コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
サイド ユメ
あたくしは、全員の机の中にゴミを仕掛けて、引き戸に画鋲を貼っておきました。
なのに、何故、全てなくなっていますの?!
「おっはよー!!ユメ」
「お、おはようございますですわ」
十中八九、こいつのせいですわ。レン!
どうして、あたくしの仕掛けた罠全てがわかるんですの?
レンさえいなければ、あたくしの計画は完璧でしたのに……。
あたくしは心の中で小さく舌打ちをいたしました。
サイド レン
ユメは、毎日放課後にいじめの準備をしてる。
それしか、仕掛ける時間帯がないからだと、タエさんが言っていた。
ここからは、オレの得意分野の活躍だ。
まず、教室の大まかな配置を確認する。
あとは、たくさんの人から見えにくく、それでいてよく使う場所を考えて罠があるか確認すればいい。
罠のことなら、オレだって、よく知ってるんだ。
……ユメなんかに負けないくらいに、な。
サイド ユメ
「……いい加減、諦めてくださいませんこと?」
「……ユメこそ、こんなことするのやめろよ!」
もう、夏休みまであと数日というところであたくしはレンを校舎裏に呼び出しましたわ。
「いじめなんて、絶対しちゃいけない!目に見えない、心の傷を一生作ることになるんだぜ?!」
……レンの言ってることは正論ですわ。
それゆえに、吐き気がいたします。
何も知らないくせに、よくそんなことが言えますわね。
「では、あたくしはどうすればよかったんですの?」
……こうすることしか、あたくしには出来なかったというのに。
「心が傷ついて壊れるような脆いモノなら、あたくしの心はもうとっくの昔にバラバラになっていますわね…………!」
どうせ、話したところで何も変わらない。
なら、正論が必ずしも正しいのではないということをレンに教えてあげますわ。