この作品はいかがでしたか?
59
この作品はいかがでしたか?
59
リクエストの人間冬弥×妖狐彰人の冬彰です。死ネタになってしまった…
地雷さん逃げてください!!リクエストくれた方も死ネタ等地雷でしたら読むの遠慮しといた方がいいと思います>< 待たせといてこんな出来ですいません…
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
彰人が狐になる夢を見た。…いや、違うな、実は彰人が狐だった夢を見た、の方が正しいかもしれない。夢の中の彰人は触れる距離に存在するのに、何故だか俺は狐の彰人に触れることは出来なかった。彰人は、狐は狐でも、変身して人を惑わす「妖狐」であるという。
俺の事を騙したからには死ぬしかない、とのことだ。
俺は心底戸惑った。
彰人が自分のせいで死ぬなんて。自分を今の自分に導いてくれた恩人が死ぬなんて、好きな人が死ぬなんて。とても耐えられることではなかった。
まぁ、全て夢の話なのだが。夢に恐怖を覚えるだなんて何年ぶりだろうか?
しかしながらも、その存在自体が不思議な「彰人」にもう一度会って話をしたい、なんて心のどこかで思ってしまっている。彰人の死なんて、考えただけで泣くことなど容易に想像できてしまうのに。
…現在夜中の2時半、そんなことをぼんやりと考えていた。
不安で仕方がなかった。今すぐにでも彰人に会いたかった。この話を彰人にしたい。
彰人に確認を取りたい。彰人が狐なのも、俺を騙した代償に死ぬことも、全て夢だと。
…ただの夢、だよな。
┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈
『は、俺が狐だった夢?』
「あぁ」
『何がどうなってその夢に行き着いたんだよ…』
「…夢の中の彰人は、狐は狐でも、変身して人を惑わす「妖狐」というものらしい」
『ようこ…?初めて聞いたな』
「俺も知らなかったのだが、夢の中で彰人が言っていた」
『へー、夢の中のオレは物知りなんだな』
「彰人は要領がいいから、やる気さえ出せば…」
『へーへー。それで?その妖狐がどうしたんだよ』
「…すまない、話を戻す。…彰人が妖狐の術を使って俺を騙していた代償に」
『代償に?』
「…死ぬ、らしい…。」
しばらく沈黙が続く。先に口を開いたのは彰人だった。
『…ふは、おま、オレが、死ぬとか…、信じてんの…w』
「恋人が死ぬなんて、深く考えすぎてしまうのは当然だ。…む、笑わないでくれ』」
『正夢になるかもな』
「ん、んな…!?怖いこと言わないでくれ…!」
『んな拗ねんなって。笑って悪かった…w』
「やはり笑っている…」
『ん、でも、心配してくれたんだろ?』
「まぁ、な、…」
『さんきゅ、すっげー嬉しい。ありがとな?』
そう言いながら頭をわしゃわしゃと撫でられる。若干俺よりも身長が低いのと、その可愛らしい童顔故か、すごく幼く感じた。童顔なのを彰人は気にしているらしく、このことを彰人に伝えると謝らないといけない羽目になってしまうのを俺は知ってる。
人を騙す妖狐なんて、よくよく考えてみると有り得ない話だ。彰人には格好悪いところを見せてしまった。
いつもと変わらない放課後、そして明日は休日である。
彰人が前から行きたがっていたパンケーキ屋にも興味があった。是非彰人と行きたい。
そんなことを思いながら前へ踏み出した。
1歩、2歩、3歩、4歩、…
何歩目か数えていなくなった所で、彰人が後ろを着いてきていないことに気が付いた。
「…彰人?」
後ろの彰人を見ると、さっきの場所から少しも動いていない様子だ。
「彰人、帰ろう。」
もう一度、彰人に呼びかける。
『…ん、おう、悪い。帰ろーぜ』
そう言いながらこちらを向き直した彰人の瞳に、窓から差し込んだ夕日がギラリと反射する。透き通っているオリーブ色が、真っ赤に燃えているようにも見えた。
だが、それはほんの一瞬のこと。何もおかしいことではない。
あの夢のせいで日常生活の動作一つ一つに敏感になっているだけだろう。
いつもと何も変わらない通学路を他愛のない会話しながらただ歩く。
そんな俺には、目を瞑っているドライバーが乗った大型トラックが、こちらに突っ込んでくるのを見た。ふわふわとした橙色の髪の毛が頬に当たったのを感じる。
ドンッ、という鈍く大きい衝撃音と共に、1人の男子高生が倒れていくのを目の当たりにした。服や髪は赤にまみれている。その表情は、心做しか穏やかで幸せそうな。
そんな表情だった。
「正夢になるかもな」。
? ? ?
えなんかほんとにすいません、は?
コメント
2件
とても最高でした! こんないい作品を作ってくださりありがとうございます!