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窮鼠はチーズの夢を見る
映画一回見たきりで
口調とか設定忘れてるまま書いてます。
『あ、そういや大伴のやつ また浮気したらしいな』
『ね、彼女ちゃん可哀想じゃん』
『全く酷いよな、つか、さっさと別れちゃえばいいのに』
『なぁ、今ヶ瀬はどう思う?』
『え、あぁ…』
死ねばいいと思う、先輩以外。
『言うなぁ』
遠慮ない力で肩を叩かれ、眉間に皺が寄る。
(先輩以外、死ねばいい。)
もちろん、自分も
そこまで考え、違和を感じる。
『え…俺今なんて言いました?』
手元にある灰皿から目線を上げると、いつもの居酒屋の風景で、
あたりを見回すと、サークル内の見慣れた顔ばかり。
3秒前の自分の思考に寒気が込み上げる。
冷静になろうと煙草をくわえてみる
けど、嫌な汗が吹き出し、こめかみ辺りを伝っていく。
「はぁ…」
溜息をこぼし、そのまま目を閉じる。
「っ、うわ、!」
次に目を開けたとき、目の前に先輩の顔が飛び込んできて、思わず声を上げてしまう
「あ、目覚めた?」
「いま、何しようとしてたんですか」
「…」
「先輩」
「バレた?」
次の言葉を言う前に、唇を塞がれる。
背中に手が回されて、舌を軽く噛まれる
先輩に応えるように、両腕を絡ませて
しがみつくように 先輩を抱き寄せる
「先輩、好きです」
「…知ってる」
「さっき、まで夢見てて」
「先輩以外、死ねばいいのにって」
「なにそれ、物騒だな」
首に顔を寄せて、先輩が笑う。
「で、今は?」
「……きもちいい」
「関係ないじゃん」
「もし今見てるのが夢なら…」
「ずっと、覚めないままがいいです」
「目覚めて学生時代になったら、どうしよう」
「さぁ、どうだろうな」
先輩の体の下で、目を擦りながら
必死にあくびを噛み殺す
「眠い?」
「眠くないです」
「ほんと?」
「…ほんと」
でも、気づいたら目が閉じていて
「先輩…自分が寝るまで、ずっと」
「傍にいてください、ね…」
「何処にも行かないよ」
これが 夢じゃないといいな
「おやすみ、今ヶ瀬」
end