テラーノベル
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それからも、渡辺はチラチラと眼鏡の方を気にしてばかり…
「ねぇ、コーヒー飲む?」
「飲む!」
「了解」
俺が、コーヒーを入れている間もチラッと眼鏡を気にしている
『もしかして…今日、ずっと翔太が見てたのって…俺じゃなくて、あの眼鏡…?』
仕事場で、目黒といる時も…ここに来る車中でも…
ずっと俺が意識されているものだと思って、喜んでたのに…
それも俺の勘違い?
『確認せねば!』
渡辺の興味を惹くのは、いつだって自分であって欲しいと思う
たとえ、その相手が眼鏡であっても…
『よし!』
俺の、独占欲に火が付いた
「はい、お待たせ〜」
「ん、ありがとう」
2人揃ってコーヒーを飲む
渡辺は落ち着くのだろうか…ソファーに座らず
そのすぐ下の、床に座ってソファーに背もたれの様にして寄りかかる
それを俺も真似して、その横に
「………」
満足げな顔をして、食後のコーヒーを楽しむ
渡辺の目の前のテーブルには、俺が外した眼鏡があった
「………」
視線を気にしつつ、ソッと眼鏡に手を伸ばすと
「!」
コーヒーのカップを持ったまま、渡辺の視線がそれを追う
「何?」
「いや…なんでもない…」
気付いていないと思っているのか、フッと目を逸らすが
俺は、それも気に入らない
「そう?」
「うん…」
平静を装って眼鏡を元の位置に戻すと
やはりそれを横目で追っているのに気付いた
正直言って、面白くない…
「ねぇ、翔太…」
持っていたカップを奪って、テーブルに置く
「お邪魔しますよ〜」
自分もカップをテーブルに置き
渡辺が座っている、すぐ上のソファーに座って
その身体を引き上げる
「ちょっ…何///」
俺の身体に包み込まれる状態となった渡辺が
照れ隠しの様に、軽く抵抗してみせるが
その顔は、耳まで赤い
「触れたくなったの…」
そう言って後ろから抱き締めると
抵抗が止み、背中を俺に預けてくれる
「////」
「翔太…」
朱色に染まる耳元で
ソッと名前を囁いてみると
「んっ…」
小さな肩が、ピクリと揺れる
「ちょっ…耳元はダメだって…///」
抱きしめたまま手を握ったり
首筋にキスをしたり…
背後から耳朶を咥えた時には、流石に抵抗されたものの
ユックリと、甘い時間が過ぎて行く…
コメント
2件
甘くて最高〜♪