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雨の夜。



「ゴラァ萬田ぁ!はよ出てこんかい!借りたもん返せぇ!」


「萬田ぁ!盗っ人ぉ!」


ドンドンドン!!!


「はよ出てこんと…」


ガラガラ…


「なんやお前らぁ!!」


「な……それはこっちのセリフじゃい!ガキなんかに用はあらへんのじゃ!

はよ親父出さんかい!!」


「父ちゃんはおらん。母ちゃんもいてへん!俺だけや!分かったらはよ帰らんかい!この外道が!」


「人の金、返しもせんと生意気ほざくなこのクソガキがぁ!」


バキッボコ!


「く……殴ったな?お前らこれ傷害罪いうのに当たるんと違うんか?」


「な、なんやとぉ!舐め腐りやがって!減らず口黙らしたる!」


ドコッ!


「ち…ちょっと!なんやのあんたら!」


「………くっ。」


「なんや…また生意気なガキが湧いてきよったのぅ」


「わ…私、あんたらが萬田くん殴ってるとこしっかり見たで!!!

萬田くんが何したか知らんけど、大の大人が子供殴ってイジメるやなんて卑怯やないの!」


「べちゃくちゃとうるさいガキ共やのぅ…!

大人舐めとったらもっと痛い目あわすぞ!」


「米原やめんかい!ワシのことはほっとけ!」


「ほっとかれへんわ!

あんたら私の事も殴ったらええやないの

そやけど、その足で警察行って、萬田くん殴った事も洗いざらい訴えたる!

それでもええやんやったら…私の事殴ってみぃ!」


「な…このクソガキが!

この次来たときは覚えとけよ!

萬田ぁ!親父にはよ金用意せんと承知せえへん言うとけ!」


「おい…行くぞ!」


サッサッサッ…


「はぁ…はぁ………。なんやのあいつら…

ま…萬田くん!大丈夫?」


「クソ…何しにきたんや…

余計な事せんでええ!」


「何よ!余計な事て…私はただ!最近萬田くん学校来てへんし…学校からの連絡やらなんやら預かりもん届けに来ただけや!」


「ほんだら余計な事せんと預かったもん置いてさっさと帰ったらええんや!」


「同級生が殴られてるとこ見て知らんふりして帰るなんて出来るわけないやろ!?」


「だからそれが余計な事なんや!」


「なによもう!なぁ…萬田くんが最近学校来てないのって…あの人らのせいなん?借金…とか言うてたけど…」


「そないなことお前に関係あらへんやろ。はよ帰れ。」


「嫌や、帰らへん。」


「帰れ!」


「あの人ら追い返したんこの私やで!?

ちょっとくらい何か話してくれてもいいやんか!」


「誰も追い返してくれて頼んでないわい!

お前ほんまに頑固なやつやな…」


「頑固なんはそっちやろ…

なぁ?ちょっと二人で話せえへん?

近くの公園で!好きなジュース奢る!」


「………。」


「な?ええやろ?ええやんな?

ほな行こ!立てる?ほら、手っ!」


「ん…自分で立てるわい!」


「もう…萬田くんほんま頑固なんやから…」


雨が降りしきる中、2人は近くの小さな公園へ向かった


キィーコ…

キィーコ…


「萬田くんブランコ乗らへんのー?」


「乗らへん…」


「なんやノリ悪いなぁ…

家でもずっとそんなぶっきらぼうで怖い顔してんの?」


「家も外も関係あらへん、ワシはずっとこうや」


「学校にいてるときもいつもクールやもんなぁ、萬田くんは。」


「それどういう意味や?」


「どういう意味もこういう意味もないよ。なんか謎めいてるよな萬田くんって」


「………。ワシのことなんて別に誰も知りたないやろ。話す気もあらへん。」


「えぇーそんな事ないよ?少なくとも私は萬田くんの事もっと知りたい!」


「……。お前もさっきの見たやろ。ワシみたいなんに関わったら厄介な事しかあらへんぞ」


「厄介かぁ…私の家も相当厄介な事だらけやけどね〜 同じやね ふふっ。」


「……。なんか…問題でもあるんか?」


「あれ?萬田くん…知らんかった?

私な……めかけの子やで? 近所でも学校でも噂されてるし、みーんな知ってる…有名な話やから萬田くんも知ってる思てた!ははは!」


「………。どうせワシのこともそのうち学校や町中で噂されるようになるやろ…。他人の不幸話は蜜の味や…」


「ほんまにね………。 私な…その事で学校でいじめられてんねん。はは…。

だからさっき殴られてる萬田くん見て、なんか………こう…凄い腹立って…ほっとかれへんかったんよ!」


「米原…。」


「だって!萬田くんは何にも悪い事してへんやん…!親のせいで怖い思いして…一人で取り立て屋に立ち向かって、痛い目におうて…そんなんおかしい!大人は逃げてばっかやし…皆ずるいわ…!」


「そやから…子どもやから言うて舐められたらあかんのや…。ずるいやつらに負けへんようにワシがもっとずる賢うなって強うならなあかんのや」


「やっぱり萬田くんは強いわ…私なんかアホやし…全然あかんわ……。」


「さっきみたいなこと…なかなかできるもんやない…だからお前は全然あかんことなんか……ない」



「萬田くん…ありがとう!こんな事誰にも話されへんかったから、なんかすっきりしたわ!そや!明日もここで2人で話そ?」


「え………?」


「ほら!ジュースも奢ってあげたんやから!

明日、今日と同じ時間にこの公園で待ち合わせな?」


「そんな勝手な…」


「絶対やで!約束破ったら今日の分の手数料とジュース代取り立てに行くんやから!」


「なんちゅう奴や…分かった…また…明日な。」


「やった!ほなまた明日ね!」


「おう。」


次の日。


米原は待ち合わせ場所に姿をあらわさんかった。それどころか、その日を境に米原は町から姿を消した。







ミナミの鬼の恋慕

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