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目が覚めたら見知らぬ場所だった。私は全く知らない部屋の中にいた。電球の薄明かりだけがある不気味な場所。四角形の部屋で三面が壁、一面だけが檻だった。檻には扉がある。
(鍵があれば出られるのか?)
部屋の中にはベッドや洗面台、後は壁に掛かっている時計、すごく小さい机くらいしか無かった。檻の先を見ると階段がある。そして、私がいる檻と階段の間には長い廊下。どうやら私がいる檻以外にもあるようだった。
「ふあ〜ぁ」
私の後ろから欠伸をする声が聞こえた。その声にびっくりして私は少し跳ねてしまった。その人物はベッドの掛け布団に潜っていたらしい。
「あんたが例の新入り〜?」
(知らないよ。なんの事情でここに来たのかも分からないのにそんなこと聞かれても。)
「知らないです。」
身長は平均くらいの女性。髪はボサボサ。
「あ〜そっかそっか、ごめんいきなり。なるほどね そういえば私の時も何の説明もされてなかったわ〜」
「ここは何処ですか?」
とりあえず質問して情報を集めてみる。
「それがね〜あんたより前からここにいる私でも 知らないんだよね〜」
「どれくらい前からここにいるんですか?」
「う〜ん 正確には数えてないけど1か月前くらいかな〜」
「ここはどういう場所何ですか?」
「別に?特に何もしてないしなんの場所でもないよ。ただ生きてるだけ。」
(言い方が引っかかるな。)
「そうですか。部屋にはほとんど何も無いようですけどどうやって生きてるんですか?」
「朝から昼までは檻から出られるよ〜夜からは鍵かけられちゃうけどね〜 実際、今は開いてるから外に出てみれば〜?わたしが案内するよ」
(なんだ、空いてたんだ。)
「じゃあ、よろしくお願いします。」
そうして私は檻から出て部屋にいた人に案内してもらった
「あそこがトイレで〜あっちが非常口だよ。何かあったらあそこから外に出るの。」
トイレは元いた檻から見ると右側。非常口はあの階段。
「分かりました。」
(おかしい。檻に鍵をかけられたりしてるのに非常口からそんなに簡単にここから出してもらえるわけが無い。絶対嘘だな。それに、さっきから私が引っかかると感じるところだけこの人の話し方が違う。嘘をつくと話し方が変わるのかな)
「そういえば名前言ってなかったね〜 わたしはゆらって言うよ覚えてくれたら嬉しいな。あんたの名前は〜?」
また嘘か。偽名を言ったのか?
「私の名前はやえです。」
まぁ、本名くらい言っても問題ないだろう。
「よろしくね〜」