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ハルナは席を立ち、店を出ていった。僕は状況が飲み込めず、後を追うことが出来なかった。
サヨが席を立ちこちらに向かってゆっくりと歩きだす。
「サヨちゃん、どういうこと?なんでハルナとお店に。。。」
「ハルナさんから、伝言預かった。。」サヨは下を向いたままこう言った。
「私の事はもう忘れて幸せになって欲しいって、過去に縛られてないでって、もう苦しまないでって言ってた」サヨは振り絞るようにそう言った。
「そんな。。。」サヨはそれだけ伝えると、足早に駅に向かって行った。
ハルナとは幸せな思い出しかない。なのになんで別れたのか。。。
僕は何故、この踏切に毎週金曜日にくるのか?ハルナに会う為?いや初めはそんな理由じゃなかった。
とはいえ、また金曜日、僕はこの踏切の前に立ち尽くしていた。
月日は流れ、金木犀の香りが立ち込める季節、ハルナは駅のホームにいた。
忘れろと言っておきながら、何故そんな悲しげな瞳で僕を見る。
僕はあの一言で怖気付いていた、すぐそこにハルナがいるのに、言葉すら交わせない。
それから1月に2回くらい、ハルナは僕のいる踏切には来ないが、駅のホームからこちらを見つめている。