【アベ視点】
……なんでこんなことに?
「宵崎さんは今日来てないよ。休み。」
七海ちゃんのクラスに顔を出したら目の前に女子の軍勢。僕なんか悪いことしました?
「何吹き込んだか知らないけど、宵崎さん優しいんだから。」
話がぜんっぜん読めない!僕今怒られてる?!ってか、
アベ「七海ちゃん、休みなんだ…」
「あんた達がなんかしたんじゃないの?」
センターに立つ、多分大ボスみたいな子が声を少し震わせながらそう聞いてくる。
なるほど、僕らみたいなヤンキーとつるんでる七海ちゃんを心配してるのかぁ。
まぁ、それもそうだよね。たしかに七海ちゃんは優しいから、僕らに言い寄られたら断れないって思われてもおかしくないか。でも断られてはいるんだよなぁ〜。ねろちゃんとかめっちゃ避けられてたし。
「付き合ってないのよね?じゃあ付きまとわないであげてよ。あんたが来る度ちょっと宵崎さん怯えてるの。」
アベ「ごめんね、そうだよね。でも僕らも引けない理由があるからさ。とりあえず今日休みなら僕は帰るね」
友達思いのいい子たちだなぁ。
七海ちゃん休み、昨日のこと関係してなきゃいいけど。
めーや「あ、休みなんだ」
アベ「うーん、昨日のこと関係してないよね…」
昼休み、いつもの4人で集まって話をする。そんな折、ねろちゃんがこんなことを聞いてきた。
ねろ「なんで宵崎のことそんな気にしてんの?」
1番気にしてるのあなたですけど?!と言いたくなるのをギリギリでこらえて。てかあんたのためだけどね。
ほんとに自覚してないんだ。すごいよ、天然記念物だよこんなん。
プテ「えっ、だってねろty((ングッ」
核心づいたことを言おうとしたプテさんの口を塞いで、ねろちゃんに笑いかける。
アベ「ここまできたら引くに引けないじゃん?虐待されてるって気づいちゃった以上助けたいし。」
ねろ「あぁ、そういうこと」
めーや「そ、そうそう!」
なんで?という顔をしてくるプテさんに、自覚してないのに僕らが言ったら意味ないじゃん、と耳打ちし、弁当の蓋を開ける。
アベ「なにこれ嫌がらせ???」
めーや「アベママぶちギレ定食で草」
弁当箱の中には紙切れが1枚、
『自分で買って食べてね♡』
と書いてある。ちょっと遅くなっただけでキレすぎじゃない?
プテ「お金も入ってないw」
ねろ「何したのアベ」
アベ「昨日帰るの遅くなったの。購買行ってくる」
屋上から階段をおり、購買への道を歩く。なんだかんだ言って購買って2、3回目くらいじゃね?
なに買おっかなぁ、何が残ってるかなぁ。うちの購買早く行かないと売り切れてそうで怖いんだよなぁ、無駄に生徒多いから。もしなんもなかったらコンビニまで走るかぁ〜。あれ、購買の前に誰かいる。この子確か…。
アベ「あ〜、ども〜。」
無言でこっち見ないでこわ〜い(棒)
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