テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
《蓮・俺もシャワー浴びてくる、》
立ち上がろうとする蓮の腕を、真都が後ろから抱き締めて止める。
大きな腕にすっぽりと包まれて、動きが封じられる。
《真都・やだ、まだ蓮くんの匂い消さないで》
低く甘い声と、耳元にかかる熱い吐息。
シャワーの蒸気よりも熱く感じて、蓮は肩をすくめた。
《蓮・……そんな顔されたら断れないだろ》
小さく笑って、真都の腕に手を添えたまま座り直す。《真都・なら俺が洗ってあげる♡》
耳元で囁きながら、真都は蓮の手を引いて立たせた。
大きな掌が自然と蓮の腰を包み込み、そのまま浴室へと導く。
《蓮・……なんか嫌な予感しかしない》
そう口では言いながらも、真都の温かい体温に引かれるように素直についていく。
《真都・大丈夫、ちゃんと優しくするから♡》
笑いながらも、その声はどこか獲物を見つけた捕食者のように甘く重い。
《真都・ッ久々で忘れてたけどお風呂って汗でるからか蓮くんのフェロモン凄い、、》
蓮の背中を撫でていた手が、いつの間にか腰骨に沿って下りていく。
浴室の湯気と混ざって、濃く甘い木蓮の香りが真都の鼻腔を直撃する。
《蓮・…そんなに?》
振り返ろうとすると、すぐ後ろに真都の顔があって、鼻先が蓮の首筋に触れた。
《真都・ん…♡ 直接嗅ぐともっと凄い。頭ふわふわしてきた》
吐息が首にかかって、蓮の肩がわずかに跳ねる。湯気の中で、真都の瞳がだんだんとトロンととろけていく。
その変化に気づいた蓮は、ふっと柔らかく笑って大きな手で真都の濡れた髪をゆっくり撫でた。
《蓮・…マイ、落ち着いた?》
低く優しい声に、真都はゆるく頷き、額を蓮の肩に預ける。
湯とフェロモンの香りが混ざった空間で、蓮は背中から腕まで、丁寧に撫でるように手を滑らせていった。
「大丈夫だよ」と言わんばかりの、包み込むような撫で方。《真都・ん、蓮くん洗うの》
そう言って真都は、蓮の腰にぴたりと体を寄せたまま、泡立てた手を蓮の肩から胸、腹筋へとゆっくり滑らせていく。
蓮は少し照れくさそうに笑いながらも、されるがまま。
《蓮・…なんかくすぐったい》
《真都・我慢して♡俺がきれいにしてあげる》
指先が肋骨のラインをなぞるたび、蓮の体がわずかに跳ねる。
真都はその反応を楽しむように、優しくも少し意地悪な手つきで洗い続けた。
湯気の中、真都はフェロモンに当てられて目元がとろんとしながらも、ニコニコと嬉しそうに蓮の胸を撫で洗っている。
その表情は、完全に「大好きなαを甘やかしてるΩ」の顔。
蓮はそんな真都を見下ろしながら、胸の奥がズキンと熱くなる。
(…これ、違う意味でヤバい)
《蓮・…マイ、そんな顔で洗わないで》
《真都・え?〔笑〕なんで?》
《蓮・…我慢できなくなる》
真都はくすっと笑って、泡のついた手で蓮の腰骨を撫でた。
蓮の喉が、ふっと鳴る。