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『BLACK cat school』〜スクールライフは恋と波乱!?〜
ハナマルの時間 我慢の限界を
『体育祭最後の種目!借り物競走!選手の皆さんは準備をお願いします。』
そして、私の前に立つ彼。
(私…私が選ぶのは――。)
『ハナマル…?』
『華、今は生徒と教師で接する。俺と一緒に来てくれ。』
『え……』
『今はって言うか……卒業するまではな。』
『……。』
(ハナマルのことだ。きっと卒業するまで私に手は出さないだろう。)
ハナマルの手をぎゅっと握る。
『あの、ハナマル、私…』
『ダメ。』
ハナマルは、私の唇に手を当てる。
『男から言わないとかっこよくないだろ?』
ハナマルは私に跪く。
『好きだ。華。俺の未来のお嫁さんになってくれ。』
そう言って私に花束を渡す。
『嘘…っ。』
『いや〜こういうのは苦手なんだけどな。受け取ってくれるだろ?』
『うん、うん…っ。』
私は涙を流す。
『好き、ハナマルが大好き…っ。』
『俺もだよ。じゃあ俺と一緒に行こ。』
ギュッと手を強く握り返し、ゴールまで走る。
離したくない。この手を。私を包んでくれる
暖かい温もりを。
数日後。
『……。』
『……あの、華?』
『ん?』
『俺たち付き合ってるんだよな?』
『うん。そうだよ。』
『…学校でイチャイチャとかしない訳?』
ここは2年A組の教室。私とハナマルは教室の掃除をしていた。
『ハナマルが言ったんだよ?卒業したらって。』
『そーだけどー…。少しくらいさぁ…ねぇ?』
『…だから2人きりになれる教室を選んだんだ?』
『ギクッ。目敏いな。まぁ教師が教室で生徒と2人はまずいから掃除兼補習ってことにした。』
(悪い教師だな。)
『じゃあ少しだけ…なら。いいよ?』
『……それ本気で言ってるの?俺、遠慮しないけど。』
『っ……。』
『もちろん、許容範囲…で。』
『わかった。』
ハナマルはゆっくり私に近づいた。
『っ…。』
ギュッ。
ハナマルは私を抱き締めた。
『…華の香り…落ち着く。』
『そ、それは良かった。』
(ハナマルの…抹茶の香りがする。)
『っ、もう、これ以上は…///』
『えー?そんなんで大丈夫?卒業したら…もっと凄いことするのに。』
『っー!』
ボスっ!
ハナマルの頭をポカポカ叩く。
『いたたたっ!!』
(ったく。可愛いなぁほんと。)
数年後――。
卒業式。
『卒業おめでと、華。』
『うん!』
『…あ、華。桜が頭についてる。』
『ん?』
『……。』
俺は髪に触れる振りをして唇にキスをした。
チュ…ッ。
『ぁ…。』
『…卒業おめでとさん。そして俺のお嫁さん。』
『っ……。ずるい。』
『何年我慢したと思ってんだよ。まぁこれからは我慢しねーけど。』
『バカ!!』
今も、未来も。ずっとあなたの傍にいるよ。
生徒として、お嫁さんとして。
𝑯𝑨𝑷𝑷𝒀 𝑬𝑵𝑫__
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