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サイド ルネ
生徒会室にて、俺は大量の書類を整理していた。
「会長!これ、追加の書類です!」
ドンっ!という大きな音とともにさらに書類の山ができる。
「……二村君の鬼。なんで笑顔でそんなことすんのさ?」
「会長が学校サボっていたからですよ?」
……否定できない。
「はぁ……。あ、そこにある部活の顧問との解決策、いくつか出しといたから、どれが使えるか確認して」
「えっ、もう終わったんですか?!早……」
緊急度合いが高かったからねー。
俺がわざわざ学校に来ている理由。それは勉強するためが一番じゃない。
なるべく、モンダイジを増やさないためだ。
社会に馴染めない人は、少なくていい。
俺らみたいな思いをするのは、多くないほうがいい。
だから、俺は元生徒会長である先輩、二村君の立ち位置を奪ったんだ。
二村君も俺のやり方を理解してくれている。しかも、協力もしてくれるからありがたい。
「さて、と。二村君はもう上がっていいよ。あとは俺がやっておくから」
「まだ沢山、書類残ってますけど……?」
訝しむように、二村君は俺を見る。
さすがというか、鋭いというか……。
「…………」
「はぁ……無理だけはするなよ?これでも先輩、なんだから、少しは頼れ」
二村君が敬語をやめる。これは“先輩”からの忠告だ。
「わかってますよ。先輩」
パタリ、と音がして生徒会室が俺一人となった。
カタカタという音が響く。
学校のパソコンはセキュリティがしっかりしてる。だから、安心して調べ物ができる。
「…………あー。やっぱり」
見つけたのはとある写真だった。
ユメちゃんのことは、どうせみんながなんとかするだろう。
問題は、キリちゃんのほうだ。
「はぁ、どうしよっかなぁ」
もし、過去の出来事にまだ囚われていたなら、もし、信じていたことが崩れたなら、
そんなことがあってもまだ、仲間だとあの二人は言うのだろうか?
「……初代団長は、ホントにとんでもないもの残していったね……」
俺は色褪せた封筒をジッと見つめていた。