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⚠この小説は文豪ストレイドッグスの夢小説です画像、文章の無断転載・使用はおやめください

原作、また実際の文豪さんとはなんの関係もありません

荒らし・パクリはお控えください

以上が大丈夫な心が広い方はお進みください

















「シグマさぁぁァァァァァん」

今日も少女の声が彼、シグマのもとで響く。

高校に通ってても、下手したら中学生でもおかしくない外見と、触れたら消えてしまいそうな儚げな雰囲気に反し、少女は今日もシグマに愛を伝える。

なお他の客に迷惑がかからないように小声である。

少女いわく、「は?推しに迷惑がかかるとか万死に値するが????」とのことだ。

何を言ってるのかわからない。

こんなはた迷惑な客を追放しないのには訳がある。

この少女、こう見えて大企業の会長なのである。

いくら治外法権といっても彼女が睨みを聞かせたら客が大幅に激減する。

それは計画にも支障が出る。

もちろんシグマは我らがドストエフスキーにも相談した。

「害はないですし放っておいたらどうでしょう」

ドストエフスキーはそう、返した。

ドストエフスキーは悪魔のような笑みを浮かべていた。

絶対楽しんでる。

シグマは察した。

仕方ないのでシグマは諦めた。

シグマが近づくとひたすら褒めるだけで特に害はないし、金もたくさん卸してくれる。

本人いわく「推しに課金できるとか最高か????」とのことだ。

何を言ってるのかよくわからない。

シグマは彼女を珍獣だと思うことにした。


**


少女は今日も今日とて賭け(推し活)をしている。

さて、これを読んでる読者諸君(シグマ狂い)には興味もないであろう少女の生い立ちを話そう。

少女は転生者であった。

少女が思い出したとき、こう叫んだという

「推しに課金できるじゃん!!!???」

最愛の娘が狂ったと父親は精神科の受診を決めた。

それから少女は走った。

すべては推しに貢ぐため。

ひたすら勉強をし、ひたすら美容を学び、ひたすら体型維持をした。

父親は娘の変化に喜んだ。

そしてついに、天空カジノが出来る時間まで至ったのだ。

父親を押しのけ会長の座までのし上がった少女に敵などない。

自身のマネーをつぎ込むまでだ。

野心家にメガシンカした娘を目の当たりにして父親は涙した。


**


「今日も麗しいですね!本日のお布施です!」

「なにをいってるんだ君は…」

ハイテンション気狂いは今日も今日とてシグ虐をする。

一応お客様なので敬語は崩さないシグマに少女は天に登るような心地に浸る。

「なぜ、私に付き纏とう」

シグマの疑念はただ一つ。

利用しようとしているのではないか。

「好きだからです。」

少女はこれはシグマへの愛を言葉を紡ぐチャンスだと悟る。

「あなたが好き。クッキー好きな可愛いところも、努力家なところも、その髪型も瞳も頭の先から爪先まで愛してる」

そう、語る。

まるでそれが常識のように。

それは嘘偽りないと信じてしまう不思議な説得力があった。

普通の人間なら重すぎて引いてしまうだろう。

だが、そこはシグマだった。

シグマは常日ごろ愛に餓えていた。

そこに現れたひたすら愛を注ぐ少女。

いくら珍獣だと思っていても、惚れてしまうのは無理ないだろう。

彼女なら、自身を受け止めてくれるのではないかと期待してしまうのも無理ないだろう。


**


さて少女は原作厨でもあった。

「展開は壊さないようにしたいと」

そして少女は目の当たりにしてしまう。

自身を優しく、そしてどこか期待の眼差しでみるシグマを。

彼女は思う。

あ、原作壊しちゃった。

ノリが軽い。

幸い敦が襲来するまではまだ時間がある。

どうにかして正しい(彼女が望む)シグマ

に戻さなければ。

「あ、こうしたらいいんだ」

少女は微笑む。

まるでそれが正しいように。


**


「なんだ。屋上まで呼び出して」

風が吹き荒れる屋上。

そこに佇むのはまるで精霊のように神秘的な容姿をした少女であった。

絹のように美しいと長い髪がたなびく。

「私が愛したのは貴方ではない。私が愛したのは孤独なあなた。」

そう、ふっと笑うと少女は静かに1歩踏み出し奈落へと落ちていく。

そしてシグマは悟る。

彼女が愛したのは自分ではない。

彼女はただ、愛する偶像が欲しかっただけなのだろう。

シグマの頬に水滴が流れる。

それは無情な彼女のように勝手であった。






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