封印だけだとでも思いましたか?」
「何だと⁉︎トン氏!何をされた⁉︎」
グルッペンが問いかけてもトントンは再び反応しなくなってしまった。そして、
「John、聞こえるか?」
「はい」
「先程の命令は、忘れてないよな?グルッペン・フューラーを殺せ」
その瞬間、トントンの膝蹴りがグルッペンの胴体に炸裂した。
「ガハッ……」
体制を立て直したトントンはグルッペンから離れ、粛清剣を抜いた。