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莉瑠が救われる時間は、食事の時間と入浴だっ
た。30分で出なければならないが、シャワーを浴
びるとリラックスできた。
(どうしてわたしの思考はまともじゃないんだろ
う?考えることしかわたしには言葉がないのに、
どうして?)短期大学での課題は、文字が支えて
くれた。本当にそれだけだった。頭の中で考えよ
うとしても、うまく考えられない。
入浴を終え、病室へ戻る莉瑠。美咲とすれ違っ
た。「莉瑠さん、今日はいろいろ話してくれてあ
りがとう、ゆっくり休んでね」莉瑠は今日初めて
美咲に話すことができたのだった。「はい、お話
を聞いてくれてありがとうございました」莉瑠も
お礼を言った。
あとは、もう歯を磨いて寝るだけ。けれど美咲に
話せたことで莉瑠の心は楽になっていた。
もう子供の頃にあった空想力も莉瑠は失い、知性
しかない。いつも得体の知れない精神症状に悩ま
されながら、日々を送ってきた。「それじゃあゆ
っくり休んでね、莉瑠さん」美咲はそう言って、
歩いて行ってしまった。「あの女の言う事なんか
聞くな、わたしの言う事を聞け」幻聴が莉瑠に命
令する。「お前の言うことなど聞くもんか」莉瑠
は幻聴に言い返した。
(ああ、やっぱり治らないの?)莉瑠は幻聴が聞こ
えたことにがっかりした。
その夜は、それでも、それ以降幻聴は聞こえず莉
瑠は眠りについた。
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