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「…あ、いや、」
さっきから、先生がおかしい。
私のお母さんの写真見せただけで、まるで知ってるような顔をする。
『…知ってるんですか?私の母。』
「……。」
『…言ってください、怒りませんから。』
「俺が恋した先生、姫野の母だったみたい、 」
思考が止まった。
渡辺先生は、私のお母さんのことを好きになったの、?
意味、わかんないよ、、。
「……わるかった、!」
『…優しいでしょ。私のお母さん。』
「え、?おう、すごく。」
『可愛いでしょ。真面目でしょ。かっこいいでしょ。不人気だったでしょ。』
「…、、。」
自分でも、頭が追いつかないよ、笑
私は、私のお母さんを好きになった人に恋してるの、?
今、一緒に話してるの、?
『悲しそうな目、してたでしょ。辛そうな顔だったでしょ…。』
『泣きそうだったでしょっ……、泣』
「悪かった、ごめん、」
『…ちがう、、』
『いいんだよ、、泣』
「…俺のせいだよな、、」
『…ううん、。ありがとうございますっ、』
「…なんでっ、、」
ありがとう 、 先生。
お母さんね、楽しそうだったよ。先生のお陰。
毎日、笑ってた。先生が、そうしてくれたんだね。
感謝だよ。先生。
『…お母さん、楽しそうだった…。』
「……えっ、、」
『…付き合ってたんでしょ、?母と、』
「…うん、。ごめん、」
『…ううん、わかってたからっ、。』
『、お母さんは、好きな人いるって、』
やっと、整理がついた。
先生は、私が、先生が好きだった人の娘だから近づいた、って思ったけど、
違うんだ。
『…お母さんを、好きになってくれてっ、』
『…ありがとうございました、、泣』
「……おう、。」
・
それから、沈黙が続いて、デザートが来て、
黙って食べて、ちょっと経った時、
『…雨、やみましたね。』
「…出るか、」
『お金は、払いますんで。』
「いや、いいんだよ。」
『…感謝として、やらせてください、笑』
「…ありがとな、笑」
なんとか、変な空気ではなくなった。
私が、先生のことが嫌いになったとかは、絶対ない。
こんな素敵な人絶対いないもん。
お母さんも、出会えてたんだね。 この人に。
お母さん、今私、お母さんと同じ人好きになっちゃったよ、笑
先生と生徒の恋、経験してたんだね。
「あ、今日車じゃないわ、」
『いいですよ笑電車で帰ります。』
「駅まで送るわ。」
・
『先生?』
「ん?」
『気にしなくていいですからね。』
「ふふっ、上からだな、笑」
『いーじゃないですか、笑』
・
「じゃ。またな。」
『…はい!またです。』
「あ…雨降ったら嫌だからほら。傘持ってけ」
『…私、ビニール傘嫌i………』
先生が渡してくれたのは、
ビニール傘じゃない。
真っ青な青色の折りたたみ傘だった。
覚えてくれてんじゃん、先生。
『ふふっ、はい。』
「あ、明日返してくれればいいから」
『はい!笑』
「じゃあな。」
・
私は、気づいてなかった。
“明日”は月曜日だよ?笑先生。
明日、会いに来てよ。言っちゃったんだから。
コメント
7件
うわあああん スゴガッタ😭😭😭😭(´;ω;`)
親子なの尊(´・ω・`)