1度別れて　完

友達からやり直すようになって、2ヶ月が過ぎた。

あくまで友達なら、渡辺はよく笑う。

渡辺の運転で、買い物にも、ドライブにも行く。

宮舘の「好き」の気持ちは封印している。

でないと、会ってくれない。

だけど、ちょっとした瞬間に封印した蓋の隙間から「好き」が顔を出す。

そういう時は、渡辺にすぐ叩かれる。

良かったことは、渡辺が笑ってくれること。

前は２週間に1度くらいしか、会ってくれなかったのに、今は毎週末に会ってるし、平日でも晩ご飯を食べに来てくれる。

手を握ることも、キスすることもないけど、宮舘は嬉しい。

渡辺がそばにいてくれるから。

渡辺ー涼太、晩ご飯何？

宮舘ー冷蔵庫開けて、ある物で作ろうかと思っているけど？

渡辺ー俺にも、食べさせて？

宮舘ーそんな料理でいいの？

渡辺ーそれでも美味しいだろ？

宮舘ー任せなさい。

渡辺は、家庭料理を美味しく食べた。

お店に出すような料理ではなく、あり合わせの料理でも美味しい。

渡辺ー美味しかった。

宮舘ーこんなので、ごめんね。

渡辺ー俺は、こういうの好きだけど？

宮舘ーじゃあ、また作る。

渡辺ーうん。

こういうやり取りが、渡辺の心をリラックスさせている。

晩ご飯の後、ソファで寝てしまうこともある。

宮舘は、写真を撮ったりしない。

ブランケットをそっと掛けてやる。

起きたらすぐに帰ってしまうけど、渡辺が、「今が居心地いいかなと思う」と言う。