テラーノベル
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月が照らされた村は
川のせせらぎと鈴虫の音色が響くだけで
まるで世界の人々が消えたかのような静かさで包まれていた
「そろそろ着くよ」
そんな心地よい夜に魅了されていたら
いつの間にか着いていた
「…ここ?」
「そうだよ」
目の前には大きな門が建っていた
ぎぃぃ…と木が軋む音が響く
ゆっくりと開いた門の奥には、
長く続く道と、左右には昔ながらの中庭が広がっていた
川の音、木々が揺れる音、下駄の音
何だかこれから凄いことが起きるような予感がした
「す、すげぇ…」
「ここがレトさんの家なのか?」
「ふふ、そうだよ」
はにかんで笑った顔に、つい顔を背けた
そして、大きな蔵造りの前に着く
がらがら…と戸を開ける
「「おかえりなさいませ」」
そこには、着物を着た2人が正座をして頭を深く下げて待っていた
「ただいま」
その2人を優しく微笑みかけながら、なにかとても大事そうに見つめていた
「もう下がっていいよ」
「「はい」」
もしかしたら、とんでもないところに来てしまったのかもしれない
少しの不安が宿る
「…?あ、そうだよねごめんごめん笑」
「ここにはたくさんの人を雇っているんだ」
「そうなんだ、なんかすごいね…」
非日常過ぎて頭が追いつかない
「とりあえず疲れてるだろうから、お風呂入っておいで」
「…!お、お風呂!」
「い、いいの?」
「ふふ、当たり前だよ。」
「今日からここで暮らすんだ」
「早く慣れてもらわないとね」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「ふぅーーー」
かぽーん
「久しぶりに入ったぁ…」
「きもちぃー…」
家を追い出されてから、お金が無くて水で身体を洗っていた
慣れていたから大丈夫だったけど、
「これじゃあ、もう水はかぶれないなぁ笑」
一度お湯に浸かってしまえば、もう身体がいうことをきかないだろう
「それにしても…」
「ほんとに何者なんだ?」
こんなに立派で大きい屋敷に住んでいるし、雇い人もたくさんいる
もしかしたら物凄く偉い人なのでは…?
やばい、どうしよう、
なにか口を滑ったら、生きて帰れないかもしれない、、、
…
「いや、そんなことはねぇな」
あの微笑んでいる横顔を見たら分かる
優しい人だと滲み出ていたから
「よし!」
ばしゃっと音が響く
「これからここに住むんだ。」
「お役にたてるように頑張らなきゃな!」
俺は身体を素早く拭き、髪の毛を犬みたくぶるぶると震わしてお風呂を出た
「えーと、?ここは」
「こっち行って、、そこを右に曲がって、」
「あれ?こっち左だっけ?真っ直ぐかも、 」
やばい、完全に迷子だ
しまった、行く時に覚えながら行けばよかった
「うぅーどーしよ」
「ふふ、迷子かな?」
横からすっと影がでる
ぱっと顔をあげるとレトさんが微笑みながらこちらを見ていた
「れ、レトさん!?」
「なんでここに…」
「絶対迷子になってると思って来てみた」
あぁ、絶対優しい人だ
こんなにいい人にあったことがない
「…ありがと」
何故か泣きそうになった
「ほい」
何故か手をこちらに出してきた
「…?な、なに?」
「えっ?!手!繋ぐよ!」
「え、なんで…?」
「もー!いーから!」
「ほら!行くよ!!」
「わわ!ちょっ、」
手をぐっと引っ張り、小走りで廊下を渡る
ちょちょちょちょちょ///
えぇぇえ!手、、手繋いでる!
、、、、
「柔らかい」((ボソッ
俺より少し小さくて、でも男の人の手
目線を上にやれば、髪がサラサラと動き
どこか楽しそうだった
「ほら!こっち!」
そういって後ろを振り向く
「、、、、っ!?」
なんだ、なんか凄く心臓の音がうるさい
知らない、こんなの知らない
でも確かなのは、振り向いた時の笑顔を
ただ守りたい
一緒に居たい
そう思った
俺は少し握る手に力をいれた
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
#キヨ受け
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