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不眠症

1 - いつもと変わらない日常、それは

♥

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2024年01月05日

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※この作品は作者が趣味で書いているため不定期更新です。ご了承ください。

ニーゴとはまだ出会っていない時のまふゆが主人公です。中等部の頃です。








お母さんの笑った顔が好きだった。

みんなの喜んだ顔が嬉しかった。


「まふゆ、また100点を取ったの? すごいわね、さすがだわ!」


「まふゆちゃんありがとう!助かったよ!やっぱ頼りになる~!」


みんなが嬉しそうな顔をすると私も嬉しくて、もっと頑張ろうと思えた。

でも…いつからかそれは

しないといけない、して当たり前のことになってしまった。










不眠症











ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ ピ…

❄「ふぁ…。もう朝か…。」


私はアラームを止めてベッドで背伸びをする。


❄「んん~っ…。はぁ。起きようかな。」


カーテンの隙間から漏れた光を見て少し憂鬱になる。



“いつもと変わらない日常”



それはみんなにとって幸せなものなのかもしれない。

でも私にとって退屈なもので、ただただ毎日同じことを繰り返しているだけ。

何が楽しいのかがわからない私にとっては意味がないもの。それが私の




“いつもと変わらない日常”




❄「…私って何のた─────。」


そう言いかけてやめる。それは思っても言ってはいけないことだから。


昨日、予備校の宿題をしていて睡眠時間が削られたから疲れてるのかな。口に出てしまうなんて。



❄「…ご飯食べないと。」



私は1階に降りる。母はもう朝食の準備をしていた。


「あら、おはようまふゆ。昨日はよく眠れた?」


❄「…うん!お母さんがホットミルク入れてくれたおかげで、ぐっすりだったよ。ありがとう、お母さん。」


「ふふ、それはよかったわ。さ、顔を洗ってらっしゃい。」


❄「はーい!」



私は洗面所の鏡の前で自分の表情を確認する。

…うん、大丈夫。上手く笑えてる。


でも少し、目の下にくまがある気がする。コンシーラーで隠せるかな。



顔を洗い、私はリビングへ向かう。

テーブルの上には料理が並べられていた。


「今日は定期テストがあるんだったわね。帰ったら美味しいもの、作って待ってるわね。」



❄「ありがとう、お母さん。私頑張ってくるね。」


私はイスに座る。


味がするはずの料理を食べながら笑顔で会話する。これも───。



❄「それじゃあ行ってくるね。」


「ええ、気をつけてね。」


母が玄関まで来て私を見送る。

私が見えなくなるまで手を振っているようだ。

私も笑顔で振りかえす。でもそこにはなんの感情もない。



…。

あぁ、やっぱり何も感じないな。








私って何のために生きているんだろう。


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